2024年金鯱賞 回顧。エアサージュ凡走の理由は?

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走破時計1:57.6    前半1000m 58.4  上がり3F 34.7

まずは馬場状態ですが良馬場でした、ただ含水率が高いままで、ゴール前の含水率は特に高かったですね。それでも走破時計が示す通り高速馬場、クッション値がわずかに上がったことで、飛びの大きい馬には走りやすい馬場位なっていた感じですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は函館1勝クラスのグラフです。

エアサージュが負けた理由、それはハイペースで前半無理をしたからではないと思います。この馬はトップスピードの質で勝負するタイプではないのですが、青のグラフが示す通り、このレースは中緩みからのL2最速戦になっています。当然L2で切れ負けして凡走しました。

赤のグラフは1勝クラスを勝ち上がった函館のレースラップです、ペースは若干速い位の平均バランス、今回は0.8秒のややハイペースバランスなので、ほぼ同じバランスでした。なので前半無理をしたことが凡走の原因ではなく、直線L2標識まで仕掛けを遅らせた人災、瞬発力とトップスピードの質で見劣ったということですね。

ドゥレッツァとプログノーシスはL2区間で差がつきましたね、プログノーシスが内からスムースに抜け出したのに対して、ドゥレッツァは外へ進路変更するロスがありました。もちろん59㎏も影響したと思いますが、このロスは大きかったですね。結局ここでの差を詰められなかったので、トップスピードの質ではプログノーシスに見劣ったと見て良いと思います。

スタートは全馬がほぼ五分で、早かった馬も遅かった馬も居ませんでした。ヨーホーレイクが押さえながら前に行き、内からシーズンリッチも押さえながら、ヤマニンサルバムは促すわけではなく行く気に任せた感じ。エアサージュがスタート五分で、押して押して前に行きました。この4頭が2コーナーまで先頭で並んでいました。

向正面に入ってエアサージュが先頭に立ち、2番手にシーズンリッチ、1馬身程間隔をあけてヨーホーレイクとヤマニンサルバムが中段の前。中段のやや前からブレイブロッカー、中段からノッキングポイント、ドゥレッツァ、バラジ。中段のやや後ろからプログノーシス、レッドジェネシス。中段の後ろからアラタ。後方からハヤヤッコ、ワイドエンペラーという並びでした。

前がやり合っていたので前の4頭以降はやや間隔をあけていました。ドゥレッツァはスタート五分に出て中段辺り、無理に前に行きませんでした。プログノーシスもスタート五分で、初手は中段のやや後ろでしたが、向正面で内が空いていたことでジワっとポジションを上げます。

4コーナーです、池添騎手が中緩みを作ったので馬群が凝縮しました。この地点でプログノーシスは前から3頭目、その外にドゥレッツァが居ました。後ろに居たアラタ、レッドジェネシス、ハヤヤッコも、この地点で前から5頭目くらいでした。こうなると直線でトップスピードの質が問われる展開になる。

直線Ⅼ2標識付近です、池添騎手は何を思ったのかここまで仕掛けを遅らせました、L3が12.0でL2が11.2です。当然瞬発力とトップスピードの質で見劣りました。プログノーシスは内が空いてスムース、ドゥレッツァは前が壁になってしまい、外に出す大きなロスがありました。

直線L1標識付近です、L2区間でトップスピードの質を発揮してプログノーシスが抜け出し、この地点でヨーホーレイクに4馬身位の差を付けています。L2区間のレースラップが11.2なので、プログノーシスは10秒台に入っていますね。コースが空いたドゥレッツァがジリジリ伸びてきますが、一気にスピードアップした感じではないので、瞬発力は高くない感じですね。

ここからプログノーシスが促すだけで圧勝、ドゥレッツァがジワジワ伸びて着て2着、ヨーホーレイクが粘って3着でした。内を突いてハヤヤッコが伸びてきて4着なので、外よりも内の方が良かった感じですね。それを考えるとドゥレッツァは59㎏で、直線外目を回されているので少し可哀想でしたね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はプログノーシス、中緩みを作ってもらいましたから、展開的には勝ってくださいという感じでしたね。この手の馬が取りこぼす時というのは、後ろからになり中緩みが無く、前を射程圏に入れられない時ですよね。今回は4コーナーの時点で前から3頭目ですから、勝って当然。最大のライバルであるドゥレッツァは59㎏で、直線で外へ進路変更していますからこの着差は額面通りには受け取らない方がいいですね。

2着はドゥレッツァ、ルメール騎手が古馬の重賞でどこまでやれるかを測ったような騎乗でした。前に行かなかったのでプログノーシスとの差を測ったんでしょうね。直線入り口で外に進路変更したし、59㎏だったので可哀想でした。ただそれでも瞬発力が高くないことは見せたし、トップスピードの質もプログノーシスと互角とは言えませんね。この結果から今後は前で勝負してくると思います。

3着はヨーホーレイク、2年以上のブランクからいきなり3着に好走、実はここはそんなに驚いていません。驚いたのはL2最速戦に対応してきたことですね、この馬はホープフルSで対抗にしたんですが、理由は持続力の高さでした。前走と言っても2年前の日経新春杯ですが、そこでも持続力で差し切っていて、決してトップスピードの質を評価できる馬ではなかった。相手関係や展開に恵まれた感もありますが、L2で一瞬は後続を出し抜いているので、まぁまぁの瞬発力も見せたんですよね。昔のヨーホーレイクのイメージは変えた方がいいと思います。

4着はハヤヤッコ、行き脚がつかなくなってしまいましたね。こうなるとトップスピードの質が高いという程ではないので、どうしても届かないんですよね。今回は展開に恵まれて、4コーナーで前から5頭目くらいでしたから、4着に届いた感じですね。

5着はアラタ、この馬もハヤヤッコとよく似た感じで掲示板を確保しました。前に行けないと今後も苦戦しそう。

馬券の方はハズレ、エアサージュに期待しましたがあの騎乗ではね~。次回は阪神大賞典の予定です。