2021年天皇賞(秋) 回顧。現3歳世代は強い。

走破時計1:57.9    前半1000m60.5   上がり3F 33.6

まずは馬場状態ですが良馬場でした、お昼ごろからパラパラと降っていましたが、終日良馬場で行われました。9Rの国立特別が2勝クラスのマイル戦で、走破時計1:33.5、上がり3F34.5でした。上がり最速は3着のセントウルで33.4でした。天皇賞(秋)は1分57秒台の決着で、レースの上り3Fが33.6ですから高速馬場でしたね。含水率は若干上がっていますし、雨もありましたがクッション値が変わらずで、馬場には影響がなかったと思います。土曜日に散水をしていない辺りに、JRAの腹の内が見えますね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年ダービー、緑は2020年ダービーのグラフです。

今回のレースはスローからの4F戦になりました。これでエフフォーリアがスムースに押し切っています、追いすがったコントレイルを1馬身退けた要因は持続力の高さでしょうね。赤と緑のグラフを比べると、今年のダービーの方が厳しいラップになっています。今年は5F戦で昨年は4F戦なので、持続力が問われているのは今年の方です。トップスピードの質についてはおそらく互角、持続力はエフフォーリアが上回っていると言ことでしょうね。

ダービーの比較からエフフォーリアとコントレイルだけでなく、世代としてもエフフォーリア世代の方が上に評価しても良いと思います。コントレイル世代が古馬になってイマイチパッとしないのは、このダービーのレベルに見て取れるということでしょう。

逃げたのはカイザーミノル、2番手にグランアレグリア、3番手にトーセンスーリヤ。中段の前からカレンブーケドール、ポタジェ、中段のやや前からエフフォーリア、ヒシイグアス。中段からコントレイル、ラストドラフト、中段のやや後ろからサンレイポケット。中段の後ろからモズベッロ、ムイトオブリガード、後方からユーキャンスマイル、ワールドプレミア、ペルシアンナイト、カデナがポツンという並びでした。

予想通り逃げたのはカイザーミノルでした、トーセンスーリヤが内から3番手でこの辺りは想定通りでした。予想外だったのはグランアレグリアの位置取り、まさかの2番手先行でした。今日に限ってやたらスタートが良かったので、何が何でも行きたい馬も少なく出たなりで2番手、下げるわけにもいきませんからこれは仕方ないですね。ルメール騎手はアーモンドアイで前に行くことがあったので、そのことも頭にあったのかもしれませんね。

外からカレンブーケドールが上がって中段の前、ポタジェがその内に居ました。中段やや前にエフフォーリア、出たなりでしたね。コントレイルはスタート出ましたが、引いてエフフォーリアの後ろを狙ってきました。福永騎手は差し切れると思ったはずですが、持続力はエフフォーリアの方が上回ってますからね~、この点は福永騎手も甘く見たのではないでしょうか。4着のサンレイポケットは初手の段階ではコントレイルの外に居ました、向正面に入ったところでモズベッロが下がったスペースに入って、中段のやや後ろ最内というポジションでした。ここから更にポジションを上げて行き、4コーナーではポタジェの後ろでした。

4コーナーです、カイザーミノルが先頭でグランアレグリアが2番手、その外にカレンブーケドールで1頭分外でしたね。2列目にトーセンスーリヤとポタジェがスムース、その後ろからエフフォーリアが更足でスムースでした。内からサンレイポケットがジリっと上がり、コントレイルがここから外へ行きます。ヒシイグアスが居ましたが、狭くなるようなことはなかったですね。

直線L2標識付近です、カイザーミノルが先頭でグランアレグリアが並びかけ、2列目にポタジェ、カレンブーケドール、エフフォーリアでした。エフフォーリアはここから追い出し開始でした、これはダービーでの仕掛けが若干早かったことを反省したんでしょうね。初手の並びから目標をグランアレグリアに定め、コントレイルの仕掛けに併せるという、横山武騎手のプランが見えるようでした。L3区間11.1にヒシイグアスが弱化遅れましたね、これはコントレイルに対して1頭分外を回していたためもあったと思います。このスペースを使ってコントレイルが外に出してスムースでした。

サンレイポケットとポタジェの位置関係を見ると、ポタジェよりもサンレイポケットの方がトップスピードの質が上、白富士Sではサンレイポケットの位置が後ろ過ぎて届かなかったので、この2頭は同じような力関係で良いでしょう。

直線L1標識付近です、グランアレグリアが抜け出したところを、ここでエフフォーリアが並びかけます。コントレイルはエフフォーリアに追走まで。この3頭はスムースでしたね。ここからはトップスピードの質を持続することが求められ、Ⅼ1のレースラップは11.4でした。グランアレグリアがわずかに遅れているので、グランアレグリアのL1は11.6、距離の問題か前に行って溜めが作れなかったことが原因なのか、議論を呼ぶレースになりましたね。

L1のレースラップはエフフォーリアの物なので、エフフォーリアのL2ラップは10秒台ですね。L1でも踏ん張ってコントレイルを寄せ付けませんでした。トップスピードの質と持続力を見せました。コントレイルはL1で差を詰めていないので、エフフォーリアと互角と見て良いかもしれませんね。エフフォーリアは前に行って、このトップスピードの質と持続力見せられるので、コントレイルがエフフォーリアよりも前で同じことができるかは未知数ですね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はエフフォーリア、中段のやや前からでもこのトップスピードの質を見せられる、これがこの馬の最大の強みですね。皐月賞の勝ち方を見ても心肺機能も持っているので、弱点らしい弱点がない。世代云々ではなく古馬相手でも結果を出しましたから、現状の日本競馬界ではこの馬が中心ですね。

2着はコントレイル、エフフォーリアに対して後ろからだったので、届かなかった感じですね。ただこれはエフフォーリアが強過ぎただけで、4着以下は相手にしていないので、何だかんだ言って3冠馬ですね。一点不安があるのは2000mがベストだと、2Fの延長はどうなんでしょうね。

3着はグランアレグリア、まさかの2番手先行でした。スタートが良い方ではなかったのですが、今日に限っては最高のスタートを切ってしまいましたね。さすがにこれで下げる訳には行きません、外から他の馬が行ってくれればよかったのですが。前に馬を置けずに空気抵抗もあったし、距離も2000mはギリギリ、L1で減速率が大きくなったのはこの辺が原因でしょうね。高速馬場だったので3着は確保しましたが、中段辺りからいつもの爆発的な末脚を試して欲しかったですね。

4着はサンレイポケット、初手ではコントレイルの外に居ましたが、向正面でジリっと下げてモズベッロが下がったスペースに入って最内、ここからスルスル上がって4コーナーではポタジェの後ろでした。トップスピードの質でポタジェを上回り、Ⅼ1で置き去りにしましたね。上位3頭には引き離されているので、クラス負けのですが、GⅡならポタジェに先着しているわけですから十分勝負になりますね。

5着はヒシイグアス、外枠が響いた感じで4コーナーで距離ロスがありましたね。初手でも外から中段のやや前に行くのに、脚を使っていますからこの5着は高評価で良いでしょう。ただL3からの11.1のラップには苦労しているので、トップスピードの質は評価できないですね。この馬が伸びてきたのはⅬ1ですから、持続力は見せたが、高速馬場は良くないと思います。

ポタジェは6着、トップスピードの質で見劣りでした。

馬券の方は馬連だけ、上位3頭できっちり決まったので良いレースだったと思います。次回は1週お休みして11月14日のエリザベス女王杯の予定です。