2024年阪神大賞典 回顧。なぜ内を空けるんだ?

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走破時計3:06.8    前半1000m 63.7  上がり3F 35.1

まずは馬場状態ですが稍重でした、朝の段階では良馬場で、土曜日に散水していますが馬場は弱冠乾きました。お昼前から雨が降り続き、レースの時間では稍重でした。ただ雨量は多くなく稍重と言うよりは良馬場に近かったですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2023年阪神大賞典、緑は2022年阪神大賞典のグラフです。

稍重で小沢騎手がペースを落とし過ぎていますね、このペースで動かなかったことがディープボンドの敗因だと思います。昨年も凡走しましたが、赤と青のグラフは前半が遅く後半ペースアップして、11秒台の前半のラップを踏まされていること。逆に2022年緑のグラフは勝った時のもので、一度も11秒台の前半に入っていません。後半1000mの比較でも、今年と2023年は57.9で凡走、勝った2022年は59.0と1秒以上遅いんですね。

速いラップを踏んでしまうと、早々に筋肉が一杯になってしまう、これが現状のディープボンドの欠点ですね。これは以前から分かっていたことですが、和田騎手も今回の岩田望騎手もペース認識が悪いために、ディープボンドに苦しい展開を容認してしまうんでしょうね。

逃げたのはジャンカズマ、2番手にディアスティマ。中段の前からテーオーロイヤル、その外にディープボンド。中段のやや前からブローザボーン、サヴォ―ナ、シルヴァーソニック。中段からプリュムドール、ワープスピード、ユーキャンスマイル、ショウナンバシット。中段のやや後ろからゴールデンスナップ。中段の後ろからメイショウブレゲ、アンタンスルフレ、後方からゼーゲンという並びでした。

テーオーロイヤルは中段の前から内目、ディアスティマは先行しましたが内を空けていて、その後ろからディープボンドも内から4頭目辺りでした。シルヴァーソニックは更に1頭分外で、内にサヴォ―ナが居て内に入れられなかったですね。結局この向正面で内に居た馬で上位独占、4着も内目に居たプリュムドールですから、馬場状態としては内優位でしたね。

ワープスピードが3コーナーの手前でポジションを上げます、プリュムドールが最内を空けていたので、内からスムースに上がって行きました。川田騎手はペースが遅いことを分かっていたんでしょうね。

4コーナーです、先頭はジャンカズマで、ディアスティマが並びかけます。テーオーロイヤルは最内、その後ろにワープスピード、更に最内でプリュムドールが続きます。ブローザボーンは内から2頭目でスムースでした。この地点ではテーオーロイヤルは前が空いていませんが、ここから直線入り口でディアスティマが外へ流れて、前が空いた瞬間いスッと加速しました。

直線L1標識付近です、テーオーロイヤルが抜け出し、内ではジャンカズマが粘っています。ディープボンドが苦しくなり、ブローザボーンが中目から抜けてきます。ワープスピードはディープボンドが下がったスペースを使って伸びてきます。

ここからテーオーロイヤルが差を広げて圧勝、ブローザボーンを競り落としてワープスピードが2着、この2頭は4コーナーでのコース取りの差が出ましたね。後ろから外を回して伸びてきたのがゴールデンスナップで、この馬はバテ差しを得意とするタイプで、上り35.3ですからこの馬の100%を出し切った感じですね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はテーオーロイヤル、圧勝でした。危なかったのは4コーナーの出口で前が壁になっていた部分だけで、直線入り口でディアスティマが外へ流れてくれて、コースが空いたことであっさりでした。直線入り口でスッと加速した瞬発力と、トップスピードの質、これがこの馬の武器ですね。前に行けるので差しが届かない危険もないし、長距離戦で安定していますね。

2着はワープスピード、テーオーロイヤルに5馬身離されてしまったので、2着でも好内容とは言えませんね。直線入り口でテーオーロイヤルに離されたので、ここで瞬発力とトップスピードの質で見劣った。このクラスではメンバー次第という感じですね。今回は3コーナーの手前で内からポジションを上げる好判断があったので、展開も味方しました。

3着はブローザボーン、この馬も内枠からスムースなレースが出来ましたね。3,4コーナーでワープスピードよりも1頭分外を回した分だけ後れを取った感じで、力としてはワープスピードと同等か、こちらがやや上という評価ですね。

4着はプリュムドール、向正面でワープスピードに内を掬われたことが痛かったですね。なぜか最内を空ける謎騎乗で、どんな馬に乗っても和田騎手は和田騎手ですね。展開的に勿体ないところはありましたが、着差を考えるとこの辺りが定位置になりそう。

5着はゴールデンスナップ、後ろからになってしまって届かず、3,4コーナーも外を回すロスの多い競馬でしたから、次走以降の伸びしろは有りそうですね。

ユーキャンスマイルとシルヴァーソニックは凡走、ユーキャンスマイルは3コーナーで手応えが悪くなったので、9歳でそろそろ限界かもしれません。シルヴァーソニックは終始外を回す不利が大きかったと思います。

馬券の方は複勝だけ、当然トリガミでした。次回は日経賞と高松宮記念の予定です。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    みややさん、お疲れ様です。
    先生が内が、内がと仰るのでどれほど空いてたんだとパトロールを思ったら想像以上にがら空きで、そりゃあワープスピードしちゃうわな、と。(´・ω・`)

    私がレース注目でしていたのはやはりディープボンドとプリュムドールでしたが、ディープボンドは先行するだろうというイメージは当たり、プリュムもブローザホーンが若干厄介ながら内に入ったので夢を見ましたが、これが慢心。すべて私のせいでございます。。
    私の慢心が騎手に伝わり、ディープボンドは前は前でも何にも仕掛けないふわふわした位置取りを続け、プリュムドールはとりあえず内でのんびりしていてワープスピードに食われる。

    プリュムドールにしてみれば、ワープスピードを締めていれば3着の脚はあったわけですから、これこそ油断騎乗じゃないのかいなというところではありますが。
    …今度は気を引き締め視聴します(`・ω・´)

    • みやや より:

      そだしさん、こんばんは
      騎手の差ですよね、川田騎手はペースが遅いことを認識して、空いた内からスルッとポジションを上げて、
      和田騎手は何もしなかった・・・。この騎乗を見ると、川田騎手の長距離苦手も昨年までと考えた方が良さそうですね。
      岩田望騎手は・・・