2023年阪神牝馬S 回顧。馬場バイアスが大き過ぎ。

走破時計1:33.9    前半800m 48.0  上がり3F 34.2

まずは馬場状態ですが稍重でした、朝は重馬場でスタートして含水率も下がりませんでした。クッション値は9.0まで回復しましたが、雨量が多かったので乾くのに時間が掛かった感じですね。走破時計1:33.9はこのクラスにしては速くないので、馬場は乾ききっていませんでしたね。それ以上に内と外で大きな違いがあり、3,4コーナーで内から3頭目から外は全滅でした。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年菜の花賞、緑は2022年フィリーズレビューのグラフです。

サウンドビバーチェが1着でした、赤のグラフが菜の花賞のグラフで、今回と共通するのはⅬ1で時計が掛かっていることですね。この馬はキレッキレのトップスピードの質は持っていません、今回もL1の11.0ではウインシャーロットと互角でした、L1に入って先頭に立っているので、時計の掛かる馬場になったことで、内・前優位の馬場を生かしたポジションもあり押し切れた感じですね。

2着はサブライムアンセム、緑のグラフはフィリーズレビューですが、消耗戦をバテ差す形で勝ち切っています。今回もL1各馬が苦しくなってから伸びているので、この馬もトップスピードの質で勝負するのは良くないですね。今回に関しては最内を回したことも大きいのですが、スタート出たことが良かったですね。これでスタートが改善されれば、今後も楽しみだと思います。

ウインシャーロットが負けた理由は前半が遅かったからですね、L2で11.0を出していますが、この馬場で11.0を踏んでしまったことで、L1で苦しくなった感じ。前半からもう少し出して行って平均バランスくらいにしておけば、後ろも足を使ったはずだし、内・前優位の馬場でしたから外からのバテ差しも届かなかったはず。この辺りの馬場や展開の想定に、石川騎手の甘さを感じるレースでした。

逃げたのはウインシャーロット、スタート良かったのでそのまま逃げ体勢でした。内からサブライムアンセムがスタートやや早く中段の前から、今後もこのスタートが出来れば成績は安定するでしょうね。外からスタート五分のサウンドビバーチェが上がり2番手先行。中段にスタート五分のルージュスティリア、イズジョーノキセキ、フラーズダルム、スタートやや早かったコスタボニータが引いて中段でした。

ママコチャ、ピンハイ、アンドヴァラナウト、ディヴィ―ナはスタートやや遅く後ろから、ママコチャは掛かってしまい抑えきれずに上がって行きました。アンドヴァラナウトは内に入れてスムース、ピンハイは内に入れる素振りがなかったですね。

4コーナーです、ここがポイントで内から2頭目を回していた馬で上位独占。アンドヴァラナウトまでが後ろから5着に来ているので、内優位は明らかでしたね。

直線Ⅼ2標識付近です、ウインシャーロットが先頭で2番手にサウンドビバーチェ、内からサブライムアンセムとコスタボニータ。中目に居たママコチャが怪しくなって、その後ろに居たルージュスティリアがコースが無くなります。その外にイズジョーノキセキ。アンドヴァラナウトはスムースに中目に出してきました。

ここからアクシデントがありました、行き場が無くなったルージュスティリアが外に進路変更、イズジョーノキセキに体当たりして、川田騎手は過怠金の制裁。アンドヴァラナウトも影響を受けていました。

直線Ⅼ1標識付近です、L2区間の下り坂でトップスピードの質を誤魔化したウインシャーロットが先頭をキープ、内に寄れたのでサブライムアンセムがコースを塞がれていますね。サウンドビバーチェがスムース、ママコチャは苦しくなりルージュスティリアも伸びませんでしたね。

ここからサウンドビバーチェが抜け出し、ウインシャーロットが苦しくなります。サブライムアンセムとコスタボニータがウインシャーロットの外に出してジリジリ伸びて2,3着。アンドヴァラナウトが伸びて5着でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はサウンドビバーチェ、スタート五分から出して行って2番手先行、内から2頭目を回したことと、パンパンの良馬場でトップスピードの質が問われず、しかも前半はゆったり入れたことも大きかったですね。心肺機能は持っているので今後もL1で時計の掛かる展開が理想ですね。

2着はサブライムアンセム、スタートが決まったことが大きいですね。フィリーズレビューの走りからも、キレッキレのトップスピードの質で勝負するより、持続力でバテ差す競馬が良いはず。今後もスタート不安と、展開待ちは続くでしょうね。

3着はコスタボニータ、トップスピードの質は高くないはずですが、下り坂でトップスピードの質を誤魔化せたし、L1でも粘っていたので持続力は高いですね。イスラボニータによく似た馬なので、本質的にはハイレベルな1400m戦を先行した方が良さそうです。

4着はウインシャーロット、稍重表記で騎手のペース認識がモロに出ましたね。この馬はトップスピードの質で勝負するのは良くないのですが、この馬場でL2が11.0だと一気に足に来る感じで減速率が大きくなりました。パンパンの良馬場なら10秒台を連発できるので、馬場も合わなかったと思います。

5着はアンドヴァラナウト、L2区間でのアクシデントの影響を受けているので、5着でも評価してあげないといけませんね。ただスタートが遅くなってしまったので、今後も届かないレースが続きそう。

1番人気のルージュスティリアは6着、直線コースが無くなりイズジョーノキセキに体当たりした影響もあると思いますが、それにしても反応が悪かった。これは休み明けの影響を疑った方が良いと思います。ピンハイはマイナス体重の影響と、騎手が内に入れる意識を全く見せなかったので、コース取りの不利も大きかったですね。3番人気のママコチャは9着、スタートイマイチでしたが変に抑えてしまい掛かって凡走、リカバリーしてそのまま先頭を叩いて捲り切っても良かったと思いましたが・・・。イズジョーノキセキも不利を受けましたが、外目を回したし休み明けの影響もあったと思います。

馬券の方は買いませんでした、条件付きの予想でその条件がドンピシャで当てはまるとは思いませんでしたが、ピンハイはマイナス体重で予想通りの凡走。買わなくて本当に良かったです。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    こんにちは。仮に3連複で1点買いなら7=8=9複勝でした。危ないところでした。
    サブライムアンセムも注目はしてましたが、コスタボニータは無理ですw
    そもそも阪神牝馬Sにピンハイが出ることから読み切れず、購買意欲が妙に下がったというのがあるんですよね。調教ではむしろ良い方だったのですが負荷をかけ過ぎたとかいう説もありますね。
    イズジョーととサブライムアンセムの親子フィニッシュも考えましたが、イズジョーは勝ち気ではなさそうなのでパス。まあここはこの結果で満足ということで。
    ウインシャーロットも決して悪くはなかったと思いますが、まだ石川騎手にはペースメーカーは早いところですね。インタビューではそれを目標にしたというサウンドビバーチェなので、いいラビットになっていただき(´・ω・`)

    • みやや より:

      そだしさん、こんばんは。
      サウンドビバーチェおめでとうございます。さすがですね。
      コスタボニータはイスラボニータと思って評価していきましょう、そっくりだと思います。