2022年クイーンS 回顧。パワーと持続力が問われた1戦。

走破時計1:47.8    前半1000m61.2   上がり3F 35.2

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日に散水していますが含水率は若干下がりました。クッション値は7.2でやや軟らかめで、この影響なのか時計は掛かています。前半1000mが61.1のスローでしたが、レースの上り3Fは35.2、1着テルツェット、2着サトノセシルの上り3Fが34.4ですから、スローなのに上がりが掛かるという馬場状態でした。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年クイーンS(函館)、緑は2020年クイーンS(札幌)のグラフです。

今回は前半がかなりスローでしたが、馬場が重く上がりが掛かっています。2021年の函館では平均バランスで上がりが掛かり、2020年(札幌)ではハイペースバランスで上がりが掛かっています。今回のレースではかなりのスローなので、普通なら速い上がりが求められるはずですが、馬場状態なんでしょう、かなり時計の掛かる展開でした。

こうなると出番になるのはテルツェットとサトノセシル、上がり3Fの掛かる時に台頭する2頭ですね。ローザノワールも前半スローにしておいて、速い上がりを使わせない展開で3着に粘りました。パワーと持続力が秀でたタイプが好走したレースでした。

逃げたのはローザノワール、、2番手にメイショウミモザ、中段の前からウォーターナビレラ、ホウオウピースフル。中段のやや前からファーストフォリオ、ゴルトベルク、中段からテルツェット、サトノセシル。中段のやや後ろからルビーカサブランカ、中段の後ろからフェアリーポルカ、フィオリキアリ、ラヴユーライヴ。後方からマジックキャッスル、更に離れてスライリーという並びでした。

ローザノワールはスタート五分くらいで押して押して逃げ体勢、メイショウミモザがスタート良く2番手確保。ウォーターナビレラはスタート五分に出ましたが、メイショウミモザが突っ張る形になり、内から3頭目を回されてしまいました。テルツェットはスタートでやや遅れましたが、上手くリカバリーして中段から。サトノセシルも中段からでした。

フェアリーポルカは出して行く素振りも見せずに中段の後ろから、マジックキャッスルはスタート五分に出ましたが、引いてしまい後方からになりました。スライリーはスタートがやや遅く後方ポツンで動かず。

道中はローザノワールのペースで、かなりのスローペースでしたが動く馬は居ませんでした。というのもスローのラップを踏んでいるのは2コーナーまでで、向正面に入ってからジワっとペースアップします。これで捲りが封じられて上がり勝負になりました。

4コーナーです、ローザノワールが先頭で、メイショウミモザが並びかけますがなかなか前に出られません。その外にウォーターナビレラがジワっと上がり、さらに外からサトノセシルがショート捲りで上がってきます。テルツェットは最内をスムースでした。

直線L1標識付近です、ローザノワールが先頭で内から1頭分外、その後ろにホウオウピースフルが続き、テルツェットが最内の1頭分を突いて伸びてきます。サトノセシルは外目からジリジリ伸びてスムース。ウォーターナビレラは直線入り口で手応えが悪くなり、Ⅼ1標識過ぎでは豊騎手が諦めていました。ルビーカサブランカとホウオウピースフルは伸びがイマイチ、それぞれすぐ近くに居たテルツェットとサトノセシルに大きく見劣りました。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はテルツェット、まずスタートはやや遅くいつも通りでしたが、リカバリーした感じではなく下げなかった感じでした。1コーナーで狭くなりややバランスを崩しましたが、大きな問題にならず中段をスムースでした。3,4コーナーで最内を距離ロスなくスムース、これで直線入り口では前から3列目。直線で前の2頭が内を空けてくれたことでスムースに抜け出し差し切りました。時計の掛かる馬場状態も味方したので、速い上がりを求められない時に台頭しますね。

2着はサトノセシル、府中でちょっと足りないところを見せてきましたが、洋芝でパワーと持続力を問われて良さを見せてきました。テルツェットと通ったコースの違いを考えると、負けて強しと言って良いと思います。この馬も馬場状態に上手くマッチした感じの好走でした。

3着はローザノワール、前半スローに出来たことで粘り込みました、昨年は平均バランスで苦しくなったので、マイペースで逃げられたことが大きいですね。前走のヴィクトリアMもややスローバランスでしたから、この馬の好走パターンはスローからのロンスパで、速い上がりを求められない事なのでしょう。

4着がルビーカサブランカ、3,4コーナーでサトノセシルを追いかける形で上がって行きましたが、直線入り口で2馬身程離されてしまいました。手前を替えるタイミングで若干遅れた感じでした。ただL1までジリジリ伸びているので、持続力は見せています。

5着がホウオウピースフル、3,4コーナーすぐ後ろに居たテルツェットに見劣ったので、これはクラス負けの感じですね。速い上がりを持っている馬ではないので、今回の条件は合っているはずですが、これで好走できなかったのは今後が苦しくなりそう。

ウォーターナビレラは10着でした、桜花賞僅差2着馬ですからこの負けはいただけませんね。L1標識では苦しくなっているので、距離の問題ではないと思います。今回は休み明けで万全の状態ではなかった可能性があります、非ノーザンF生産馬で今回は牧場から直接入厩、いつもはチャンピオンヒルズの外厩を使っているので、仕上げ切れなかったんでしょうね。経験の少ない武幸四郎厩舎の悪い面が出てしまった感じです。なのでマイル以下の馬と決めつけずに、休み明けでパフォーマンスを落とすという評価で良いと思います。

馬券の方はハズレ、ウォーターナビレラ1頭軸だったので完敗でした。次回は関屋記念の予定です。