2022年エプソムC 回顧。夕立は想定外。

走破時計1:46.7    前半800m48.1   上がり3F 35.1

まずは馬場状態ですが、朝の時点で稍重でしたが、5Rから良馬場になりました。シメシメと思ったのも束の間、14時頃から夕立があり短時間に6㎜程降りました。これで一気に重馬場まで悪化してしまい、レース時間でも重馬場でした。昨夜の雨もあったので晴れていましたが、乾きませんでしたね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は今年のアメジストS、緑は2020年ディセンバーSのグラフです。

アメジストSはノーズブリッジが勝ったレース、2020年ディセンバーSはガロアクリークが3着、トーラスジェミニが勝ったレースです。今回のグラフとの比較でも、L1で12秒台まで落ちる部分、スローバランスであることが共通点ですね。ノースブリッジはアメジストSのL3で10.9を出しているので、出し抜くだけの瞬発力は見せていますね。ただそのトップスピードの質を3F以上維持するタイプではないので、本質的には中山や阪神内回りの方が適性は高そう。逆にガロアクリークは瞬発力が期待できないので、スパートのタイミングが遅れると、中山や阪神内回りでも届かないのでしょう。

ジャスティンカフェは4着でした、直線L1区間でノースブリッジに寄られていましたが、自身もシャドウディーヴァの進路を狭くしているので、大声で不利を主張できないでしょうね。エピファネイアの産駒でサドラーズウェルズのクロスが入った血統なので、重馬場がダメってことはないですね。上がり最速33.5を出しているので、初手の位置がもう少し前なら届いた可能性がありそう。この馬の場合はL4辺りから加速し始めているので、持続力の高さを見せていますね。

ディセンバーSでは逃げ切ったトーラスジェミニは今回11着、前半1000mは今回の方が速いのですが、今回も前後半で見るとスローバランスなので、心肺機能の問題でなく距離適性が短くなっているのかもしれませんね。まだ6歳なので極端に能力が落ちたとは思いたくないのですが。

逃げたのはトーラスジェミニ、2番手にコルデジア、中段の前からノースブリッジ、中段のやや前からヤマニンサンパ、トーセングラン、ダーリントンホール。中段からガロアクリーク、中段のやや後ろからシャドウディーヴァ、ザダル。中段の後ろからタイムトゥヘヴン、ハッピーアワー、後方からジャスティンカフェという並びでした。

トーラスジェミニが逃げましたが、前後半で見ると48.1-47.0でスローバランス、重馬場だったこともあり遅かったが中緩みが少なかったですね。コルデジアはトーラスジェミニから2,3馬身離れて単独2番手、そこから1馬身程離れてノースブリッジが掛かり気味に中段の前でした。実質的なメイン集団であるノースブリッジ以降はかなりのスローでしたが、重馬場だったこともあり早目に動く馬は居ませんでした。

ヤマニンサンパはスタート五分から中段のやや前、二の足が遅かったのはハッピーアワー、ジャスティンカフェ、タイムトゥヘヴンで後ろからでした。ザダルはレーン騎手が促して中段のやや後ろから、いつもよりは前の位置でした。ガロアクリークは中段、単独でスムースでした。

4コーナーです、トーラスジェミニが単独で逃げていて、ここでも2馬身程離れてコルデジア、ノースブリッジがジワっと差を詰めて、その外にトーセングランでした。ダーリントンホールとガロアクリークが並んで中段辺り、その後ろからザダルがスムースでした。ジャスティンカフェはポツンと後方で、最内を回して直線入り口で馬群に取り付きました。

直線L2標識付近です、トーラスジェミニが先頭で、ノースブリッジが並びかけます。L3から11.5-11.3というラップなので、この馬場では後ろからでは苦しくなりますね。ジャスティンカフェが内から伸びますが、ジリジリまでで良馬場で見せる爆発的なトップスピードの質ではなかったです。

直線L1標識付近です、L2区間でトーラスジェミニ、コルデジア、トーセングランが苦しくなり後退、シャドウディーヴァはジャスティンカフェに寄られてブレーキしていました。L1区間ではノースブリッジが粘り切って、ダーリントンホールとガロアクリークがジリジリ伸びて3,2着、ザダルは伸びきれませんでしたね。ジャスティンカフェは残り100m辺りで、ノースブリッジが内へ寄れた影響を受け4着まででした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はノースブリッジ、前走のアメジストSで稍重の府中2000mを快勝、条件が揃いましたね。この馬はトップスピードの質は高くないので、昨年のウェルカムSで出遅れ凡走しています。この馬が好走する時はトップスピードの質が問われず、特に上がり3Fが掛かる時ですね。

2着はガロアクリーク、この馬も上がりが掛かる時の方が良くて、中山記念も4着ですが上り36.1、2020年ディセンバーSでは上がり3F35.6なので、上がり3F33秒台を求められるようなレースでは出番が無いのでしょう。

3着はダーリントンホール、スローバランスだったので初手の位置取りが後ろ過ぎましたね、トーラスジェミニが逃げることは分かっていたので、ハイペースに巻き込まれ無いようにという位置取りだったのでしょう。これはルメール騎手が考えすぎた感じですね。重馬場だったのでどうしても雨に行くには勇気が居るし、今回は噛み合わなかったですね。

4着はジャスティンカフェ、このクラスでスローバランスになると届かない、これは安田記念のイル―シヴパンサーも一緒ですね。掛かる恐れのある馬なので、ポジションを取りに行くのもリスクがあるし、かと言って後ろからでは展開待ちになってしまう。OP以上では難しい馬になりそうです。

5着はタイムトゥヘヴン、この馬はキレッキレのトップスピードの質を持っているわけではないので、スローバランスで前が落ちてこないと届きませんね。今回も特に不利はなかったのですが、二の足が遅いのでどうしても後ろからになってしまい、展開待ちになってしまいますね。

ザダルは6着、昨年は1分45秒台の決着ですから、今回の馬場では力を出し切れませんでしたね。

馬券の方はハズレ、ガロアクリークは左回りが良くないと見ていましたが、重馬場だったからかあっさり克服するとは。夕立の前までは良馬場だったので、運がなかったと思って切り替えたいと思います。次回は1週お休みして宝塚記念の予定です。