2021年ヴィクトリアM 回顧。異次元のトップスピードの質。


走破時計1:31.0    前半800m46.0     上り3F33.4  

まずは馬場状態ですが良馬場で高速馬場でした。土曜に散水をしていませんが含水率は悪化していました、ただ1%程なので影響はありませんでした。クッション値がやや硬めに入ってきました。お昼ころに小雨がありましたが、馬場に影響はなかったです。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2019年阪神JF、緑は2021年阪急杯のグラフです。

まずグランアレグリアですが、レースのL2ラップ10.9の部分で持ったまま先頭に並びました、L2標識付近ではレシステンシアと3,4馬身差があったので、グランアレグリア自身のL2ラップは10.5くらい、もしくはもっと速いかもしれません。L3のレースラップが11.2なので、L3から流れてくれたことで瞬発力ではなく、高いトップスピードの質を持続する能力を改めて見せつけましたね。トップスピードの質と持続力は現役最強でしょうね。

デゼルはL2標識付近ですぐ前に居たグランアレグリアに付いて行けませんでした、上位5頭が上がり33秒台ですから届かなくても無理はないですね。2着のランブリングアレーはL2標識でデゼルと並んでいて、L1標識でもデゼルの横に居たので、トップスピードの質はデゼルと同じくらいのものを見せました、L1でデゼルを引き離したので持続力で上回りました。

レシステンシアについてです、このレースは前半800m46.0と前半が遅いです。これではこの馬の良さが出ないんですよね、予想の段階で豊騎手が変に気を使ってしまうと危ないと思いましたが、中緩みに付き合ってしまった結果L1で他馬の減速率が小さかった、差し馬に楽をさせる展開になってしまいましたね。阪神JFの時は今回よりも中緩みが大きいのですが、前半が速くL2から減速戦になっているので、後続に脚が残っていなかったんですね。前走の高松宮記念で重馬場の中、控えて好走してしまったことが悪い方に出てしまった感じです。

逃げたのはクリスティ、2番手にスマイルカナ、イベリス、レシステンシア、中段の前からディアンドル、シゲルピンクダイヤ。中段やや前からサウンドキアラ、マルターズディオサ、マジックキャッスル、中段からグランアレグリア。中段やや後ろからデゼル、中段の後ろからランブリングアレー、プールヴィル、ダノンファンタジー。後方からテルツェット、リアアメリア、アフランシール、レッドベルディエスという並びでした。

まずグランアレグリアの位置取りから、自身よりも外から中段を取りたい馬の内リアアメリアが出遅れ、5枠の2頭レッドベルディエスとテルツェットもダッシュが付かず、プールヴィルは初手で外に並んでいましたが、三浦騎手の謎騎乗で下げてしまいました。これで外に馬が居なくなり馬群の外でストレスフリーでした。ノーザンFの御威光かルメール騎手の日頃の行いか分かりませんが、この位置取りで勝負は決まりましたね。

逃げたのはクリスティで競られることがなかったので、3F目から11秒台の後半に入ってしまいました、スマイルカナとレシステンシアもこのペースを容認したので、全体ではスローバランスになるという、このレースでは珍しい展開でした。シゲルピンクダイヤがスタートを決めて中段やや前を取れたことは今後に繋がりますね。ダノンファンタジーはスタート良かったのですが、控えてしまい中段の後ろからでした、高松宮記念で重馬場の中先行して凡走したことで、後方からを選択したのでしょうね。この辺りが馬の能力を考えていない証拠でしょう。

4コーナーです、クリスティが先頭でスマイルカナ、レシステンシアが並んで続きました。2列目にイベリス、シゲルピンクダイヤ、外にディアンドルが居ました。ここから直線入り口でシゲルピンクダイヤが外に膨れ、イベリスが早々に失速したことでマジックキャッスルがスムースにコースを確保できましたね。グランアレグリアはここでもストレスフリーでした。デゼルがグランアレグリアとの間隔を空けていたことで、このスペースをランブリングアレーが使ってきました、これでランブリングアレーはスムースに直線に入りました。

直線L2標識付近です、クリスティが踏ん張っていて、スマイルカナとレシステンシアが並んでいました。イベリスが失速してしまい2列目にマジックキャッスル、シゲルピンクダイヤ、ディアンドル。その後ろにマルターズディオサ、サウンドキアラ、グランアレグリアで、ランブリングアレーはここで若干待たされましたね。その外にデゼルが居てその後ろからダノンファンタジー。

ここからグランアレグリアが持ったままぐんぐん差を詰めて、L2は10.5くらいのはず。このスピードにはデゼルが付いて行けず、内の各馬も対応できませんでした。1頭だけ次元の違うトップスピードの質を見せましたね。レースラップのL2が10.9ですが、これはレシステンシアのものです、今回はスローバランスだったので評価はできませんが、この馬はL2でもう一足使ってくるんですよね。

直線L1標識付近です、ここからグランアレグリアが突き放しました、L1のラップ11.3はグランアレグリアのもので、とんでもないトップスピードの持続力を見せましたね。2着に入ったランブリングアレーはL1でグランアレグリアと同じくらい、目視ですがL3から11.0-10.9-11.3で上り3F33.2だったはずで、こちらもトップスピードの質と持続力を見せましたね。デゼルはL1でランブリングアレーに見劣ったので、トップスピードの持続力で見劣ったということですね。外からダノンファンタジーが伸びましたが、まぁこれでは勝負になりませんからね。

マジックキャッスルが3着、スムースでしたがちょっと足りませんでした、着差からもランブリングアレーとは互角ですね。ディアンドルが4着に粘っているのは、前半が緩かった証拠ですね。で、緩かったことでトップスピードの質で見劣ったのがシゲルピンクダイヤとレシステンシア、レシステンシアは上り3F34.1ですから能力は出しているのですが、如何せんこのペースでは展開が合わなかったですね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はグランアレグリア、初手の位置取りで馬群の外を取った時点で、1着は決まりましたね。今回はこの初手の位置取りだけで、言うことはないです。トップスピードの質と持続力で圧倒、トップスピードの質は高いという評価ではなく、非常に高いという評価にしないといけませんね。

2着はランブリングアレー、初手は中段の後ろでしたね、吉田隼騎手はグランアレグリアは最初から相手にしていなかった感じで、2,3着狙いのような位置取りでした。皐月賞の時のステラヴェローチェも同じような乗り方だったので、性格ですかね~。この馬は前走が不良馬場でのバテ差しだったので、トップスピードの質が高くないと思いましたが、なんてことはない、高いトップスピードの質を持っていましたね。完全に見当違いでした。持続力も高いものを見せたし、前半ゆったり入って後半勝負があっている感じですね。

3着はマジックキャッスル、内枠でどう捌くか見ていましたが、戸崎騎手の狙いは直線勝負でしたね。ある程度流れてくれればばらけると考えたのかもしれませんが、今回はスローバランスでしたが直線上手くコースが空いたのでスムースでした。グランアレグリアには完全に力負けしましたが、ランブリングアレーとは互角の評価で良いと思います。

4着はディアンドル、前半ゆったり入れたことで持続力を生かせましたね、この馬は1200mではハイペースでも結果を出していますが、前走も1800mではスローで進めて粘り込みですから、この展開はドンピシャでした。ただ馬場が速かったことと、このクラスではトップスピードの質で見劣ってしまいました。

5着はシゲルピンクダイヤ、この馬もマイルで先行した時は平均以上で流れた方が持続力が活きるはずですし、スローでトップスピードの質が問われてしまうのは良くなかったですね。桜花賞の時みたいに追い込みに回れば、トップスピードの質も高いものを見せられますが、どこでその足を使うかが難しいタイプなんでしょうね。

レシステンシアは6着でした、豊騎手がちょっとね~。ダノンファンタジーは先行せずに7着、デゼルはトップスピードの質でグランアレグリアに見劣り、持続力でランブリングアレーに見劣りました。サウンドキアラは速い上がりを使えなくなってきた感じですね。この展開でリアアメリアが全く伸びなかったのは、クラス負けのということでしょうかね~。

馬券の方はハズレ、ランブリングアレーに印を回せずでした。次回はオークスの予定です、恒例の本命予定馬ですが、アカイトリノムスメ、ステラリア、タガノパッションです、3頭とも高く評価しているので、場合によっては3頭軸にしようかと考えています。