2021年京都牝馬S 全頭評価。その1。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<アイラブテーラー>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや高く、持続力は高い。

”2019年舞子特別”ではややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。”2019年桂川S”では平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。”2019年京阪杯”では平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線は馬群を縫って2着、4コーナー手前で故障馬の影響があった。”2020年淀短距離S”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。”2020年高松宮記念”では重馬場で平均バランスを後方からレースに参加しなかった。”2020年タンザナイトS”ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線前が壁になってしまい4着まで。”2021年淀短距離S(中京)”では平均バランスを出遅れ後方から、全くレースにならずに凡走。

「京都牝馬Sへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:厩舎不安。

<心肺機能について>2勝クラスの2019年舞子特別がややハイペースバランスで差し切り、恐らく自身平均くらいで入っていてのものなので、心肺機能が高いとは言えない。その後は平均バランスばかりのレースで、自身ややスローくらいに入っているレースもあるので、現状では心肺機能が武器になる感じではない。

<パワーについて>舞子特別で差し切っているので坂を苦にしてはいない、稍重だったので速い上がりは使えていないので、パンパンの良馬場で上り坂を速い上がりで駆け上がれるかは未知数。2020年タンザナイトSでは直線スムースさを欠いたが、L1での減速率で優位に立ちジワっと差を詰めているので、パワーは十分にある。

<瞬発力について>2019年京阪杯で故障馬の影響を受け4コーナー入り口で一瞬ブレーキ、そこから立て直して馬群を捌いて2着まで挽回したことで、まぁまぁの物は見せたと思う。2020年タンザナイトSでも直線で2度進路変更していて、そのたびにブレーキとまではいわないが、一旦アクセルを緩めている感じはあった。それでもL1でジワっと差を詰めているので、まぁまぁの瞬発力は見せている。

<トップスピードの質について>ここでも2019年京阪杯でブレーキ後に立て直してからの上がり33.6は高評価、ただスムースで1着だったライトオンキューが33.7なので、トップクラスで通用する程のものではないと思う。

<その他について>まず休み明けだがこの馬は非ノーザンF生産馬だが、桂川Sで4カ月強の休み明けを快勝している、小柄な牝馬ということで仕上がりが早いんだと思う。2019年京阪杯では馬群を縫うように伸びてきたので、操縦性は非常に高いと思うし、手前を替える時にバランスを崩すようなこともないので、内枠でも不安はないと思う。2020年高松宮記念では直前に寝違え最終追い切りもしなかった、スタート後も全くレースに参加せず大差殿負け。2021年淀短距離S(中京)ではゲートを出ないという奇行で凡走、隣のロードアクアがスタート前に立ち上がってしまい、これの影響を受けたようでしゃがみ込んでしまった。同じ中京で高松宮記念でも大きく出遅れているが、コースによるものかどうかは不明。

この馬は非ノーザンF生産馬で河内厩舎と、決して1流とは言えない陣営。平気で二桁の馬体増をやるし、高松宮記念では直前で寝違えて最終追い切りもやらなかったにもかかわらず、強行出走して殿負けと陣営の能力不足は明らか。

好材料はコース適性で、阪神1400mは2-1-0-0,1200mのタンザナイトSでも直線詰まって僅差の4着なので、コース適性はとても良いはず。悪材料は厩舎不安で、二桁の馬体重増減をやってくる。その2戦は共に好走しているので大きな不安ではないが、高松宮記念で寝違えても強行出走する判断が大きな不安材料。前走見せた大出遅れは隣の馬の影響だと思うが、スムースなゲートになるかどうか、こればかりは他力本願ですね。

適性:松

<アスタールビー>・心肺機能は低く、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は低い。

”2019年UHB賞”ではハイペースバランスを逃げ争い気味に先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが凡走。”2020年バーデンバーデンC”ではややハイペースバランスを逃げて4着。”2020年UHB杯”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに4着まで。”2020年TVh杯”ではハイペースバランスを逃げ争い気味に先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。”2020年しらかばS”では平均バランスを2番手から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”2020年キーンランドC”では重馬場でややハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着。”2020年オパールS”では重馬場でハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線狭くなるシーンもあって凡走。”2020年タンザナイトS”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走。

「京都牝馬Sへ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>1400mのフィリーズレビューをボロ負けした、これは平均バランスだから負けたわけではなく、この馬の心肺機能では1400mは持たなかった、1200mでもL1でははっきり苦しくなってしまうので、高強度での運動時間が短いタイプ。2020年キーンランドCでは重馬場でややハイペースバランスを先行、道悪になって前半34.8とかなり遅かったために4着に粘った。このペースでも消耗戦ではないので心肺機能は問われていない。2020年オパールSでは重馬場で2.6秒のハイペースバランス、自身もハイペースバランスで直線入り口で一杯になり凡走している。2020年タンザナイトSでもハイペースバランスを先行して凡走。

<パワーについて>2019年道頓堀Sで0.1差4着しているので、パワーは十分にある。

<瞬発力について>結局これも運動時間が限られてしまうので、後半の瞬発力は期待できない。

<トップスピードの質について>これも瞬発力と一緒で、上りは34秒台が精一杯で武器になるものではない。

<持続力について>心肺機能に足を引っ張られているのがこれで、L1で顕著に落としてまう、2020年UHB杯で中段から進めたが勝負にならなかったし、L1で落としてしまうので逃げても先行しても差されてしまう。

<その他について>この感じからだと新潟1000mで見てみたいが・・・。2020年キーンランドCで4着だが、重馬場で前半34.8とかなり遅いために1200mまで持った感じ。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、キーンランドC4着はあるが、ローカル重賞で重馬場とイレギュラーな条件だった。問題は今回は京都ではなく阪神で行われること、例年の京都牝馬Sはスローバランスになることが多く、この馬の心肺機能を誤魔化せる条件。今年の阪神でも同じようなペースになるかどうか、ここがポイントだと思う。こればかりは他の逃げ馬次第だし、前走は押して押して先行しているので、もしかしたら何が何でも逃げ・先行させるよう指示が出ていたのかもしれない。今回も同じような指示が出るようだと、ハイペースバランスにしてしまい凡走の不安が増す。阪神Cを見ると平均バランスが多く、前半34秒台もあるのは一縷の望みが持てる。前半無理をしないこと、加えて中緩みを作らないことなど、条件が厳しいかな~。

適性:梅

<アマルフィコースト>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は少ない。

・トップスピードの質は低く前半から飛ばして消耗戦に持ち込むのが好走条件。

”2019年石清水S”ではスタート良く3番手追走から、稍重でかなり馬場が重く前半800m46.4のペースで直線失速、逃げ・先行勢が総崩れなのでペースが速過ぎ。”2018年渡月橋S”では3番手から前半800m46.9でスローバランス、直線ではトップっスピードの質で見劣り2着まで。”2018年みちのくS”では3番手追走から前半600mを33.3で入って後半34.4で纏めたところをカルヴァリオに33.2で差し切られる。”2019年京都牝馬S”では平均バランスのスローペースを先行して、L2最速戦を粘り込んで3着、L3が緩むL2最速戦で先行して上手く出し抜けた。”2019年阪神牝馬S”ではスローバランスを2番手から、直線も楽をして粘り込み、超高速馬場のスローバランスという幸運で。”2019年ヴィクトリアM”ではハイペースバランスをやや離れた2番手先行、、直線は一杯で失速。”2019年ポートアイランドS”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り3着まで、この時休み明けで、終いやや甘くなっている。”2019年スワンS”では平均バランスを中段のやや前から、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。”2019年タンザナイトS”では平均バランスを2番手先行、終始1頭分外を回して直線伸びずに4着。”2020年京都牝馬S”では重馬場でスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びたが4着まで。”2020年阪神牝馬S”では平均バランスを先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが一杯になり凡走。”2020年安土城S”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線やや寄れたが伸びずに凡走。”2020年パラダイスS”では不良馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。”2020年オパールS”では重馬場でハイペースバランスを離れた追走集団のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着まで。”2020年ラピスラズリS”ではハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが粘れず7着。”2020年カーバンクルS”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが凡走。

「京都牝馬Sへ向けて」好材料:・・・。 悪材料:ペース。

OP入りしていきなり重賞で3着、2着と人気薄で激走してきたのは正直ビックリ、ダイワメジャー産駒に合う競馬をしているな~というのが印象で、展開的に恵まれた感じもあるんだよね~。京都牝馬Sの騎乗を見てもL4,L3で緩めてしまうのは良くないので、騎手が上手く乗っているというよりも展開がかみ合ったと考える方がしっくりきます、阪神牝馬SではL3からの持続力勝負に持ち込めたが、これは展開を作ったのが豊騎手なので坂井騎手が同じことを出来るわけではない。平均バランスの京都牝馬Sで粘っているが上記したように中緩みのもので上り34.7と、トップスピードの質は当然低いし瞬発力も低い。2019年ポートアイランドSが休み明けでハイペースバランスを、やや離れた追走集団の前から進めて3着、サトノアーサーにはトップスピード質で見劣った。2019年ヴィクトリアMでは前半33.7と完全にオーバーペースだったようで、L2で一杯になっている。

トップスピードの質で勝負しようとすると凡走するのは2019年スワンSで改めて見せてしまっていて、この時は稍重で平均バランスから上がり33秒台を要求されるレースだった。阪神牝馬Sで上り33.6で2着になっているが、この時はかなりのスローバランスを先行しているので、展開が噛み合っただけ。2019年タンザナイトSで久々の1200mを走ったが4着だった、この時はナックビーナスを行かせて2番手からだったが、なぜかナックビーナスの斜め後方で1頭分外を回す謎騎乗で、直線では一杯になってしまった。それでも4着に粘っているので、ロスなく進めれば1200のOPでも勝負になると思う。2020年京都牝馬Sでは中段の前から、重馬場でスローバランスになりトップスピードの質が問われなかったことで4着に好走、休み明けの分サウンドキアラにはトップスピードの質で見劣った感じ。2020年阪神牝馬Sでは前半46.5とかなり速い流れを先行してしまった、これで直線入り口で一杯になっているので、心肺機能の低さを見せた。

2020年ラピスラズリSではハイペースバランスを中段やや前からで、自身もハイペースバランスに入っていた、これでL1で一旦先頭に立っているが、ゴール前でパタッと止まってしまったので、ハイペースバランスでは1200mでも1F長いんだと思う。2021年カーバンクルSが不可解な負け方で、前半も遅く中緩みもできたが、L1で一気に交わされてしまった。L2の11.0には対応していたがL1でそれを持続できなかった感じで、トップスピードの質が足りなかったのかもしれない。

実はこの馬、前半2F目に10秒台のラップを踏むと、ことごとく凡走している。2019年石清水S8着、2019年ヴィクトリアM14着、2020年阪神牝馬S14着、2020年安土城S10着、2020年ラピスラズリS7着、2021年カーバンクルS8着。逆に2F目で10秒台を踏んだのに好走したのが2019年ポートアイランドSで、この時はスタート良く先頭だったが2F目で下げて行ったので、自身は10秒台のラップを踏んでいない可能性がある。

この馬は社台F生産馬なので休み明けはピリッとしない、2020年オパールSでも4着だが、この時の3着がトウショウピストなので評価できない。

好材料と悪材料はペースだけですね、まず今回は休み明けではないので仕上がりの不安はない。その上で上記したように2F目で10秒台のラップを踏んでしまうかどうか、こればかりはスタートしてみないと分からない。心肺機能が低い面は再三見せていたが、ペースバランスよりも10秒台のラップに入ってしまうと、限界値を超えてしまうんだと思う。前に行かないと勝負にならないのは分かっているようなので、他の逃げ馬次第ですね。2019年の阪神牝馬S2着、京都牝馬S3着と展開さえ合えば、このクラスでも好走できることは証明しているので、クラス負けの不安はない。

適性:竹