2021年ジャパンC 回顧。コントレイルの勝因はアリストテレス。

走破時計2:24.7    前半1000m62.2   上がり3F 35.3

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日に散水していないのですが、4コーナーで含水率が上がっています。これは夜露の関係でしょうね、日曜日の未明はかなり冷え込んだので。朝から晴れていたので乾いてやや高速馬場だと思います。11RのウェルカムSが3勝クラスの2000mで1:58.4、前半1000m59.9でスローからの4F戦でL3が11.0ですから、馬場は軽かったと思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤はメイン集団のグラフです。

スタートから1200mまではアリストテレスのラップです、捲ってきたキセキが先頭に立ったのは、残り1000mの標識辺りです。1200~1400mのラップが11.6で、捲ってきたキセキに併せる感じになりましたが、アリストテレスはキセキを追わずにペースを落としました。なのでグラフを見れば一目瞭然ですが、このレースはスローからの3F戦です。コントレイルが勝てた理由はこれでしょうね。

逃げたのはアリストテレス、やや離れた2番手にワグネリアン、シャドウディーヴァ、中段の前からオーソリティ、中段のやや前からシャフリヤール、サンレイポケット。中段からユーバーレーベン、コントレイル、グランドグローリー、中段のやや後ろからウィンドジャマ―、ジャパン。中段の後ろからマカヒキ、ユーキャンスマイル、ブルーム、後方からロードマイウェイ、モズベッロ、ムイトオブリガート、キセキという並びでした。

アリストテレスはスタート五分に出て促しての逃げでした、最低でも2,3番手でレースをするつもりで、逃げも想定していた感じでしたね。スタート良かったのがシャドウディーヴァで、馬なりで2番手に収まりました。ワグネリアンもスタートが良く外から上がってきました、この動きは自身が勝ったダービーを意識した感じの位置取りでしたね。コントレイルとシャフリヤール、オーソリティもスタートが良かったですね。シャフリヤールは1コーナーの入りでシャドウディーヴァと交錯して、手綱を引くシーンがありました。大きな不利ではないですが、運の無さを感じさせる動きでした。

スタートで遅れたのがブルームで中段の後ろからになってしまいました。もう1頭遅れたのがキセキでした、このパターンは十分に考えられたことで、むしろ中途半端に中段に包まれるよりはよかったと思います。2コーナーまで最後方で、向正面で捲って行きました。12.6のラップを捲くって行ったので、自身は11秒台のラップで捲り上がったはずです。3コーナーの入り口で先頭に立ったので、コーナーでの距離ロスはありませんでした。

メイン集団はアリストテレスがコントロールしていました、キセキが捲ってきた時に11.6にラップが上がりましたが、そこからペースを落としてL4まで12秒台で溜めて溜めての逃げでした。アリストテレスの脚質を考えると、キセキのペースに合わせてしまった方が良かったと思います。この辺りは栗東の馬で関東騎手のテン乗りの影響があったと思います。

4コーナーです、キセキが1頭で逃げていて、メイン集団はこの辺りで12.4くらいでした。さすがに遅いと思った騎手が居ましたね、ルメール騎手です。Ⅼ4の段階でワグネリアンに並びかけていました、トップスピードの質ではコントレイルとシャフリヤールに見劣ると思ったのでしょう、目標にされる覚悟で早目に動いた感じです。シャフリヤールがこれに続き、その後ろからコントレイルがスムースでした。

直線L2標識付近です、この地点ではまだキセキが先頭。オーソリティがアリストテレスを交わして2番手に上がり、その後ろからシャフリヤールとコントレイルがスムースでした。シャフリヤールはクビを外に向けて、まっすぐ走れていませんでした。この辺りが神戸新聞杯の反動でしょうか。直線入り口でコントレイルの外には1頭も居ませんでした、前のシャフリヤールを目標にスムースに進路確保、後は追いだすタイミングだけでした。

直線L1標識付近です、ここからは前の3頭の勝負でした。オーソリティ、間にシャフリヤール、外からコントレイル。L1のレースラップは12.2で、これはほぼコントレイルのラップでした。スローからの3F戦にしてはやや遅い感じもしますが、Ⅼ2で10.5くらいを踏んでいるので、L1は3頭ともかなり苦しくなったのだと思います。だからこそⅬ2で決定的に遅れたサンレイポケットが、L1でシャフリヤールにクビ差まで迫ったのだと思います。

シャドウディーヴァがジリジリ伸びていたので、距離は問題なかったはず。L2の10秒台に対応できなかったのは、先行してしまったからでしょうね。グランドグローリーはサンレイポケット同じような感じで、L1で差を詰めてきたので持続力は持っていますね。調教でも素軽い動きを見せていたので、日本の芝にも適性を見せましたね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はコントレイルでした、有終の美を飾って良かったですね(棒読み)。正直言ってちょっと気を使い過ぎじゃないかと思いました、特にゲート入りでは偶数なので後入れですが、その中でもジャパン以外のすべての馬が入ってからと、ギリギリまで待ってからのゲート入りで、「それ、ありなんだ~」と思わず言ってしまいました。これでスタート決めたし、前半からバラけたのでストレスフリーで進め、直線入り口もスムースに外に出して快勝でした。Ⅼ2の10秒台で勝負を決めたのは意外でしたが、スローからの3F戦にしてくれたアリストテレスに感謝ですね。無事に引退できて良かったです。

2着はオーソリティ、前走のアルゼンチン共和国杯と似た展開で、スローからの3F戦でした。さすがにL2の10秒台で苦しくなりましたが、しっかり2着を確保したところに持続力の高さを感じました。前半が遅かったので4F戦、もしくは5F戦になれば1着の可能性もあったかと思うので、今後に期待ですね。

3着がシャフリヤール、1コーナーの入りでシャドウディーヴァと交錯して、一瞬バランスを崩していました。これで少しリズムを崩したのかなと思います。直線でもバランスが悪く、クビを外に向ける感じでまっすぐ走れず、川田騎手も修正に苦労していましたね。この辺りが神戸新聞杯の反動でしょうか。それでもL2の10秒台には対応しているので、本調子に戻して頑張って欲しいですね。

4着はサンレイポケット、調教が良く見えなかったのでどうかなと思いましたが、前走同様に中段辺りからの競馬でしぶとかったですね。L2の10秒台には対応できず、一気に引き離されましたが、Ⅼ1で前が12.2に減速したのをジリジリ差を詰めました。トップスピードの質では見劣りますが、持続力で勝負できるので有馬記念に出てくれば面白いかも。

5着がグランドグローリー、これはよく頑張りましたね。サンレイポケットと同じ位置で直線に入り、同じようにL2の10秒台に対応できず、Ⅼ1で一緒に差を詰めてきました。このレースで引退らしいので、無事に引退できた上に出走手当に加えて3000万円のボーナスを掴みましたら、馬主さんにしてみれば大成功の来日ですね。これでノーザンF辺りが高額で繁殖牝馬として買ってくれれば、万々歳なんでしょうけど。

6着のユーバーレーベンは直線入り口がスムースでなかったですね、内からグランドグローリー、外にブルームが居て挟まれてしまいポジションを下げました。再加速に手間取った分と、L2の10秒台に対応できなかった分で6着まででしたね。7着のシャドウディーヴァは先行したので、末脚が鈍った感じ。距離に目途は立ったので有馬記念に出てきて欲しいですね。アリストテレスは9着、L2標識を過ぎたあたりで一杯になったので、10秒台に入って足が上がってしまいましたね。速いラップを踏んで苦しくなるのは宝塚記念でも見せていたので、道悪待ちかも。

馬券の方はハズレでした、シャフリヤールがピリッとしなかったし、硬い決着で手が出しにくい馬券でした。次回はチャレンジCの予定です、チャンピオンズCはダートなので、印と買い目だけチャレンジCの回顧に書きたいと思います。

コメント

  1. 匿名 より:

    ド下手&嫉妬ワロタ

  2. そだしれいなす より:

    シャドウディーヴァ&アリストテレス父子が貢献しましたね。
    コントレイルも応援してないわけじゃないけど
    こういう勝ち方で男泣きは白けるのが本音(´・ω・`)

    • みやや より:

      そだしれいなすさん、こんばんは~。あのゲート入りは福永騎手の執念だと思って、今後に期待しましょう。
      力はあるから、普通にゲート入りしても良かった気がしましたけどね。