2023年朝日杯FS 回顧。ペース認識の良い騎手で決まり。

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走破時計 1:33.8    前半 46.1  上がり3F 35.4

まずは馬場状態ですが朝の時点では稍重、10Rの六甲アイランドSから良馬場に回復。このレースは1400mの3勝クラスで1:20.3、前半の3Fは33.1で流れていたので、外差しが決まっていました。クラスを考えると標準的な良馬場までは回復している感じで、先週よりはやや重い感じですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は先週の阪神JFのグラフです。

まずは逃げたセットアップですが、スタート良く楽に先手を取れましたが、なぜかペースを落としませんでした。2F目、3F目と10秒台のラップを踏んでいるので、前に居た組はかなり心肺機能が問われましたね。横山武騎手は馬場を考えていたのかどうか?ペースも考えずに逃げたようで、残念な騎乗をしましたね。

3着に粘ったタガノエルピーダは心肺機能を持っていますね、自身もハイペースを先行して3着に粘っている。しかも10秒台を2連発する厳しいラップですから、心肺機能と持続力の両方を持っていますね。加えてL1の坂もこなしているので、パワーもあることを証明しました。

このレースのペースを正確に認識していたのが豊騎手ですね。2F目に入るところで、ジワジワとポジションを下げて行き、3F目に入るところでは中段の後ろ。更にこの3F目でも下げて行き馬群の後方でした。この2F目と3F目で速いラップに付き合っていないことで、上がり最速の末脚を繰り出せました。何でこんなことが出来るのでしょうか、頭の中にストップウォッチが入っているとしか思えません。

馬場が違うので何とも言えないところもありますが、先週の阪神JFと比べて前半はほぼ一緒、中緩みは今回の方が大きく、L1の減速率も大きいので、レースレベルは桜花賞の方が高そうですね。

逃げたのはスタート早かったセットアップ、スタートで遅れたシュトラウスが3コーナー入り口で先頭に立ちます。スタート早かったタガノエルピーダが2番手で、その外にスタート五分のクリーンエア。中段の前からスタート五分に出たダノンマッキンリーとバンドシェル。

スタートやや早かったジャンタルマンタルが中段、スタート五分に出たタイキヴァンクール、ナムラフッカー、エンヤラヴフェイスが同じく中段。中段のやや後ろからスタート五分のミルテンベルク、サトミノキラリ、スタートやや遅かったタガノデュード。

スタート五分に出て下げたエコロヴァルツと、スタートやや遅かったアスクワンタイムが中段の後ろ。後方からスタートやや遅かったジューンテイクという並びでした。

2F目と3F目の10秒台に反応して下げたのは豊騎手と川田騎手、結局この2人でワンツーでしたね。シュトラウスは出遅れて掛かって抑えきれずに、3コーナーで外から先頭に立ちました。ダノンマッキンリーはスタートでオーサムストロークにぶつけられて、スイッチが入ってしまった感じで、3コーナー入り口までかなり掛かっていました。

4コーナーです、ここで手応えが悪くなったのか、ルメール騎手がしきりに後ろを気にして、内を空けてジャンタルマンタルを入れましたね。勝負にならないと思ってジャンタルマンタルにコースをあげたんでしょう、この辺りのマナーが次に繋がるんでしょうね。そのジャンタルマンタルが最内をスムース、タガノエルピーダが内目でスムース、この地点でクリーンエアを競り落とせたことも大きかったですね。エコロヴァルツは内から2頭目、距離ロスをしないようにギリギリまで仕掛けを我慢していました。

直線Ⅼ2標識付近です、ジャンタルマンタルが先頭に並び、シュトラウスとセットアップはこの辺りまで。外に流れたタガノエルピーダが2番手。ダノンマッキンリーはまだ踏ん張っていますが、ジャンタルマンタルに付いて行けませんでした。エコロヴァルツはこの地点では最後方でした。

直線Ⅼ1標識付近です、ジャンタルマンタルが先頭で、タガノエルピーダが粘るところ、ジューンテイクが並んできます。セットアップとダノンマッキンリーはこの辺りで一杯、外からタガノデュードとエコロヴァルツが伸びてきます。

ここからジャンタルマンタルが押し切り、タガノエルピーダとジューンテイクが並んで粘って3,4着。この2頭を外から交わして2着に持ってきたのがエコロヴァルツでした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はジャンタルマンタル、一番スムースなレースが出来たことと、このレースはハイペースバランスでトップスピードの質は問われていませんね。L2標識ではすでに先頭で、L2区間では差を広げていないので、L2の11.2は自身のもの。なのでトップスピードの質は見せていませんが、4コーナー出口で内から出し抜くやや高い瞬発力を見せましたし、L1の坂でしっかり押し切るパワーの高さと持続力を見せましたね。この馬は3レースで一度も上がり33秒台を使っていないので、今後スローからの3F戦でトップスピードの質が問われた時に不安が出てきますね。

2着はエコロヴァルツ、豊騎手のペース認識の正確さが存分に出ましたね。展開的にもバテ差しが効く展開で、トップスピードの質ではなくパワーと持続力で持ってきました。全頭評価では休み明けを不安視しましたが、この馬は外厩がチャンピオンヒルズなので、全く不安が無かったですね。

3着はタガノエルピーダ、新馬戦で見せた持続力は確かなものでした。今回はトップスピードの質は問われていませんが、Ⅼ1の坂でもしっかり粘っているので、パワーも高いものを見せました。直線入り口でやや外に寄れるロスがあったので、あれがなければ2着もあったかも。牝馬でこのパフォーマンスは高評価で良いと思います。

4着はジューンテイク、スタートやや遅く後ろからになったことは、展開を考えれば良かったですね。3,4コーナーで外を回したので、かなりロスが大きい競馬で、このロスの分だけ3着を取りこぼした感じですね。この馬もパワーと持続力を見せました。

5着はタガノデュード、この馬もジューンテイクと同じような競馬だったので、トップスピードの質が問われない展開が向いた感じですね。

馬券の方はハズレ、ダノンマッキンリーがスタートぶつけられて掛かってしまったし、ペースも想定外のハイペースでお手上げでした。次回は阪神Cと有馬記念の予定です。