走破時計1:20.2 前半600m33.4 上がり3F 35.5
まずは馬場状態ですが良馬場でした、9Rの万両賞が2歳1勝クラスの1400mで1:21.7、上がり最速は34.1でした。このレースで注目すべきは後半のラップタイムで、前半が35.3と遅かったこともありⅬ1まで11秒台でした。なので標準的な良馬場という感じですね。阪神Cでは前半が速く後半時計が掛かりましたが、1:20.2なので標準的な良馬場のタイムと見て良いと思います。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年スワンS、緑は2021年京王杯SC、黒は2022年京都牝馬Sのグラフです。
まずは今回11番人気で激走したラウダシオンについてです、青と緑のグラフの形を見てください。馬場状態が違うのでタイムは違いますが、どちらもL2、L1と減速ラップを踏む消耗戦です。この馬はトップスピードの質が高くないので、前走の富士Sのように11秒台の前半を求められると苦しくなる、特にL2で速いラップを踏めなくなっているので、今回のバテ差しは「待ってました」の展開でした。スタートがやや遅く前半無理をしなかったこと、4コーナー出口から直線スムースなコース取りが出来たこと。そして消耗戦で持続力勝負になったことが好走の要因、つまり松若ペースがラウダシオンのアシストだったんですね。
では今回の主役ダイアトニックについてです、青と赤のグラフを見てください。前後半で比べると今回は33.4-35.5、スワンSは34.1-34.6なので、今回は前半が苦しいペースでした。ダイアトニックはスタート五分から前半は無理をせず、中段のやや前辺りでした。これはスワンSの2,3番手先行からするとかなり後ろでした。スタートがやや遅かったこともありますが、無理に前に行かなかったのは岩田康騎手のファインプレイですね。ダイアトニックは前半33秒台で先行すると後半甘くなるので、岩田康騎手の判断がなかったら勝ち切れなかったでしょうね。
反対に今週の困った騎手は息子さんの岩田望騎手です、3番人気のロータスランドに何度も乗っていますが特徴を捉えていないようです。ロータスランドの特徴はL1で12秒台に入る時に好走すること、それと前半が33秒台に入らない事です。これがピッタリはまったのが黒のグラフで京都牝馬Sです。L2で一足使って出し抜き、L1で粘り込むのが得意パターンですね。それが今回は前半33秒台に3番手先行、自身も33秒台に入っていたはずで、L1で苦しくなり凡走しました。適性の幅が狭い難しい馬なんですが、何度も乗っているのでこの騎乗は批判されても仕方ないでしょう。恐らくなぜ好走したのか、なぜ凡走したのかしっかり検証しないんでしょうね。
逃げたのはオパールシャルム、2番手にプルパレイ、ロータスランドが3番手先行。中段の前からバスラットレオン、カイザーミノル、中段のやや前からメイショウチタン、ダイアトニック、ライトオンキュー、キングオブコージ。中段からミッキーブリランテ、グレナディアガーズ、中段のやや後ろからダイメイフジ。中段の後ろからトリプルエース、トゥラヴェスーラ、ラウダシオン、後方からエントシャイデン、ルチェカリーナ、ルプリュフォールという並びでした。
オパールシャルムが押して押して逃げ体勢、メイショウチタンがあっさり引いてくれましたが、スピードを緩めることなくハイペースにしてしまいました。ロータスランドがスタート良く先行、バスラットレオンがスタート五分から前に行きました。グレナディアガーズはスタート五分から中段、スタートがやや遅かったラウダシオンは無理せず中段の後ろでした。
スタート五分に出たエントシャイデンは促していますが手応えが悪かったのか、すぐに諦めて後方に下げてしまいました。カイザーミノルはスタートやや早く中段の前、このペースでは前半で苦しくなりましたね。ダイメイフジもスタートやや早く中段のやや後ろに下げました。ここで無理をしなかったことが、まさかの5着好走に繋がった感じですね。ルチェカリーナはミルコ・テン乗りで後ろからになってしまいました。
4コーナーです、4F目に11秒台に入ってから上がって行ったのがダイアトニック、それとルチェカリーナでした。岩田康騎手とミルコはペース認識が良いですね。ダイアトニックは内から2頭目ですから、馬場の良いところを通しています。対してグレナディアガーズは内から3.5頭目あたりで、決して良いコース取りではありません。ルプリュフォールは最内から馬群に取り付きます。
直線L1標識付近です、オパールシャルム、バスラットレオン、ロータスランド、ダイアトニック、グレナディアガーズが先頭列。その後ろからカイザーミノル、プルパレイ、ミッキーブリランテ。ラウダシオンが4コーナー出口から中目に出して行き伸びてきます。ルプリュフォールは内から一気に差を詰めましたが、前に詰まっていました。
ここからグレナディアガーズが一旦先頭に出ますが、ダイアトニック様が差し返してハナ差で1着。ラウダシオンが伸びてきて3着に届きました。前に行った中ではバスラットレオンが粘って4着、前半もう少しユッタリ入れば3着以内があったかも。ルプリュフォールは詰って脚を余していました、スムースなら差し切る勢いだったので、このクラスでも侮れないですね。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はダイアトニック、ラストランを勝ち切り有終の美を飾りました。1400mのGⅠがない事が悔やまれますね。同時に岩田康騎手のファインプレイも注目すべきで、まだまだ活躍しそうです。一旦前に出られたグレナディアガーズを差し返してくれた時には、心底感謝しました。これまでさんざんダイアトニック・ダイアトニックと書いてきたので、最後に恩返しをしてくれたような気がしました。オーストラリアで種牡馬入りするそうですが、逆輸入の形で産駒が活躍するところを見たいですね。無事に引退できて良かったです、お疲れ様でした、そしてありがとうダイアトニック。
2着はグレナディアガーズ、4コーナーの位置取りを考えれば、ハナ差は高評価で良いでしょう。展開面はぴったりでしたが、馬場の良くない部分を通しているので、着差以上に強かったです。今回は消耗戦でしたから届きましたが、決してトップスピードの質が高いタイプではないので、もう少しポジションを取る意識がないと今後は不安ですね。
3着はラウダシオン、バテ差しの展開で4コーナー出口からスムースなコースが取れたことが好走要因ですね。L1が11秒台でゴールしてしまう府中よりも、坂の有る阪神の方がコース適性が良いかもしれませんね。
4着はバスラットレオン、前に行った中で唯一残っているので、心肺機能は見せたし相手が悪かったですね。このクラスでも目途が立ったので、展開一つで勝ち負けしそうです。
5着は驚きのダイメイフジ、この馬も持続力は持っているタイプですが、トップスピードの質が低いので届かないレースが続いていました。馬場の恩恵もありましたが、展開が噛み合いましたね。スタート五分に出ているので、前に行くレースをして欲しいのですが。
馬券の方は単複、馬連、3連複が的中、3連単が惜しい・・・。ダイアトニックが有終の美を飾り、無事に引退できたので大満足です。