2022年NHKマイルC 回顧。内が荒れていた。

走破時計1:32.3    前半800m45.6   上がり3F 34.9

まずは馬場状態ですが良馬場でした、9Rの湘南Sが3勝クラスのマイル戦で1:32.3、上がり3F最速は32.9なのでやや高速馬場と見て良いと思います。3,4コーナーは内から1頭目が芝が剥げていました、最内は良くなかったかもしれませんね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年朝日杯FSのグラフです。

今回は前後半45.6-46.7でハイペースでした。1着のダノンスコーピオンは中段で平均バランスくらい、前走のアーリントンCでも平均バランスを差し切っているので、まぁまぁの心肺機能を見せていました。Ⅼ1が12.3なので持続力を問われていますし、Ⅼ3最速で11.1は自身も同じくらいなので、キレッキレのトップスピードの質を求められなかったことも良かったはず。

2着はマテンロウオリオンで、この馬はシンザン記念で平均バランスを先行押し切り、この馬はキレッキレのトップスピードの質は見せていませんが、今回も持続力が問われる展開で伸びてきました。トウシンマカオがハイペースにしたことで、馬群がばらけたのでスムースに外に出せたことが大きいですね。前半の速い時点ではゆったり入っての後半勝負、横山典騎手のペース認識もドンピシャでしたね。

3着のカワキタレブリーには驚きました。この馬はデイリー杯2歳Sでセリフォス、ソネットフレースに次ぐ3着、この時はスローバランスでしたが上がり3F33.5でした。前走のアーリントンCは平均バランスを先行してL2で一杯、距離適性かと思いましたが、心肺機能の問題だったんですね。菅原騎手はテン乗りでしたがここを見抜いて後ろから、脚を溜めての一発狙いの見事な騎乗だったと思います。もちろんハイペースバランスだったことで、バテ差しが届いたわけで、展開が嵌ったことは否めませんが。

青と赤のグラフはよく似ていますね、朝日杯FSの方が中緩みが大きく楽な展開、これで2着だったセリフォスが今回は4着。これが休み明けの影響だと思います。次は上積みが見込めるので、安田記念は有力ですね。問題は逃げたトウシンマカオの戸崎騎手で、朝日杯でも先行してL1苦しくなっています。にも拘らずここまでペースを上げてしまうのはなぜなんでしょう。

逃げたのはトウシンマカオ、2番手にキングエルメス、3番手にオタルエバーまでが先行。中段の前からセリフォス、ソネットフレーズ、中段のやや前からソリタリオ、タイセイディバイン、フォラブリューテ。中段からアルーリングウェイ、ダンテスヴュー、ステルナティーア、ダノンスコーピオン、中段のやや後ろからインダストリア、プルパレイ、カワキタレブリー、中段の後ろからセイクリッド。後方からマテンロウオリオン、ジャングロという並びでした。

まずスタートですが、ジャングロがゲートが開く前に扉に突っ込み、大きく出遅れてしまいました。スタートが良かったのがフォラブリューテですが、逃げる気がなくジワジワ下げて行きました。替わって逃げの手に出たのがトウシンマカオで、2F目で10.5を出すハイペース、これにキングエルメスが並びかけるように先行。外からオタルエバーもスタート良く先行、かなり押していたのでこれもハイペースに影響した感じですね。

セリフォスは中段の前からでやや掛かり気味、パドックから煩く返し馬でも行きたがっていたので、気性面でも休み明けの影響があった感じでしたね。スタート五分に出たステルナティーアとダノンスコーピオンが中段、アルーリングウェイがスタート若干遅れてから、リカバリーして中段でした。カワキタレブリーはスタート遅れて中段の後ろ、リカバリーしなかった菅原騎手の好判断ですね。マテンロウオリオンは横を向いている時にゲートが開いて後ろから、二の足も遅くリカバリーせず後方からでした。

4コーナーです、トウシンマカオが先頭でペースはジワっと下げる程度、タイセイディバインがジワっと上がって中段の前。セリフォスは最内でした。この地点ではダノンスコーピオンが1列前に上がり、外からインダストリア、プルパレイがスムースに続きました。3,4コーナーでは内側が荒れていて、芝が剥げている部分を走った馬は、走り難そうでした。アルーリングウェイもこの区間で若干遅れています。

直線L2標識付近です、セリフォスが最内へ行きスムース。L3区間が11.1で、この区間では着順に大きな変動がありませんでした。特に狭くなったり前が壁になる馬も居なく、全ての馬がスムースで力を出せる展開でした。マテンロウオリオンが大外、ここでカワキタレブリーに並んでいるので、カワキタレブリーはトップスピードの質で若干見劣ったというより、トップスピードに乗せるのに若干見劣った感じ。

直線L1標識付近です、L2区間の11.5はトウシンマカオのもので、ここでダノンスコーピオンは先頭に並びかけているので、自身は11.2くらいですね。マテンロウオリオンとカワキタレブリーが互角の伸びで、恐らくこの2頭はL2区間11.0くらいでしょうか。インダストリアがここで見劣っているので、心肺機能で若干見劣ったかも。距離適性が出たのはトウシンマカオで、L1標識から減速率が大きくなり、キングエルメスも伸びを欠きました。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はダノンスコーピオン、前走のアーリントンCが優秀で平均バランスから上がり33秒台を出して差し切り、今回もハイペースバランスを差し切っているので、まぁまぁの心肺機能とやや高いトップスピードの質、そして持続力を見せましたね。3,4コーナーで内が荒れていたことを考えると、枠順も味方した感じもありますが、中段から押し切れたことは今後の安定感に繋がりそうですね。

2着はマテンロウオリオン、スタートで遅れたこと、リカバリーしなかったこと、ハイペースで馬群がばらけバテ差しの展開になったこと、噛み合ってはいますが力がなければ好走できませんから、特に持続力を見せましたね。スタート不安を今回も見せたので、出遅れてスローバランスになった時には、届かない危険が出てきますね。

3着はカワキタレブリー、デイリー杯2歳Sで3着、この時はスローからの3F戦で上がり勝負になり、ここで上がり33秒台を出していました。前走のアーリントンC凡走の内容からも、脚を溜めた方が良いタイプですね。これを引き出した菅原騎手の好騎乗だと思います。

4着はセリフォス、3,4コーナーで内を回したのは良くなかったかもしれませんね、加えてパドックから煩かったし、返し馬でも行きたがる素振りがあったので、休み明けで精神的にイライラしていたのかも。前半若干掛かっていたし、これで0.3差4着なら次走は期待できますね。

5着がインダストリア、L2区間ですぐ前に居たダノンスコーピオンにやや離されました。L3の11.1には対応しているのでトップスピードの質は問題ないはず。この馬のポジションでも恐らく平均バランスくらいだったので、心肺機能で見劣った感じですね。

馬券の方はハズレ、マテンロウオリオンを無印にしてしまい紐抜けでした。来週は京王杯SCとヴィクトリアMの予定です。