2022年毎日王冠 回顧。レコードでも遅い。

走破時計1:44.1    前半600m57.9   上がり3F 34.4


まずは馬場状態ですが良馬場でした、レコードタイムが出ている程なので、かなり軽い高速馬場でした。直線はフラットでどこでも伸びていました。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年小倉日経OPのグラフです。

レッドベルオーブは逃げて凡走、先頭に立ってから手綱を引いて抑えていました。これでレッドベルオーブは気分を害してしまった感じ、L2標識ではもう投げ出したように減速していきました。まず馬場状態の比較ですが、小倉日経OP当日も良馬場、3Rに3歳未勝利戦2000mが2:00.2、今日の3R2歳の未勝利戦2000mが2:00.6なので、今日の方が馬場は軽かったはず。これで先頭に立って手綱を引いてしまったのは良くなかった、変に色気を出してしまった為に馬の気分を害してしまいましたね。

実はこのレースは前後半46.2-46.2の全くの平均バランス、レッドベルオーブの前走の動きからハイペースを予想した騎手が多かったと思いますが、幸騎手は先頭に立ってから抑えてしまいました。これに騙されたのが川田騎手ですね、2F目でキングオブコージの後ろまで下げてしまい、速くないと気付いてから3F目でキングオブコージの前に出ました。これは無駄な動きをしてしまいましたね。

逃げたのはレッドベルオーブ、やや離れて中段の前からレイパパレ、キングオブコージ。中段のやや前からサリオス、ポタジェ、ダノンザキッド、中段が空いて、中段のやや後ろからノースブリッジ、キングストンボーイ。後方からジャスティンカフェ、ハッピーアワーという並びでした。

先ずゲート入りが完了したと思ったらダノンザキッドがゲートを突破、パドックからイライラしていたので、精神的に抑えきれなかった感じですね。同時にこの時はノースブリッジもゲート内で煩く、そのままスタートが切られていたら出遅れていたでしょうね。

ダノンザキッドが外枠発走になりスタートが切られますが、ノースブリッジがやや立ち上がり左にバランスを崩し出遅れ。最高のスタートを切ったのは皮肉にもダノンザキッドでした。レイパパレ、キングオブコージがスタート早く、レッドベルオーブ、サリオス、ポタジェがスタート五分でした。スタートがやや遅かったのがキングストンボーイ、更に遅かったのがジャスティンカフェとハッピーアワーでした。

不可解な動きを見せたのがレイパパレの川田騎手、レッドベルオーブが押して押して逃げ体勢に入ると、引いてキングオブコージの後ろに入りました。そしてスタートから3F目で今度は外からキングオブコージの前に出ます。恐らくレッドベルオーブの前走を見て、行くだけ行かせると思いハイペースに付き合うわけにいかずに引いたのではないかと。ただ3F目に入って遅いと気が付いて、キングオブコージの前に出たんだと思います。

ダノンザキッドは終始外目を回し、サリオスは最内をスムースでした。馬群がバラケテ中段のやや後ろからノースブリッジが最内、その外にキングストンボーイ。更に間隔が空いて後方からジャスティンカフェがいつも通りの位置取りでした。ジャスティンカフェはもうスタートに期待しない方が良いですね。

4コーナーです、レッドベルオーブが中緩みを作りL4が11.8、これで馬群が凝縮してレイパパレが先頭に並びかけ、外からダノンザキッドが3番手。最内にキングオブコージが居て間にポタジェ。サリオスが3コーナー入り口でキングオブコージに切り込まれて中段まで下がり、その外にキングストンボーイがスムースでした。ジャスティンカフェがジワっと上がっているのは、中緩みが出来たからですね。

直線L2標識付近です、レッドベルオーブが投げ出すように減速、替わってレイパパレが先頭に立ち、その外にダノンザキッド。その後ろにポタジェが居て、サリオスが前に詰まっていました。キングストンボーイはポタジェの外でスムース、ジャスティンカフェが大外からジワジワ上がってきます。

直線Ⅼ1標識付近です、レイパパレが先頭でダノンザキッドが2番手で差が変わらず、外からジャスティンカフェが3番手に上がり、その後ろの列にノースブリッジ、サリオス、ポタジェが横並びでした。

ここからレイパパレが甘くなり、ダノンザキッドが先頭に立ち、外からジャスティンカフェが先頭に並びます。L1標識を過ぎてからポタジェが苦しくなり、空いたスペースを使ってサリオスが伸びてきます。この時点でサリオスとダノンザキッドの差は2馬身程、ゴールではダノンザキッドと1馬身プラスの着差だったので、サリオスのL1は11.5くらいは出していますね。勢いを付けていたジャスティンカフェを半馬身差し切ってしまうわけですから、持続力の高さはさすがハーツクライ産駒です。一見すると瞬発力が高く見えますが、このレースはL3から11.3-11.3-11.8というラップ推移なので、サリオスが待たされている地点でも流れてはいました。なのでブレーキしてから再加速したわけではないので、瞬発力は評価しない方が良いと思います。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はサリオス、馬体重が不安だったのですが、プラス8㎏で走れる状態でした。この感じなら540㎏を下回っていれば問題ない感じですね。ハイペースではないので心肺機能は問われていないし、詰まったように見えて流れていたので瞬発力も問われず。得意の持続力で押し切った感じのレースでした。朝日FSが流れた中でもう一足使う勝ち方でしたから、体調万全ならレベルの高いレースほど好走してくると思います。

2着はジャスティンカフェ、平均バランスで中緩みが出来れば、L4で馬群が凝縮して届くという典型的な展開でした。スローからの4F戦だと届かなくなると思うので、相変わらず前次第になりそうです。

3着はダノンザキッド、スタートでアクシデントを引き起こして、再スタートでは抜群のスタート、これで3着に粘るのですから強いですね。このアクシデントは輸送の影響だと思うので、次走が天皇賞(秋)だと不安、マイルCSなら昨年に続き好走できそうですね。

4着はレイパパレ、序盤のちぐはぐな位置取りはありましたが、それだけが取りこぼしの要因ではないと思います。ゲート裏ではゼッケンの下に汗が目立っていたので、この馬も輸送が悪影響を及ぼしている感じ。ヴィクトリアMのスタートも、輸送の影響だったのかも。馬体重440㎏もこの馬にはやや重いのかも。次走が天皇賞(秋)だと再度輸送が不安ですし、エリザベス女王杯だと距離の不安が出て来るので、マイルCSの方が良いかも。

5着はノースブリッジ、流れたので5着まで持ってきましたが、スタートが全てですね。この馬はスタートが不安定でウェルカムSでもスタート失敗していますし、勝ったtvk賞でもスタートはやや遅かったので、今後もスタート不安は付き纏うと思います。

ポタジェが6着で斤量が堪えた感じ。キングストンボーイは力負けですね。レッドベルオーブは気持ちで走るタイプだと思うので、行く気に任せて行かせてしまった方が良いでしょう。

馬券の方はハズレ、レッドベルオーブというか幸騎手を軸の1頭にしたのは悪手でした。