2020年宝塚記念 回顧。稍重か?重馬場でしょ~~~

走破時計 2:13.5  前半1000m 60.0  上り3F 36.3

含水率 ゴール前 19.7%  4コーナー 20.2%

まずは馬場状態ですが稍重でした、9Rの舞子特別の時点では晴れて良馬場、走破時計1:21.8と2勝クラスの良馬場1400mでは標準的な馬場でしたね。ところが15時前から土砂降りの雨が30分ほど続き、馬場状態は稍重に悪化しました。走破時計と上がりタイムを見ると稍重の表記には疑念がありますね、どう見ても重馬場でしょう。メイショウテンゲンが5着に突っ込んできたように、馬場はかなり重かったはずです。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。

まずトーセンスーリヤがハナを主張するために、押して押して先頭に立ちました。元々二の足が遅いのでハナを取り切れないこともあったのですが、今回は乗り慣れた横山和騎手なので、何が何でも逃げる作戦だったのでしょう。これで勢いがつき過ぎて2F目に10.9という馬場状態を考えればかなり速いラップを踏んでしまいました、このラップに付き合ってしまったのがワグネリアン、ダンビュライト、ペルシアンナイトで、この3頭は直線で失速しています。 サートゥルナーリアのルメール騎手はこのラップの速さを嫌い、中段の後ろまで下げて行きました。ルメール騎手のぺース認識の正確さが裏目に出てしまった感じですね。

JRA 発表の馬場状態は稍重でしたが、勝ったクロノジェネシスの上り3Fは36.3も掛かっていますし、2着のキセキに至っては37.2も掛かっています。走破時計も2:13.5と稍重の時計ではありません、2018年にミッキーロケットが勝った時が2:11.6、2018年のサトノクラウンの時が2:11.4ですから、 この馬場表記は間違えと言ってもいいと思います。

逃げたのはトーセンスーリヤ、2番手にワグネリアンが上がりペルシアンナイトが3番手のインコース、外からダンビュライトが上がってきてペルシアンナイトの横辺り。ラッキーライラックが中段の前からで、ブラストワンピースが続き内にアフリカンゴールド、中段からスティッフェリオ、最内にサートゥルナーリア、外にクロノジェネシス。中段のやや後ろからレッドジェニアル、モズベッロが続き ここでやや間隔が空き、中段の後ろになったのがキセキ、グローリーヴェイズ、アドマイヤアルバ。後方からトーセンカンビーナ、メイショウテンゲン、カデナという並びでした。

スタートは5分に出ますが二の足が遅いトーセンスーリヤが押して押してハナを主張しました、 これで勢いがつき過ぎてしまい2F目が10.9というかなり速いラップを踏んでいます、先行したワグネリアン、ペルシアンナイト、ダンビュライト、ラッキーライラックあたりまでが、このペースに巻き込まれてしまいました。スタート5分に出ましたが、このハイペースを見て下げたのがサートゥルナーリアのルメール騎手でした、ペース認識の正確さがここでは裏目に出てしまったようで、内から下げたことで中段の最内、アフリカンゴールドの後ろというポジションになってしまいました、当然アフリカンゴールドが邪魔になって勝負どころで上がっていくことができないので、今回に関しては序盤の位置取りでサートルナーリアの負けは決まってしまった感じです。

スタートは五分に出たキセキですが、外からスティッフェリオに被せられたこと、2F目のペースが速かったことで後方からの勝負を選択しました 。大きく遅れてしまったのがグローリーヴェイズで、なんとかリカバリーして中段の後ろからです。 

4コーナーから直線入り口です、トーセンスーリヤをワグネリアンが交わしに行きますが、外からラッキーライラックさらに外からクロノジェネシスとキセキが捲り追い込みを仕掛けます。ダンビュライトの反応が悪くモズベッロが外に出して交わすところ、さらに外を回されたのがサートルナーリアでした。インコースを通ったペルシアンナイトとスティッフェリオは、反応が悪く追走一杯という感じ。 ブラストワンピースもこのあたりで力尽き後退していきます、替わってメイショウテンゲンがサートルナーリアを目標にジワジワと上がってきます。グローリーヴェイズは大きく外を回してしまいここで勝負権を失っています。

コーナー区間であるL3とL2では11.9-12.1と速いラップを要求されていません、前半1000mが60.0と馬場を考えるとかなり速く、後半1000mは61.1なのでハイペースバランスです。これでパワーと持続力が求められる展開になり、トップスピードの質と瞬発力武器のサートゥルナーリアには、非常に苦しい展開になりました。

 

直線Ⅼ1標識付近です、L2区間の直線部分で他馬を置き去りにしてしまったクロノジェネシスが先頭に立ち、キセキがなんとか追走していきます。 直線入り口ではモズベッロがサートゥルナーリアすぐ横にいましたが、直線で振り切って3着に入りました。前半無理をしてしまったラッキーライラックもL1で失速、ペルシアンナイトも馬場が悪化したため距離適性に無理が出て後退していきます。道悪の消耗戦を得意としているメイショウテンゲンがサートルナーリアに並んで5着入線、このことを考えても馬場状態はかなり悪かったはずです。

では一頭ずつ見ていきます。

一着はクロノジェネシス、 外枠でしたがスタート自体は五分に出て中段からの競馬を選択しました、馬群の外で距離ロスがあったはずですが、道悪適性を生かして圧勝してしまいました。古馬になって落ち着きが出たため馬群の外でも折り合いが付き、 パワーと持続力を生かして力でねじ伏せてしまった印象です。3歳時には持続力がやや足りない印象がありましたが、京都記念で見せたように道悪になっての持続力ならばかなり高いものを持っています。直前に雨が降る幸運も味方して勝つべくして勝ったレースだと思います。

2着はキセキ、この馬もパワーと持続力に秀でたタイプで、不良馬場の菊花賞を勝ち切っているだけのことはあります。キンカメ系で6歳になり蓄積疲労が懸念されましたが、道悪になったことでトップスピードの質と瞬発力を問われない展開になったことが良かったと思います。エプソムカップでも道悪になったことで高齢のキンカメ系ダイワキャグニーが勝ち切っているように、蓄積疲労で落ちてしまう能力はトップスピードの質と瞬発力なのだと思います。スタートは五分に出るようになっていますし、今回はスティッフェリオに絞って来られたために中段の後ろからになってしまいましたが、却ってこれで前半のハイペースに巻き込まれず、足を温存できたことが好結果に繋がったと思います。今後も高速馬場では苦しいと思いますが、道悪になってパワーと持続力を求められた時に再び台頭してきそうです。

3着がモズベッロ、 中京の1勝クラス重馬場を圧勝しています、道悪適性はここで見せていたのでこの3着は驚けません。この馬もトップスピードの質では見劣ることがありますが、ディープブリランテの産駒らしくパワーと持続力で3着をもぎ取りました。東京競馬場などの高速馬場では切れ負けする可能性が高いと思うので、馬場が重くなりトップスピードの質が問われない時に台頭してくると思います。

4着がサートゥルナーリア、最後の直線でモズベッロに振り切られ、メイショウテンゲンにもクビ差まで迫られたので、道悪適性がモロに出てしまったと思います。昨年の有馬記念で重い馬場を2着していますが、良馬場の重い馬場と雨を含んだ重馬場(表記は稍重)では、全く違う結果になったということでしょう。スタート直後に中段まで下げたルメール騎手の判断は、ラップグラフを見れば決して間違った判断ではなく、ぺース認識の正確さゆえの判断だったと思います。誤算だったのは前にアフリカンゴールドに入られてしまったことで、4コーナーからかなり外を回されて大きく距離ロスもしてしまいました。直前の調教でも抜群の動きを見せていたように体調は良かったはずなので、軽い高速馬場でこそ真価を発揮する馬だと思います。

5着がメイショウテンゲン、いつも通り後方から進めての展開待ちでした、今回は松山君がじっと動かなかったことで足が溜まり、 直線バテ差す形で5着まで伸びてきました。展開がぴったりはまったレースですが、距離が短く馬券圏内までは届きませんでした。この馬がサートゥルナーリアにクビ差まで迫っているということで、馬場状態を推測することができます。

6着はラッキーライラックでした、休み明けピリッとしないタイプで、なおかつ前半ハイペースに巻き込まれてしまったことで本来の力を発揮していません。秋に叩き2走目になるエリザベス女王杯だと思いますが、そこで再度期待したいと思います。7着がトーセンスーリヤでした、スタートから押して押して先頭に立ったことでハイペースバランスになり、トップスピードの質で大きく見劣るこの馬も、7着にうまく残すことができました。スティッフェリオは11着で馬場が合いませんでした、過去の戦績からも軽い高速馬場でこその馬なので、今後も当日の馬場状態は要チェックです。ペルシアンナイトは15着、2200mは初めての距離でギリギリかなと思いましたが、馬場が悪くなってしまい距離が持ちませんでした。ブラストワンピースが16着で4コーナーから直線入り口で一杯になってしまいました、スタート前のゲート裏でかなり汗をかいていたので体調の問題だと思います。同じく体調が万全でなかったと思われるのがグローリーヴェイズで、プラス14㎏の馬体重だけでなく、7カ月の休み明けも良くなかったと思います。

馬券の方は完敗でした、レースの予想の前に天気の予想が大きく外れてしまい、箸にも棒にもかからない結果になってしまいました。次回は8月2日のクイーンステークスを予定しています。

コメント

  1. Harry より:

    大好きな弥生賞馬2頭から単、複、馬連、ワイドを買いました。
    直線でテンゲンが来た時はいい夢見させてもらいましたが… 複勝とキセキとのワイドがあったんで。

    ところで、予想はしばらくお休みですか?

    • みやや より:

      Harryさん、こんばんは~。
      メイショウテンゲンは惜しかったですね、距離が少し短かったかもしれません。複勝とワイド、結構つきましたから良かったですね、おめでとうございます。
      7月中はハンデ戦が多いので、8月からまた頑張ります。

      • Harry より:

        みややさん
        いやいや、テンゲンの複勝、テンゲンとキセキのワイドだからハズレですよ。
        それでは8月からを楽しみにしています。
        そっか7月はハンデ戦か…
        どっちにしても当たらないけど、買わなきゃ当たらないからなぁ…

        • みやや より:

          Harryさん、こんばんは~
          それは残念でしたね、まあグランプリは好きな馬からですよ、お祭りですから。
          買わないと当たらないけど、なるべく当たりそうなレースを選ぶのも大切かな~っと。
          まぁ上半期の決算見ると、何買っても一緒な気がしますが(´∀`*)ウフフ