2022年有馬記念 回顧。来年に期待が持てる勝ち方。

走破時計2:32.4    前半1100m1:07.7   上がり3F 35.9

まずは馬場状態ですが良馬場でした、ゴール前は含水率が下がりましたが、4コーナーは変わらず。クッション値もわずかに上がっただけですから、やや重い良馬場という感じですね。これで上位3頭は上がり3F35秒台なので、力のあるところを見せましたね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年日経賞のグラフです。

タイトルホルダーにとっては苦しいラップになっていますね、もちろんハナを切るのに押して押して出して行ったので、前半でかなり足を使っています。日経賞と比べると前半が速いし、後半に向けてペースを上げるタイミングも1F早い。レースレベルには差がありますが、外枠だけでなく、横山和騎手もペース認識は良くないかもしれませんね。

宝塚記念を圧勝しましたが、あの時の2着はヒシイグアス、国内のG1ではやや足りない馬でしたから、相手に恵まれた感があります。これは天皇賞(春)にも言えることで、特殊な距離での好走です。中距離の1線級とはやっていなかったので、これがこの距離でのこの馬の実力かも。もちろん海外帰りで、外目の枠だったのでその分は差し引いて考えるべきですが、ちょっと負け過ぎですね。

逃げたのはタイトルホルダー、ブレークアップとジャスティンパレスが先行。中段の前からディープボンド、ボッケリーニ、中段のやや前からイズジョーノキセキ、エフフォーリア。中段からポタジェ、ウインマイティ―、イクイノックス、中段のやや後ろからアリストテレス、ヴェラアズール、ラストドラフト。中段の後ろからボルドグフーシュ、ジェラルディーナ、後方からアカイイトという並びでした。

逃げたのはタイトルホルダー、最初の3コーナー入り口では最内に入れていました。ただここまで押して押して出して行きましたから、ここで相当足を使ったはずで、外目の枠を引いて弊害が出ましたね。先行したのはジャスティンパレスとブレークアップ、この2頭も凡走していますから、外から前に行くと良くないんでしょうね。中段の前からだったディープボンドとボッケリーニも苦しいレースでした。

イズジョーノキセキは最内で中段のやや前、岩田騎手は狙ってきましたね。エフフォーリアがスタート五分に出て中段のやや前で良いポジションでした。大阪杯と宝塚記念ではスタートイマイチでしたから、地元の方が力を出せそうですね。イクイノックスがスタート五分に出て中段、ジャスティンパレスが隣の枠で前に行ったのに対して、出たなりで中段を取ってきたルメール騎手の手腕が光りますね。

スタート五分に出たウインマイティ―はなぜか下げてしまい中段、テン乗りなら仕方ないのですが、和田騎手は何度も乗っているので何を考えて乗ったのか謎ですね。ジェラルディーナはスタートで遅れ、アリストテレスに寄られたこともありポジションが取れませんでした。ボルドグフーシュはスタート自体は五分に出ていますが、二の足が遅く中段の後ろでした。

4コーナーです、3コーナー入り口でボルドグフーシュが外に出し、L4標識から捲りに行きます。イクイノックスは持ったままで、L2標識からジワっと上がります。ジェラルディーナはこの地点ではステイ、流れの中でジワジワ上がる程度でした。ヴェラアズールは反応が悪くここで一杯でした。

直線Ⅼ1標識付近です、外からイクイノックスが持ったまま先頭、ボルドグフーシュが外から追走。内に居たジャスティンパレス、タイトルホルダー、ディープボンドが苦しくなり、イズジョーノキセキがジリジリ伸びてきます。ジェラルディーナは4コーナー中目を回し、直線入り口からボッケリーニの前を斜めに横切り、スムースに加速してきました。

ここからイクイノックスがムチ一発で突き放して圧勝、ボルドグフーシュがしっかり伸びて2着。イズジョーノキセキが粘るところを、外からジェラルディーナが差し切って3着。エフフォーリアは粘って5着でした。外枠から前に行った組は全滅でした。

では1頭づつ見ていきます。

1着はイクイノックス、スタート五分に出て中段確保、3,4コーナーでは持ったままで、4コーナー出口からは他馬とスピードが違いました。古馬に2㎏貰っていましたが関係なかったですね。強いの一言です。

2着はボルドグフーシュ、福永騎手最後の有馬記念で最高の騎乗ですね。スタート自体は出ていますが二の足が遅くいつも通り後ろから、L4から先捲りに行きましたが、前に居たイクイノックスには及びませんでした。この馬はパワーと持続力で勝負するタイプ、前に行けないのでこれしかないんですよね。今回は前半から流れたので捲りが決まりましたが、スローの展開になると捲っても合わされて浮かされて苦しくなりそう。スタートが改善しない限り、展開待ちの馬になりそうですね。

3着はジェラルディーナ、スタートが遅く中段の後ろからになってしまいました。前走も同じようなレース振りでしたが、さすがに牡馬相手だと届かなかったですね。もう1年現役を続けると思うので、スタートが改善しないと、このクラスでは届かないことが多くなりそう。

4着はイズジョーノキセキ、内から中段のやや前に行ったこと、これが好走要因ですね。距離が持つかどうか不安でしたが、これなら距離適性の幅が広がりました。来年も現役を続けるのか不明ですが、この馬もキレよりも持続力で勝負したいですね。

5着はエフフォーリア、大阪杯と宝塚記念ではスタートイマイチでしたから、やはり輸送の影響があったんでしょうね。今回は休み明けでプラス12㎏、外厩がノーザンF天栄なので、この仕上げは疑問ですね。昨年に比べて16㎏も重いので、好調ではなかったはず。今後は地元で馬体重が適性の時に買いたいですね。

ウインマイティ―は6着、初手の位置取りが謎でした。それでも6着なので能力は高いものを見せました。

馬券の方は単複、3連複が的中。期待したヴェラアズールは、輸送に時間が掛かった影響か反応が悪かったですね。次回はホープフルSの予定です。