2022年阪神JF 回顧。化物牝馬誕生。

走破時計1:33.1    前半800m45.5   上がり3F 36.1

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日に散水していませんがほとんど変わらず、走破時計からするとやや高速馬場と見ています。5Rの新馬戦がマイル戦で、上がり3F最速は33.8なので馬場自体は重くなかったはずです。馬場は内優位で、今日の芝のレースでは内から突っ込んでくる馬が目立ちました。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2019年阪神JFのグラフです。

レシステンシアが勝った2019年とよく似た消耗戦のラップになっていますね、当然前に行った馬は苦しくなって、レシステンシア並みの心肺機能と持続力を持っていないと勝負になりませんでした。なので今回前に行った組ではサンディーテソーロ、イティネラートル、リバーラ、ムーンプローブ辺りは心肺機能で底を見せてしまいました。キタウィングとモリアーナも心肺機能では評価できません。アロマデローサが前に行った組の中では頑張りましたね、3着と0.1差の4着ですから心肺機能と持続力を見せました。それを考えると、前走福永騎手が差しに回った理由が・・・。

勝ったリバティアイランドも上がり3F35.5、自身のL2は11.9なので単にトップスピードの質で差し切ったのではなく、パワーと持続力の高さを見せています。後方からではなく中段のやや前からだったので、心肺機能もやや高いものを見せました。これは同じ位置に居たシンリョクカも同じですね、L2でリバティアイランドに見劣りましたが、Ⅼ1でもしっかり粘っていたので、この2頭は高いレベルで適性の幅が広い感じ。特にリバティアイランドは終始馬群の外を回していたので、着差以上に強い内容でした。

逃げたのはサンディーテソーロ、イティネラートル、リバーラ、ムーンプローブが先行。中段の前からキタウィング、アロマデローサ、モリアーナ、中段のやや前からシンリョクカ、リバティアイランド。中段からミスヨコハマ、ミシシッピーテソーロ、中段のやや後ろからハウピア、ドゥアイズ、ブトンドール。中段の後ろからエイムインライフ、ウンブライル、後方からドゥーラ、ラヴェルという並びでした。

まずスタートですが、速かったのはサンディーテソーロ、この馬は1頭だけ抜群に速かったですね。その次が内の各馬でキタウイング、シンリョクカ、モリアーナ、アロマデローサ。五分に出たのがミスヨコハマ、ハウピア、リバティアイランド。エイムインライフはスタート五分に出ていますが、二の足が遅かった。

イティネラートル、リバーラ、ムーンプローブは五分に出てリカバリー。ミシシッピーテソーロ、ドゥアイズはやや遅れた程度、8枠の3頭はハッキリ遅れて後ろからになってしまいました。

スタートでポンッと出たサンディーテソーロはそのまま逃げ体勢で良いと思いますが、2F目で10.5が出ているラップでは、スタート五分に出てリカバリーしたイティネラートル、リバーラ、ムーンプローブはここで脚を使ってしまいましたね。モリアーナは前走発馬で首を上げて遅れましたが、今回に限ってはスタート出てしまいました。キタウィングもスタート良く中段の前、ペース認識の問題か下げませんでしたね。

シンリョクカとリバティアイランドが中段のやや前で、2F目でミスヨコハマと一緒に下げて行きました。これが良かったですね。2F目の10.5で無理をしなかったことで、最後まで足が残った感じ。この中段のやや前でもペースはややハイに入っていたはずで、終始内から3頭目を回していたリバティアイランドは、相当ロスがあったはずですが・・・。ドゥアイズが中段のやや後ろからでスムースでした。

8枠の3頭はスタートで遅れて後方から、前半が速かったのでリカバリーはしない方が良いですね。ただこの位置だとどうしてもコーナーで外から上がるしかなく、初手の位置取りとしては苦しいポジションになりました。

4コーナーです、中緩みが小さかったことで馬群が詰まらず縦長、ここで外を回したムーンプローブ、モリアーナ、リバティアイランド、ミシシッピーテソーロ、ウンブライルは相当苦しいレースをしています。逆にシンリョクカは流れているので前に詰まることもなくスムース、ドゥアイズも内から2頭目で内外に馬が居ないストレスフリーの状態。ドゥアイズはここから直線入り口で内へ行きます。結局ここで外を回した組で好走したのはリバティアイランドだけ、後ろから内に行ったドゥーラが6着まで来ていますから、特にコーナーでは内に居ないとダメでしたね。

直線L2標識付近です、馬群が外へ広がって特に詰まったり挟まれるような馬もおらずスムース。サンディーテソーロが先頭でイティネラートル、アロマデローサ、キタウィングは追走できています。リバーラが苦しくなりこの地点で脱落、L3標識過ぎで遠心力に踏ん張りがきかなくなった感じでバランスを崩していたし、前半無理をし過ぎたツケが一気に出た感じ。ブトンドールとモリアーナもこの辺りで苦しくなっているので、心肺機能で一杯になった感じ。

外からスムースだったのはリバティアイランドで、3,4コーナーで馬群の外を回した割に、良く伸びてきましたね。アロマデローサが外へ膨れてくれたことで、シンリョクカのコースが空きスムースに加速体勢に入ります。ドゥアイズは4コーナーの出口で内へ行き、ここでシンリョクカの後ろ2馬身程の位置に居ました。

直線L1標識付近です、サンディーテソーロが粘っていましたが、外からリバティアイランドが並びかけます。シンリョクカがスムースに伸びてきて、ここではドゥアイズは追走までで差を詰めていませんでした。外からだったウンブライルはL2区間で反応が悪かった、外からラヴェルに頭を抑えられるように挟まれ、この時点で投げ出すようにやめています。

ここからリバティアイランドは持続力を発揮して差を広げ圧勝しました。シンリョクカもL2区間ではリバティアイランドに追いすがっていたので、自身のL2ラップは12.0くらいのはず、ここからは苦しくなりますがよく粘って2着確保。L1に入って差を詰めてきたのがドゥアイズで、1800m洋芝を使い続けた効果か、パワーと持続力を発揮してきました。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はリバティアイランド、レース内容を考えると見た目以上に強い、まず終始馬群の外で内から3頭目を回していたこと。特に3,4コーナーで馬群の外目を回した組では、好走したのはこの馬だけ。前半のペースを考えても適性の広さを見せた勝ち方でした。距離が伸びても全く問題ないと思うし、着差を考えても牝馬限定戦に拘る必要はないと思います。

2着はシンリョクカ、内が空いてくれましたね。能力は新馬戦で見せていたので、直線のコース取りだけが心配でしたが、想定外のラップ推移で心肺機能も見せました。返す返すも来週なら勝っていたのではないかと・・・。

3着はドゥアイズ、この馬は札幌で1800mばかりを使われたことで、マイルよりも長い距離適性を求められて台頭してきました。上がり3F35.4ですから、トップスピードの質ではなく、パワーと持続力でバテ差して来ました。

4着はアロマデローサ、この馬は前に行った組で唯一好走していますから、心肺機能の高さを見せていますね。ききょうSの内容からも、差しに回るよりも心肺機能と持続力を生かして、先行押切のレースがあっていそうですね。

5着はミシシッピーテソーロ、3,4コーナーではリバティアイランドのすぐ後ろからでしたが、L2で一気に突き放されてしまったので、トップスピードの質で見劣りました。Ⅼ1でもドゥアイズに交わされているので、もしかしたら1F長いのかも。

ラヴェルとウンブライルは11,15着、外は苦しいレースだったので巻き返しは可能だと思いますが、リバティアイランドを逆転するのは難しそうですね。

馬券の方は馬連だけ的中、いい配当だったので良しとします。来週は朝日杯FSの予定です。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    お疲れ様です。まずはおめでとうございます!
    アロマたん先行勢粘り込み有能で感動した…(´;ω;`)
    ミシシッピテソーロについてやたら語ったのもあながち間違いでもなさそうでよかったです。結局今回もほぼリバティをマークしてましたがw
    枠連各1000、流石に外さないと思ったのでねじ込みました。おまけの必死の複勝フォメも何とかもぎ取りました…
    https://pasteboard.co/x4L81KYJxvkP.png
    ちな④アロマたんと⑩ミシシッピがないのは何故か…それぞれを3連複総流ししてました(´;ω;`)
    充分プラスなのでいいのですが、ミシシッピ入ってくれたらw
    原騎手が最終角の入りで、リバティアイランドに勝てると思ったのか進路を変えようとして詰まって一旦失速してしまいました。欲目をかくと裏目に出るのはお互い様ということですね。(´・ω・`)

    今のところまだ掲示板を確保している先出し、朝日杯はよーわからんのですが、とりあえずレイベリングに注目!m9(`・ω・´)
    *いつも記事も動画も見てます!

    • みやや より:

      そだしさん、こんばんは。そしておめでとうございます。3連複でも付きましたね~。
      週中からそだしさんがアロマデローサに入れ込んでいたので、枠連だけでなくアロマからの馬券も買っているのではないかと思いましたが、
      この3連複はお見事です。ミシシッピーは内に行ってればね~。まぁ今回はシンリョクカに感謝しましょうよ。
      来週は僕もレイべリングに注目しています、あと人気なさそうですがバグラダス、吉田隼人気が2週続けて穴をあけるかもと期待しています。
      来週も当てましょうね。

  2. もりのあな新緑化 より:

    はじめまして、競馬ごく最近始めたばかりの初心者ですが、こちらでは一頭一頭丁寧に解説されているのが素晴らしいなと思い、参考にさせていただいています。
    今回もみやや様の予想は素晴らしいと思いました。シンリョクカを重視するとは驚きです。ラップ理論を活用されているのかなと思いますが、そういった勉強はどこを入り口にすればよいでしょうか。
    それとコメントにも目を通すのですが、「そだしれいなす」さんの調教評価にもいつも驚いております。人気の予想家と全然違っても、しっかり入ってます。二人の予想を統合すれば完璧じゃないかと勉強させていただいております。
    これからもますますのご活躍を祈念申し上げます。

    • みやや より:

      もりのあな新緑化、コメントありがとうございます。
      今回は偶々なのであまり高評価しないでくださいね、「またみややが、いい加減な事書いてやがる」くらいで笑って読んでいただけたら嬉しいです。
      ラップに関しては自己流で、前後半のバランスとJRA発表の1Fごとのラップ、各馬のポジションを見て推測しています。
      そだしさんは上手いですよ、今回も枠連だけかと思ったら3連複の高配当当ててますからね~。
      今後もよろしくお願いします。

      • しんりょくか より:

        みやや様、お返事ありがとうございます!もりのあなはちょっと微妙なので、少し改名します。
        なるほど、自分の予想の軸を作り上げ、公式に提示されている情報をどのように活用するかが、地道ながら一番大事なのですね。いろいろと勉強させていただきたいと思います。
        今回は、レイべリング軸のような感じも見受けられますがで、また皆様のご見解など学ばせていただきます。

  3. そだしれいなす より:

    私は週中からはミシシッピに入れ込んでしまいましたね笑
    どっちも上位だったのでメンタル的にはセーフ(´・ω・`)
    吉田隼人気()さん忘れたら来るし意識すると来ない感はありますね(二ホンピロ然り)
    ほうら昨年のJFで何乗ってたか覚えてない…とおもったら何も乗ってなかったのが意外。
    次週のサブタイトルにはシンリョクカ入りですね。すごいですよこれは。ちなみに我らが勢香港で爪痕残し過ぎ…ジャックドール残念ですがもともと強い馬は我らが定義には入らないと考えていますw
    >もりのあな新緑化さん
    ありがとうございます!邪魔にならないよう、ひっそりと小予報していきます。

    • みやや より:

      そだしさん、こんばんは。
      ミシシッピーは直線L2標識手前で、リバティアイランドの内に行くか外に行くか迷ってましたね。
      あれが騎手の差なでしょう、スムースなら3着はありましたね、あくまでシンリョクカには届かないはず!
      ミシシッピーはどこかで大仕事しそうな予感がします。

      • そだしれいなす より:

        なんと!何回か見てドゥーラおかしいなと思ったんですが、
        https://jockey-sanction.com/?p=19879
        ありゃーやってるじゃないっすか。なんならミシシッピも影響受けてるし(´;ω;`)

        ドゥーラがルメールだったら吉田さんも先輩風吹かすことはないでしょうし、そもそも霹靂一閃のような走りでソダシレイナスの如く一騎打ちになったのではないかなという気がしますw
        その時はシンリョクカはおまけで3着です(´・ω・`)笑