2022年関屋記念 回顧。前優位。

走破時計1:33.3    前半800m48.4   上がり3F 33.0

まずは馬場状態ですが稍重でした、断続的に小雨が降る空模様で、乾く暇がないという感じのお天気でした。ただ直線Ⅼ3からL2で10秒台が出ているので、かなり乾いていて良馬場と言っても良い程のタイムでした。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年関屋記念、緑は2020年関屋記念、黒は2021年谷川岳Sのグラフです。

今回と2021年谷川岳Sのグラフはよく似ています、両方ともシュリが逃げて好走。両レースともスローからの4F戦に持ち込みました。稍重表記だったこともあり、ペースが上がらないにも拘らず、縦長になったので前で決まってしまいました。

昨年の関屋記念では中緩みのない展開で中段よりも前で決着、この時は平均ややスローバランスでした。2020年の関屋記念では中段に居たプリモシーンと、後方に居たワントゥワンで決着、この時も平均バランスでしたが、1:31.6の高速決着だったので、中緩みが小さく、時計が速くなればなるほど差しが決まりやすい傾向。

もう一点気になったのは、1着ウインカーネリアンの上り3Fが32.9だったこと。L3からの10.8-10.6は自身のラップですから、かなりのトップスピードの質を見せてきました。谷川岳Sでも10秒台に対応しているので、一見トップスピードの質が高いように見えますが、この馬が上がり3F33秒台を出しているのでは、今回と谷川岳S、新馬戦の3回だけです。なのでトップスピードの質が高い訳ではなく、新潟競馬場ではどんな馬でも10秒台に対応してくると考えた方が良いと思います。

逃げたのはシュリ、2番手にゴールデンシロップ、ウインカーネリアン。中段の前からスカイグルーヴ、ピースワンパラディ、中段のやや前からダノンザキッド、ザダル。中段からリアアメリア、ワールドバローズ、中段のやや後ろからエアファンディタ、イル―シヴパンサー。中段の後ろからエンデュミオン、後方からレッドライデン、ディヴィ―ナという並びでした。

まず1着のウインカーネリアンですが、ゲートの中で大きく立ち上がっていました。スタートには影響しませんでしたが、今後もスタートには不安を残しました。中段よりも前に居なければ勝負権がない展開で、完全な前残りでした。シュリはスタート五分に出てそのまま下げずに逃げ体勢。ウインカーネリアンの方がスタートは速かったのですが、三浦騎手が控えて2番手でした。この2頭がペースをコントロールして超スローペース。

2番手の内にゴールデンシロップが居ましたが、スタートはやや遅れてリカバリーして前へ行きました。スタートが遅かったのはリアアメリでこちらはリカバリーできず、中段辺りからになりました。もう1頭スタートが遅かったのがディヴィ―ナ、スタートが遅かったというよりもゲート自体は出ましたが、豊騎手が意図的に後ろからに誘導していました。3コーナー辺りまで掛かっていたので、返し馬で異変を感じて出して行くと掛かるリスクを考えたような感じでした。

レッドライデンは事前のコメントで逃げないと言っていたようで、宣言通り逃げませんでしたが、それにしても最後方からとは驚きました。もう1頭意外だったのがイル―シヴパンサーで、スタート良かったんですよね。当日に乗り替わったこともあるのか、抜群のスタートから下げてしまい、この時点で勝負権を失いました。

4コーナーです、このL4標識手前まで12.2のスローでしたが、隊列に大きな変化がなく、やや縦長でした。この地点で中段よりも後ろに居た馬は全滅、ダノンザキッドの位置でギリギリでした。返す返すもイル―シヴパンサーは、下げてしまったことが悔やまれますね。

直線L3標識付近です、稍重だったからかシュリとウインカーネリアンは外へ膨らみませんでした。ここからペースが一気に上がって10.8、ここで反応が悪かったのがダノンザキッドですね、ここからワールドバローズに並びかけられます。ゲート裏でも汗が目立っていたので、輸送の影響ではないかと。この辺りでは遅れる馬も居ませんでした。

直線L2標識付近です、ここでピースワンパラディが若干遅れました、スカイグルーヴは追走までで差を詰められず、ゴールデンシロップは苦しくなります。この辺りではⅬ3で反応が悪かったダノンザキッドが、ワールドバローズとイル―シヴパンサーにも前に出られます。

直線L1標識付近です、ウインカーネリアンがシュリの前に出て、ワールドバローズとイル―シヴパンサーが苦しくなりました。特にイル―シヴパンサーはL4から11秒台の前半だったはずで、そこからさらに10秒台を連発ですから、苦しくなりましたね。ここから前の2頭、ウインカーネリアンとシュリが粘って1,2着。ダノンザキッドが持続力を生かして3着を確保、L1が11.6ですから前が止まらない中で、一旦下がりながら良く巻き返しました。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はウインカーネリアン、2連勝で重賞に挑戦してきてきっちり勝ち切りました、そして三浦騎手の重賞勝利。スタート良く前に行って2番手先行、スローペースにして押し切りですから、全てが上手く行きましたね。このコース限定ですが、10秒台のラップにも対応できるし、L1もしっかりなので持続力も見せました。一点気になったのはゲート内ですね、大きく立ち上がったのでタイミング次第では、大きく出遅れることもありそうです。

2着がシュリ、谷川岳Sで逃げ切ったように、この馬は今は前に行った方が良いですね。前半ゆったり入ってロンスパに持ち込む展開が得意、マイラーズCでこれをやって欲しかったです。津村騎手へ乗り替わったので、逃げ・先行は考えておくべきでした。

3着はダノンザキッド、L3区間での反応が悪く、直線入り口ですぐ後ろに居たワールドバローズに並ばれてしまいました。ゲート裏でゼッケンの下にかなり汗をかいていて、これは前走の安田記念でも一緒。この反応の悪さは輸送が影響したのではないかと思うので、地元で買うべき馬ですね。それでも3着に持ってきたのは、自力の高さの表れだと思います。

4着はスカイグルーヴ、ダノンザキッドに1㎏貰っていることを考えると、この4着は印象が悪いですね。折り合いも付いていましたし、不利もなかったので力負けかもしれませんね。

5着はピースワンパラディ、1年8カ月振りでしたが5着は立派ですね。先行出来たことが大きく、元々京都金杯で2着する程の馬ですから、力は落ちていませんね。L2で若干遅れたのは休み明けの影響でしょう。

馬券の方はハズレ、前優位は予想できましたが、軸馬2頭の内ディヴィ―ナはスタートで終了、スカイグルーヴは力の差を見せつけられる格好で完敗でした。次回は札幌記念の予定です。