2021年ホープフルS 回顧。軽い馬場でディープ産駒にマッチ。

走破時計2:00.5    前半1000m1:00.1   上がり3F 36.3

まずは馬場状態ですが良馬場でした、含水率がゴール前で10%を切っているので、かなり乾きましたね。走破時計も昨年に比べて2.3秒も速いですから、馬場は軽い高速馬場で良いと思います。3着以内の3頭は中段のよりも前に居ましたから、前が止まらない馬場だったはずです。風を懸念していましたが、当時は北西の風2mで微風でしたね。有馬記念程の風ではなかったので、このレースではパワーよりも心肺機能が問われていますね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2020年ホープフルS、緑は2021年エリカ賞のグラフです。

昨年に比べて中緩みがないのが特徴ですね、逃げてレースを作ったのは同じ三浦騎手、昨年のランドオブリバティのレース振りを見ると、今年のラップで逃げていればあのような逸走はなかったのでは・・・。中緩みのない平均バランスで心肺機能が問われる展開でした。これで上位3頭は中段よりも前に居たわけですから、馬場の影響は大きかったはずです。キラーアビリティはL2で11.5くらい、Ⅼ1で12.1くらいを出していますね。小倉でほぼ平均バランスからL1最速10.8を出すので、この馬は持続力が高いですね。

ボーンディスウェイは葉牡丹賞で逃げ切っていますが、その時は前半で12.8-12.7を踏んでからの5F戦だったので、前半無理をしていないことが好走の要因だった感じ。同じく前半無理をせずに好走してきたのがオニャンコポンで、今回は心肺機能で見劣りましたね。

サトノヘリオスについてエリカ賞と比べてみましょう。実はエリカ賞も苦しいラップになっていて、これを快勝しているので、このレースラップはこなせるはず。しかし凡走しているので、能力で負けた感じではなく、中1周か初輸送の影響ではないでしょうか。岩田望騎手なので乗り方に疑問がわきますが、今回のレースラップからは乗り方以前に、馬の体調面に疑問が湧いてきます。

逃げたのはグランドライン、中段の前からボーンディスウェイ、中段のやや前からキラーアビリティ、オニャンコポン。中段からラーグルフ、ジャスティンパレス、タイラーテソーロ、中段やや後ろからシェルビーズアイ、サトノヘリオス、コマンドライン、マテンロウレオ。中段の後ろからフィデル、アスクワイルドモア、後方からアケルナルスター、クラウンドマジックという並びでした。

逃げたのはグランドラインでした、中緩みのない平均バランスですね。スタートが良かったので腹を括って行ってしまったんでしょう、葉牡丹賞で3着の時は前半ゆったり入っていたし、芙蓉Sでは大きな中緩みがあったので、前半が速過ぎましたね。4馬身程離れてボーンディスウェイ、この馬のポジションでピッタリ平均バランスだと思うので、この馬も心肺機能で苦しくなりましたね。キラーアビリティが中段のやや前で、その外に居たオニャンコポンはこのペースに対応できませんでした。

中段に居たラーグルフとジャスティンパレスが3,2着なので、平均バランスなのにバテ差しの展開にならなかった。これは軽い馬場だからでしょうね。サトノヘリオスが中段のやや後ろで、スタートで伸びあがってしまったコマンドラインがリカバリーしてこの位置。コマンドラインは前半かなり無理をしていますね。アスクワイルドモア、クラウンドマジックはスタートがやや遅く後方になってしまいました。

4コーナーです、グランドラインが先頭で、ボーンディスウェイが並びかけます。その後ろに最内ラーグルフ、1頭分外にキラーアビリティで、その真後ろからジャスティンパレスがスムース。オニャンコポンとサトノヘリオスが外からで、コマンドラインも外目。フィデルが最内を回してスムースでした。

直線L1標識付近です、グランドラインが苦しくなって、ボーンディスウェイが先頭に。キラーアビリティがスムースに抜け出すところ、内からラーグルフがスムースにコースを見つけて伸びてきます。キラーアビリティの外からジャスティンパレスがスムースでしたが2着まで。上位3頭は4コーナー出口で前に居たので、後ろからでは届かない展開でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はキラーアビリティ、中段のやや前から押し切り圧勝、心肺機能も見せたし持続力は相当の高さですね。この馬はディープインパクト産駒で母系もパワーあふれる感じではないので、軽い馬場がドンピシャであった感じはありますね。小倉でL1最速10.8を出しているように、トップスピードの質を持続する能力が高い感じ、皐月賞よりも府中や阪神外回りが良さそうですが。

2着はジャスティンパレス、この馬も初手のポジション取りが良かったですね。クリスチャンなのでポジションを取ってくると思いましたが、4コーナーからの位置取りが上手かったですね、前にキラーアビリティを置いて目標に出来ましたからね。この馬もディープ産駒ですが、母系にロベルトが入っているので、その分パワー寄りの特性だと思います。この分だけキラーアビリティにスピードで負けた感じですね。皐月賞はこちらの方が合いそう。

3着はラーグルフ、この馬も初手の位置取りが良かったですね。この馬はモーリス産駒で母系にFairy king(サドラーズウェルズの全兄弟)なので、コテッコテのパワー型ですね。前に居たことで持続力で3着に入りましたが、L1標識付近ではジャスティンパレスに並んでいたので、スピードで見劣った感じですね。

4着はフィデル、スタート五分に出て前に行かなかったですね、外目の枠なので無理に前に行くと脚を使うので、切れ目から内に入れてきました。4コーナーからも最内を回して直線伸びてはいますが届かなかったので、今回は馬場にも嫌われた感じ。

5着はボーンディスウェイ、前に居たので掲示板に乗れた感じですね。中緩みがない展開だったので、心肺機能で見劣った感じでした。

馬券の方は馬連だけ的中、当然トリガミでした。

今年も1年ありがとうございました、2022年はAJCCから始める予定です。