2021年皐月賞 回顧。一枚上だった。

走破時計2:01.6   1000m通過60.3 平均バランス   

上り3F37.0  


まずは馬場状態ですが稍重まで回復しました、朝の計測では重馬場でしたが、お天気が良かったことと風も強かったことで、急速に乾いた感じですね。ただ馬場が荒れていたためでしょうか、2018年9月のような高速馬場までには回復しませんでした。上がり最速はヨーホーレイクの36.6なので、平均バランスで流れたこともありますが、力の要る馬場になっていたと思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。

平均バランスで流れて後半4Fは減速戦でした、中身は単純な平均バランスではなく、4F目と6F目で加速ラップを踏んでいます。赤の部分、謎なのは4F目のラップで2コーナーの出口から向う正面に入った辺りです、後ろから突かれたわけでもなくなぜか0.6もの加速をしています、馬が行きたがったとしてもコントロールするのが騎手の仕事のはず、この加速ラップは謎ですね~。青の部分、6F目はレッドベルオーブが掛かって上がった所ですね、なのでこのレースは凸凹ラップで、ペース以上に苦しかったはずです。特に中段よりも前に居た組は、心肺機能をかなり問われたと思います。

ダノンザキッドはレース前から発汗が多く、首を大きく振るなど落ち着きもなかったのですが、ここまで負けてしまったのは道中相当苦しかったために、精神的に嫌になってしまったのでは。1~3着までは道中は内目を通してコースロスなし、苦しいラップ推移になっていますから、このわずかな差が最後の直線でモロに影響した感じでした。

逃げたのはワールドリバイバル、2番手にタイトルホルダー、中段の前からダノンザキッド、エフフォーリア、アサマノイタズラ、中段やや前からアドマイヤハダル、ラーゴム、グラティアス、レッドベルオーブ。中段からヴィクティファルス、ヨーホーレイク、シュヴァリエローズ、中段やや後ろからステラヴェローチェ。中段からイル―シヴパンサー、ディープモンスター、後方からルーパステソーロという並びでした。

抜群のスタートだったのはタイトルホルダー、ワールドリバイバルが先手を主張して、ダノンザキッドが掛かりながら中段の前で、その内にエフフォーリアが折り合いバッチリでした。ダノンザキッドは外からアサマノイタズラに絡まれる感じで、スムースさを欠きましたね。アサマノイタズラにいたずらされたのはグラティアスも、スタートで内からぶつけられてバランスを崩し、中段やや前まで上がるのが精一杯、コーナーワークで中段辺りに下がってしまったので、外枠が悔やまれます。

ラーゴムも掛かりながらで中段から、このペースでも掛かってしまうのは今後に不安が残りますね。アドマイヤハダルは中段やや前から中段に下げました、平均で流れたことでルメール騎手が調整したんでしょうね。ステラヴェローチェはスタート五分から、出して行く感じではなかったので作戦通りの位置取りだった感じですね。ヴィクティファルスはヨーホーレイクがまっすぐゲートを出たことで、不利を受けることなく中段やや後ろ辺りでした。そのヨーホーレイクとディープモンスターはスタートイマイチで中段の後ろからでした。

向正面でレッドベルオーブが抑えきれなくなり先頭に並び掛けます、3コーナー入り口からタイトルホルダーも先頭に並んで、前はスリーワイドでコーナーに入っていきました。この時エフフォーリアは動きませんでしたね、丁度画像の感じで、前を見ている感じでした。横山武騎手は自信を持って乗っていましたね。

4コーナーです、ワールドリバイバルが苦しくなり、外からタイトルホルダーが交わしに行きます。この時にワールドリバイバルとタイトルホルダーの間に1頭分間隔が空いたんですね、ここをエフフォーリアがすかさず突いてきます。横山武騎手の好判断、幸運。対して田辺騎手は甘いですね、川田騎手、ルメール騎手、豊騎手ならこのスペースは空けないと思います。

アドマイヤハダルとステラヴェローチェは、インコースからスムースに前との差を詰めてきました、ここからアドマイヤハダルは外へ行くのに対して、ステラヴェローチェは内を選択、アドマイヤハダルは外に進路変更した分だけ、ゴール前で足りなくなった感じですね。

レッドベルオーブはタイトルホルダーの外でなんとか踏ん張っていましたが、ダノンザキッドはこの辺りで一杯になってしまいました。アサマノイタズラもこの辺りで苦しくなりました。この2頭の手応えが悪くなったことで、グラティアスが割りを食いました。直線入り口でヨーホーレイクがダノンザキッドとアサマノイタズラの間を割ったことで、アサマノイタズラが外に弾かれてしまいました、これでグラティアスも外に弾かれて大きくロス。グラティアスはここでも外枠が仇となりましたね。

直線L1標識付近です、エフフォーリアがスムースに抜け出し、タイトルホルダーが追いすがりますが差は広がりました。レッドベルオーブが苦しくなったところを、ステラヴェローチェが内から、外からアドマイヤハダルが差を詰めてきましたが届かず4着。ヨーホーレイクも届かずでした。4コーナーから外を回した馬は意外にも伸びませんでした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はエフフォーリア、スタート決めて中段の前からで内目を走れました、レッドベルオーブが上がっても落ち着いてステイ、4コーナーから直線入り口でタイトルホルダーが外へはらんだスペースを見逃さなかったこと、横山武騎手の好判断が光ったレースでした。もちろんエフフォーリアの気性、直線入り口で瞬時にスペースを突いた瞬発力、L1までしっかりの持続力も見逃せませんね。最大の難関だと思った皐月賞をクリアしたことで、ダービーが見えてきたと思います。

2着はタイトルホルダー、今まで心肺機能が問われる展開が無く、平均以上で流れた時は不安でしたが、前でしっかり折り合って持続力勝負に持ち込んでの2着は立派ですね。相手が強過ぎました。惜しいのは直線入り口でエフフォーリアにスペースを献上してしまったことで、あそこでインを絞めていたらエフフォーリアも苦しかったと思います。東スポ杯ではトップスピードの質も見せているので、いろんな能力がまぁまぁのレベルで纏まっている感じ、ただ武器になる程の何かを持っているわけではない、そんな感じで安定して好走しそうです。

3着はステラヴェローチェ、終始内目を通て脚を温存、直線もそのまま内目を通ってしっかり3着を確保しました。馬場が乾いていく中でバゴ産駒がどこまで来るかな~っと思いましたが、坂上ゴールは合うのでしょうね。キレッキレのトップスピードの質を持っているわけではなく、パワーと持続力で勝負するバゴ産駒らしい馬ですね。府中はちょっと心配です。

4着はアドマイヤハダル、ルメール騎手らしい騎乗でしたが、最後に直線外に出した分だけ4着でしたね。4コーナーではエフフォーリアの後ろに居ましたから、そのまま追走でも良かったと思いますが。それだと勝てないと判断したんでしょうね。最後まで踏ん張っているので持続力は見せましたね。

5着はヨーホーレイク、初手が後ろからになってしまったので、届きませんでしたね。自身は3コーナー過ぎからペースを上げていたので、持続力は相当高いと思います。スタートさえまともに出て中段辺りが取れれば、ダービーでは怖い存在になりそう。

6着グラティアスは外枠とアサマノイタズラにやられた感じ、ディープモンスターはちょっと外を回し過ぎでしょうか。ダノンザキッドはパドックでも入れ込みが見られたし、ゲート裏ではかなり発汗していました。短期間に2度の輸送で体調が良くなかったのでしょう。

馬券の方は久々に3連単まで的中、良かったです。来週はマイラーズCの予定です。