2021年オールカマー 回顧。内優位の馬場を生かし切ったウイン2頭。

走破時計2:11.9    前半1000m60.7     上り3F35.2

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜に散水しましたが、含水率は若干下がって12.0と11.6%でした。クッション値は変わらず10.2でやや硬め。9Rの木更津特別が2勝クラスのマイル戦で1:33.3、上がり3Fは最速が2着のグレイトオーサーで34.2でした。このレースは逃げたヘイワノツカイが3着に粘り、2着のグレイトオーサーは外目を回して僅差の2着に届き、1着のゴールデンシロップは内から抜けて0.2差つけているので、馬場は内優位でしたね。この日の芝レースは全部で6レースありましたが、新馬戦の2,3着にディープインパクト系が来ただったので、ディープ系には合わない馬場でしたね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2018年オールカマーのグラフです。

今回若干馬場が重かった感じで、2018年はL1で減速していますが、今回はL2から減速しています。前半は今年の60.7に対して60.5なので、今年はちょっと重かった感じですね。昨年はディープ産駒の牝馬でワンツーでしたが、稍重で少頭数だったので参考外のレースでしたね。過去のこのレースで好走したディープ系はキレないタイプなんですよね、アルアインやサトノノブレスが好走しているので、差しに回るディープ系は良くなかったですね。力でねじ伏せてしまったショウナンパンドラみたいなのも居ましたが、パンドラは秋華賞を勝ち宝塚記念を3着していた馬ですからね。

エリザベス女王杯は今年も阪神2200m、昨年もディープ系2頭が2,3着で届かずでしたね。今日の動きを見るとウインマリリンが内枠を引くと優位かも。もちろん詰まる可能性はありますが、そこは展開次第ですからね。今日のラップ推移と位置取りからは、ウインの2頭が面白そうです。

逃げたのはロザムール、2番手にレイパパレ、その内に3番手でウインマリリン。中段の前からアールスター、ステイフーリッシュ、中段のやや前からウインキートス。中段にランブリングアレー、中段やや後ろにアドマイヤアルバ、マウントゴールド。中段の後ろからブレステイキング、セダブリランテス、ソッサスブレイ、キングオブコージ。後方からサトノソルタス、グローリーヴェイズ、ポツンとゴールドギアという並びでした。

逃げたのはロザムールでした、このレースは前後半の1000mを比較すると、60.7-59.1とスローバランス。予想通り三浦騎手はこの馬でスローにしてしまいましたね。これで割を食ったのがレイパパレで、外からアールスターに来られたこともあって掛かり気味でした。川田騎手は向正面に出ても手綱を引いていたので、レイパパレは前半相当消耗したと思います。

逆に折り合いが付いて最内の3番手という絶好の位置を確保したのがウインマリリン、その後ろにウインキートスでした。この2頭は終始馬場の良い最内を通っていましたし、折り合いも付いて全くロスの無い競馬でした。初手の位置取りは良かったのがランブリングアレーで、折り合いも付いて中段を単騎でスムースに進めていました。スタートで出負けしたのがグローリーヴェイズで、ゲートの中でやや煩かったですね。

4コーナーです、3コーナー過ぎにミルコのグローリーヴェイズが先捲りに行き、レイパパレに並び掛けます。ミルコが動いたことでペースが上がり11秒台に入りました、なのでグローリーヴェイズは外から11秒台の前半を踏んでいると思います。ここで動けなかったのがランブリングアレーですね、この地点ではアールスターが垂れていますが、グローリーヴェイズが上がったタイミングでは、アールスターに蓋をされて動けず、先にマウントゴールドに行かれてしまいコースが無くなりました。この辺りは馬場を読んで内目を通したかった戸崎騎手には不運でしたね。前半からもう少しペースが上がれば、隊列がばらけて4コーナーから動けたと思いますが、直線入り口まで包まれてしまっては万事休すでした。

直線L1標識付近です、レイパパレが抜け出すかと思われた部分ですが、外からグローリーヴェイズが並びかけます。ウインマリリンは一瞬前に詰まりましたね、前がレイパパレなのでコースを作ってもらう腹積もりが外れた格好でした。レイパパレとロザムールの間1頭分空いていましたから、ここを狙っていましたがレイパパレが内に寄れて一瞬待たされました。その後にレイパパレの外に出してグローリーヴェイズとの間を割って伸びましたね。

ウインキートスはステイフーリッシュを外に張りながらコース確保、丹内騎手らしからぬ動きで驚きました。ランブリングアレーはL1標識手前まで前が空かずに瞬発力で見劣り、外から勢いを付けてきたサトノソルタスにも見劣って7着でした。ランブリングアレーはL4もしくはL3辺りから勢いを付けた方が良いタイプですね。レイパパレは残り100m過ぎから減速が大きくなって4着、休み明けでプラス10kg、初輸送に斤量56㎏と条件は厳しかったのですが、宝塚記念のことを考えると100m長かったということでしょうね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はウインマリリン、休み明けでプラス14㎏でしたがものともせずに快勝、非ノーザンF生産馬なので休み明けは不安でしたが、手塚厩舎なのでしっかり仕上げてきましたね。この辺りはウインキートスの宗像厩舎との違いでしょう。これでウインマリリンは休み明けを苦にしないことが分かりました。枠順も良かったし、絶好の位置取りから直線も一瞬詰まりましたが、すぐにコースが空いたので幸運もありましたね。伊達に日経賞を勝っていないというところを見せたし、一夏越してさらにパワーアップした感じ。次走はエリザベス女王杯だと思いますが、今日の内容ならあっさり勝ってもおかしくないでしょう。もちろん阪神内回りなので詰まる危険はありますが。

2着はウインキートス、マイナス14㎏と絞れたことと、内枠を引いてマリリンの後ろを確保できたことが大きかったですね。馬場にも助けられましたが、湾岸Sを勝っているのでコース適性も良いし、直線でステイフーリッシュを外に張った闘志もステゴ系の特徴ですね。この馬もエリザベス女王杯で内枠引ければ怖い1頭だと思います。

3着はグローリーヴェイズ、出遅れは褒められませんが一番厳しい競馬をしたのがこの馬ですね。自分でスイッチを入れに行って外から11秒台の半ば、もしくは前半を踏んで3着に粘っていますから、この馬も切れないディープ系ですね。今回は休み明けでプラス12㎏の464㎏と、本調子ではなかったはずなので、次走ジャパンCは上積みが見込めますね。

4着がレイパパレ、距離でしょうね。今年のエリザベス女王杯が阪神なので、矛先を変えてくるかもしれません、2200mで坂上ゴールはこれで2レース続けて取りこぼしましたからね。一点気になるのは斤量で、今日の馬体重が10㎏増の442㎏と小柄、これで56㎏になると2走続けて取りこぼしているので、天皇賞(秋)も若干不安ですね。

5着はステイフーリッシュ、心房細動明けですから無事に走り切っただけで良しとしましょう。内の方が優位でしたし、差の無い5着なので悪い結果ではないと思います。

6着がサトノソルタス、スタートが遅くなっているので今後もポジション取りに苦労するかも。上がり最速タイで伸びてきましたが、あれは外からスムースに勢いを付けたからで、決してトップスピードの質が高い訳ではないと思います。

ランブリングアレーは7着、4コーナーでスムースさを欠いたことが全てですね、瞬発力の低さを見せてしまったので、スムースに加速できる外目の枠か、広いコースで伸び伸び走れる時の方が良さそうですね。天皇賞(秋)に出てきたら面白そうですが、エリ女なんだろうな~・・・。

馬券の方は休み明けのウインマリリンを嫌って完敗、仕事中に右肩を打撲するなどツイてない1週間でした。来週はいよいよ秋のGⅠ開幕です、悪い流れを断ち切れるように頑張ります。