2019年関屋記念 回顧。


走破時計 1:32.1  前半800m 46.5  上り3F 34.1

馬場状態は良馬場で、軽い高速馬場でしたね。勝ったミッキーグローリーの上り3Fが32.2ですから、速い上がりを使えない馬には苦しい馬場でした。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回のレースラップ、赤はソーグリッタリング、緑はミッキーグローリーの目視のラップです。

まず目につくのはミッキーグローリーの異常ともいえる持続力の高さですね。目視手動計測ですが、L3から10秒台を連発した挙句にⅬ1でもダメ押しのごとく10.7くらいを出しています。いくら平坦高速馬場の新潟とは言え、中段の後ろからの競馬でこのラップを踏める馬は少ないでしょうね。グラフにはしませんでしたが、ミッキーグローリーって昨年の京王杯AHでもレースラップがL3から11.4-11.5-11.4を中段のやや後ろから、4コーナー外を回してねじ伏せてしまったんですよね。この時もL2,L1はおそらく10秒台に入っていたはずで、中山コースであることを考えると驚異的な持続力です。もちろんパワーとトップスピードの質も最高レベルでしょう。

ソーグリッタリングは今回も仕掛けがやや遅かった印象、L3からⅬ2でレースラップでは1秒の加速をしていますが、この馬自身ではL3で11.0のラップを踏んでいると思うので、瞬発力は問われていませんね。L1でちょっと落としてしまったところをミエノサクシードに出られてしまいました、L2までにある程度リードを築いておかないと、この馬のトップスピードでは坂もないので苦しかったですね。

逃げたのはマイネルアウラートでした、まぁ他の先行馬の騎手は相手にしていなかったように行かせてしまいましたね。2番手にトミケンキルカス、3番手に内からオールフォーラヴ、ソーグリッタリングが先行体制、内からヤングマンパワー、サラキア、エントシャイデン、外からハーレムラインが押し上げました。中段にディメンシオン、その外にミエノサクシードが詰らない位置を確保。ケイデンスコールが中段のやや後ろから、ロシュフォールは最内に入って、その外にリライアブルエース、フローレスマジック。中段の最後方に居たのがミッキーグローリーでした。後方からサンマルティン、ロードクエストという並び。

マイネルアウラートの逃げに関しては各騎手は容認、容認というか相手にしていない感じでしたね、実質的にはトミケンキルカス以下からレース参加者という感じでした。マイネルアウラートが3,4馬身離していたので、前半800mは47.0くらいでスローバランスでした。重賞のマイル戦にしてはかなり緩い入りでしたから、前段に居たソーグリタッリングも楽だったはず、後方に居たロードクエストが上がり最速の31.9を記録していますが、これは前半800mを50秒くらいで通過したはずなので、実質歩いているようなものですから参考にならないですね。

4コーナーから直線入り口です、まだマイネルアウラートが5馬身程離して逃げています、トミケンキルカスが2番手最内、オールフォーラヴはこの辺りで外目に出したかったはずですが、外にソーグリッタリングが居たことで内で我慢、ここでミエノサクシードがハーレムラインの外まで上がってきました、この位置取りが今回の好走のポイントですね。ここでハーレムラインの後ろに居たら、外からサラキアに来られてコースが無くなったはずですから。ケイデンスコールは外を回してスムースでした。

直線L2標識付近です、ここでマイネルアウラートとヤングマンパワーが一杯になります、ソーグリッタリングとオールフォーラヴが先頭列に躍り出て、外からハーレムラインとミエノサクシードが2列目。エントシャイデンは前が壁になり進路が無くなりました、リライアブルエースは伸びない内に進路を取っていますね。ソーグリッタリングはこの辺りから追い出しに掛かっています、ミエノサクシードが来たのを確認してからなんですよね、ちょっと遅い気がします。

先団を目標に外からロシュフォール、サラキア、ディメンシオンが襲い掛かってきます、勝ったミッキーグローリーはこの3頭のすぐ後ろで、空気抵抗を減らして追走しています、まだ追い出していません。ケイデンスコールはこの辺りで一杯、ミッキーグローリーのすぐ外に居ましたが、L3でスピードに付いて行けなくなりましたね。

直線L1標識付近です、ここでハーレムラインが脱落してソーグリッタリングとミエノサクシードの一騎打ちの様相、外からサラキアとディメンシオンが追い込み体勢でしたが伸びがイマイチ、替わってミッキーグローリーが満を持して外に持ち出して、ここから一気に前の2頭を捉えます。オールフォーラヴやエントシャイデン辺りの馬場は伸びませんでしたね、ソーグリッタリングよりも外が勝負できる馬場でした。リライアブルエースはなぜ最内を選んだのか…。

では1頭ずつ見て行きます。

1着はミッキーグローリーでした、9カ月弱の骨折休養明けであっさり勝ち切る辺りは、さすが国枝厩舎ですね。後で知ったのですがこの馬は岡田スタッドの生産ですが、外厩はノーザンF天栄なんですね、流石にしっかり仕上がっていました。驚くべきはトップスピードの質と持続力の高さで、10秒台3連発なんて早々お目に掛かれませんね。条件戦ですが阿武隈Sで心肺機能の高さも見せていますし、秋が楽しみになる1頭ですね。距離さえ持てば天皇賞秋で狙ってみたい。

2着はミエノサクシードでした、元々トップスピードの質と持続力の高さは持っていた馬ですから、これくらいはやれて当然ですね、ただ今回は相手が悪過ぎました。前走の反省を生かして上手く乗ったと思います。

3着はソーグリッタリング、トップスピードの質は高くはないので、L3辺りでもう少しリードを確保しておきたかったですね、L1で11.6まで減速しているのでトップスピードの質と持続力は最高レベルではなく、まぁまぁ高いといった感じでしょう。ステゴ産駒なのでこういう高速馬場よりは、力の掛かる馬場の方が合うと思います、なので秋の関西圏のレースでは期待できそう。

4着はディメンシオン、位置取りが中段になってしまい、仕掛けも遅かったので4着は仕方ないですね。もう少し前でレースをするか、早目に仕掛けるかすれば3着はあったかな~。

5着がサラキア、3コーナーで上手く外に出してきましたが、この馬もディメンシオンと一緒で仕掛けが遅かった印象、トップスピードの質はまぁまぁのレベルなので、中段からだと上がり32秒台前半をを求められてしまい苦しくなりましたね。今回は+8㎏なので真夏で輸送もあってこの体重だと、ちょっと絞り切れなかった感じですね。

馬券の方は複勝とワイドが当たりました、来週は札幌記念の予定ですが台風が心配です。