2021年京都記念 回顧。馬場の割にタイムが低調。


走破時計2:10.4    前半1000m59.3  59.3-59.2平均バランス

まずは馬場状態ですが良馬場でした、走破時計は2:10.4です、これは昨年のエリザベス女王杯とほぼ一緒でした。8R4歳以上2勝クラス2000mで1:58.9なので高速馬場でしたね。その上で前が止まらない馬場状態で、8Rも逃げ切りでした。京都記念でも中段の前に居なければ勝負になりませんでしたね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は2020年エリザベス女王杯、緑は2019年京都記念のラップです。

今回はハッピーグリンとステイフーリッシュがやや離して逃げたので、ダンビュライトの位置では2019年京都記念(緑)と似たようなラップになっていたと思います。

まずラヴズオンリユーが快勝しましたが、昨年のエリザベス女王杯とよく似たラップになっています、ラヴズオンリユーの位置でも2019年の京都記念のようなラップだったでしょうね。中緩みからの3F戦でラップ推移は好走条件に合致していました。ただし上がり最速ですが34.7なので、ちょっと物足りないですね。

ステイフーリッシュはいつも通り2着、ステイフーリッシュの位置ではこのラップグラフ通りのはずで、3コーナーから下り坂を利用し加速しての粘り込みでした。3F戦で切れ負けしなかったというよりも、この馬の上り35.2で残ってしまった方が驚きで、今の馬場状態を考えると他の馬が弱かったという評価の方が良いかもしれません。

ダンビュライトは2019年京都記念のようなラップ、前半控えてやや離れた3番手だったので、前半部分ではレースラップよりも遅いラップを踏んだはず、これでステイフーリッシュを交わせなかったのはトップスピードの質が低いためですね。面白いのは2019年京都記念ではダンビュライトが前に居て、ステイフーリッシュに先着しているので、この2頭はトップスピードの質が一緒と考えて良いでしょう。

逃げたのはハッピーグリンでした、2番手にステイフーリッシュ。5馬身程離れてダンビュライトが単独3番手、2馬身程空けてラヴズオンリユーが中段の前、中段やや前からベストアプローチ、中段からダンスディライト、レイエンダ。中段の後ろからジナンボーとワグネリアン、後方からモズベッロ、サトノルークスという並びでした。

逃げたのはハッピーグリンでしたね、北村友騎手はわずかな可能性に賭けて逃げの手に出たのだと思います。力が劣るのは分かっていますから、少しでも可能性を上げるのは前に行くしかないんですよね、結果は出ませんでしたが良いトライだと思います。逆に前に行く素振りも見せなかったのがジナンボー岩田康騎手で、内を狙っていたような感じでしたね。馬場状態を考えれば前半多少無理をしてでも前に行くべきでしたが、この辺りの岩田康騎手の考えは理解不能です。カツジで逃げ切ったり、ケイデンスコールで先行したりしていますが、安定感がないですね。

楽なポジションが取れたのがステイフーリッシュで、2番手単独でストレスフリーで進めることが出来ました。逃げるかと思ったダンビュライトが3番手、前半の2F目10.8に付き合わなかったことで、後半の粘りに繋がったかもしれません。ラヴズオンリユーもいつもの川田ポジションで、外に馬を置かなかったことでスムースな位置取りでした。

ダンスディライトはスタート決まりましたが、この少頭数で馬群に揉まれていましたね、この辺りが岩田望騎手の現状でしょうかね~。ワグネリアン、モズベッロは後方、サトノルークスがモズベッロの外に居たので、モズベッロは動けませんでした。サトノルークスが居なくても動いたかどうかは分かりませんが。

向正面で最内からポジションを上げて行ったのがジナンボー、この動きをするなら初手から前へ行くべきだと思いますが、まぁこの辺りも岩田騎手なので・・・。ここで問題はモズベッロの動きですね、外から捲るにはサトノルークスが居ますから、動けなくても仕方ないのですが、内から上がって行ったジナンボーの動きは見えていたし、スペースもあったにもかかわらず動かない、三浦騎手が重賞で買えないのはこういう部分ですね。

4コーナーです、L4過ぎにステイフーリッシュが先頭に立ち、ダンビュライトが続きました。ジナンボーが最内からスルスル上がり、ラヴズオンリユーはダンビュライトの外で距離ロスが多少ありましたね、それでも最小限なので許容範囲でしょう。ワグネリアンは更に1頭分外でしたね、この距離ロスは大きかったと思います。ダンスディライトは窮屈な感じはありましたが、大きな不利はなかったと思います。

直線L1標識付近です、ステイフーリッシュが先頭で頑張っていましたが、ここからラヴズオンリーユーが交わします。ダンビュライトも流れ込むだけで、ステイフーリッシュとは付かず離れずでした。ダンスディライトはスムースでしたが、すぐ前に居たラヴズオンリーユーに引き離されて、外からワグネリアンにも交わされてしまいました。この1戦だけで判断するのは可哀想なので、乗り替りでもう1回見てみたいですね。

で、問題のジナンボーです、4コーナー内を回したのはまぁ良いでしょう、直線入り口からずっと前が壁になってしまいました。まずこの馬はトップスピードの質はそれ程高くないので、初手の位置取りが大問題ですが、それでもステイフーリッシュやダンビュライトと比べればトップスピードの質は高いので、スムースならこの2頭を交わすことは可能だったと思います。岩田康騎手のミスは、4コーナー出口で前にステイフーリッシュとダンビュライトを置いたことでしょうね、この2頭はトップスピードの質が高くないことは分かり切っているので、直線でコースが無くなることは予想できたはず。「コースが空けばいいな」という楽観的な考えだったのでしょうが、いつもいつも上手く行くはずはありません。内を突くのが上手い騎手ですが、直線部分では最内を走らせるメリットはなにもありません、距離ロスがありませんからね。むしろ今回のように詰まる危険があるので、デメリットの方が大きいのですが、内を突く意味を取り違えているのでしょうか。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はラヴズオンリーユー、追走集団の前からスムースに差し切り、川田騎手らしいそつのない騎乗でしたね。タイムはエリザベス女王杯の時と同じなのですが、エリザベス女王杯当日は高速馬場という程ではなかったので、今回のレースレベルは高いとは言えないと思います。特に上り3Fが34.7というのは、馬場を考えるとお世辞にも評価できません。直線が長いコースの方が合うと思うので、大阪杯はどうでしょうね。

2着はステイフーリッシュ、ラップ推移としては切れ負けしてもかしくないのですが、前に居た分と他の馬のトップスピードの質が低かったことで、いつも通りの2着という結果でした。ラヴズオンリーユーとの着差を考えると、ハッピーグリンを突いて、直線入り口ではセーフティーリードを作っておきたかったですね。下り坂を利用することで、L3の11.3を出してきたので、このコースでは3F戦でも対応できそう。オールカマーの時は5F戦だったので、もう1F早くスパートしていれば、勝っていたかも。

3着はダンビュライト、2019年京都記念を勝った時のようなラップ推移ですから、展開が嵌りましたね。他の馬がだらしなかったので、この3着はあまり評価できません、なのでここで復活とは考えられないですね。

4着はジナンボー、もう言う事はないです。

5着はワグネリアン、元々トップスピードの質が高い方ではないので、喉の手術後を考えると、回ってくるだけで上出来でしょうね。

馬券の方は馬連だけでトリガミでした、来週は京都牝馬Sの予定です。フェブラリーSは京都牝馬Sのおまけとして記述します。