2021年阪神C　回顧。3歳の勢いと成長力。

走破時計1:20.3　　　　前半600m34.3　　　上がり3F 35..0

まずは馬場状態ですが良馬場でした、9Rの万両賞が2歳1400mで1:21.9、ややスローバランスだったので走破時計は速くありませんが、上がり最速は1着マテンロウリオンが33.4ですから、やや高速馬場で良いと思います。このレースの走破時計は1:20.3で平凡ですが、これは前半が34.3で33秒台に入らなかったからでしょうね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年スワンS、緑は2021年マイルCSのグラフです。

今回は中緩みのない消耗戦でした、前半はあまり速くないのですが中緩みがなかったことで、L3から減速に入っています。これでバテ差しを決めたのがグレナディアガーズで、この馬は京成杯AHでもバテ差しの形で3着に持ってきましたね。マイルCSのグラフと比べれば分かりますが、速い上がりを求められると苦しくなる、前半も遅いと掛かるという短距離タイプの馬ですね。マイルCSと今回の結果から、今後ペースに関係なく差しに回るようだと、マイルCSのような凡走もありそうですね。

今回のレースはスワンSに出走していた馬が多く出ていました。ホウオウアマゾンはスワンS逃げて3着、今回は中段のやや前から2着でした、スワンSに比べて自身の前半はやや遅かったはずで、平均くらいで入ったことで直線でも伸びてきました。マイルCSではスローバランスで逃げて、自身の上り3Fが33.7なので、トップスピードの質では勝負になりませんが、ハイペースバランスから平均バランスで前に居れば安定しますね。

ダノンファンタジーはスワンSと同じような位置取りで3着、上がり3FはスワンS34.5に対して今回は34.7なので、力は出し切ったと思います。ホウオウアマゾンが斤量2㎏増で逆転している、加えてグレナディアガーズは別路線でしたが共に3歳なので、これが成長分とダノンファンタジーがもうすぐ6歳という衰えなのかな～。グラフからはルークズネストの敗因は分かりませんね。

逃げたのはファストフォース、2番手に出遅れからリカバリーしたラウダシオン、中段の前からダイメイフジ、ベステンダンク、ルークズネスト。中段のやや前からホウオウアマゾン、ベストアクター、ダノンファンタジー、ソングライン。中段からセイウンコウセイ、グレナディアガーズ、サウンドキアラ、中段の後ろからタイセイビジョン、アストラエンブレム、ラヴィングアンサー、後方からデュープロセス、ケイデンスコール、シヴァージという並びでした。

逃げたのは想定通りファストフォース、2番手はスタート出遅れたラウダシオンでした。ラウダシオンは最初の1F目でリカバリーしているので、ここで相当足を使ってしまった感じですね。中段の前に居たのがスタート抜群だったダイメイフジで、内目に入ってスムースでした。ベステンダンクはスタートが良く、押して押してこの位置、ルークズネストはスタート五分から、1F目では前に行っていませんでした。2F目で上がって行ったので、レースラップ11.1に対して自身は10秒台に入っていたはずです。ただファルコンSでは2F目から10.6-10.9と10秒台を連発して押し切っているので、この自身10秒台が影響したわけではないと思うのですが。

ダノンファンタジーとホウオウアマゾンはスタート良く出て、控えて中段やや前とスムースな位置取りでした。中段のやや前からだったがソングラインで、スタートも良くスムースに良い位置が取れたように見えます。グレナディアガーズはスタートがやや遅かったのですが、１F目でリカバリーして中段でした。

4コーナーです、ファストフォースが1馬身程のリード、ラウダシオンが追走してダノンファンタジー、その内に居たのがホウオウアマゾンでした。流れていたしこの地点から既に減速しているので、内の馬も待たされてはいませんでした。ソングラインが遅れ始めて内へ行き、外からサウンドキアラが上がるところ、その後ろからグレナディアガーズがスムースでした。

直線L1標識付近です、ファストフォースが先頭で、ラウダシオンは馬場の真ん中へ、内から抜けてきたのがホウオウアマゾンでした。ラウダシオンはここで一杯になりました、スタートで後手を踏んだツケが出ましたね。その外から伸びてきたのがダノンファンタジーで、これは直線入り口からスムースでした。大外から伸びたのがグレナディアガーズで、サウンドキアラと一緒に直線入り口に入りましたが、スピードの違いで振り切って差し切りました。

ホウオウアマゾンは内目から伸びてきました、馬場は良くないと思いますが、残り300mの標識付近から伸びてきたので、内回りと外回りの合流点を過ぎれば内も伸びるのでしょう。タイセイビジョンは4コーナー最内を回して、直線入り口でスムースに中目に出して伸びましたが届かず。スタートが出ているので下げたことが裏目に出ました。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はグレナディアガーズ、スタートはやや遅れましたが1F目でリカバリーして中段から、ややハイペースバランスで中緩みがなかったことで、バテ差しが届いた感じですね。これがこの馬の得意パターンで、パワーと持続力に秀でたタイプですね。今回中段から差し切りましたが、これは展開に恵まれたからで、マイルCSのような展開では折り合えても、トップスピードの質で見劣るでしょうね。

2着はホウオウアマゾン、スワンSの内容からすると逃げ、もしくはファストフォースをベタマークしていたら押し切っていたかもしれません。スワンSから2㎏の斤量増で、ダノンファンタジーを逆転しているので、3歳の成長力を感じます。マイルCSでもスローバランスで5着に粘ったので、悪くはないのですがベストは消耗戦でしょうね。

3着はダノンファンタジー、スワンSと同じような位置取りでしたが3着、スワンSではホウオウアマゾンを差し切っていますが、今回は同じ位置に居てクビ差でした。ホウオウアマゾンの成長が理由でしょうね、加えて年明け6歳になるので衰えもあったかもしれませんね。

4着がタイセイビジョン、前走の京阪杯では2着に届きましたが、今回はその時よりも後ろになってしまったので、その分だけ届きませんでした。この馬はトップスピードの質がキレッキレではないので、スタート出たならば中段は取りたかったですね。

5着はサウンドキアラ、スワンSでは内でロスなく走って2着、今回は外々を回されてしまったし、トップスピードの質でグレナディアガーズに完敗でした。ただ持続力とパワーは見せているし、内目の枠だったらいい勝負になったのではないでしょうか。今のこの馬の力だと展開の助けが必要になりますね。

ソングラインは15着、L1標識では一杯になったような感じで下がっていきました。外を回していましたが、すぐ後ろから5着のサウンドキアラがレースをしているので、外々を回したことは理由にならないと思います。掛かっていたわけでもないし、コーナーでも若干スピードが落ちましたがスムースに見えたので、右回りの影響ではないと思うのですが。考えられることは輸送でしょうかね～。

ルークズネストは敗因不明、ルメール騎手も分からないと言っているので、嫌な負け方ですね。シヴァージも伸びませんでした、直線入り口ではすぐ前に居たラヴィングアンサーに付いて行けなかったので、反応が悪く早々に諦める格好でした。この馬も負け方が悪く、6歳なので立て直せるか不安ですね。期待したラウダシオンはスタートで後手を踏んだことが響いた感じですね。

馬券の方は馬連だけでトリガミでした。