2022年キーンランドC 回顧。1200mらしからぬ展開。

走破時計1:09.1    前半600m34.5   上がり3F 34.6

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日に散水をしなかったので、かなり乾いて含水率は11.2%と11.6%、クッション値は8.1で標準に入ってきました。先週とは違う馬場になった土曜日と同じような感じで、前も残れるし後ろからも届く馬場でした。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年函館SS、緑は2022年春雷S、黒は2021年TVh杯のグラフです。

この4レースのグラフはヴェントヴォ―チェが出走したレースのものです。後半を見ると一目瞭然で、後半で加速ラップを踏む展開では好走、と言うか勝ち切っています。しかし前走の函館SSでは消耗戦になって2番人気で7着、グラフにしませんでしたが、2022年北九州記念でも消耗戦で4着、2021年オパールSではL2で0.1だけ加速するラップでしたが、5着に凡走しています。

なのでヴェントヴォ―チェは生粋のスプリンターではなく、恐らくマイラーだと思います。中緩みのあるラップ推移で、速い上がりを使うのがこの馬の特徴だと思います。今回も上がり3Fが34.0で上がり最速、上がり3F2位のエイティーンガールが34.3ですから、いかに速い上がりを使ったか分かりますね。スプリンターズSでルメール騎手が乗れば、結構人気になると思うので、喜んで切ろうと思います。

逃げたのはオパールシャルム、2番手にヴァトレニ、中段の前からジェネラーレウーノ、レイハリア、中段のやや前からウインマーベル、マイネルジェロディ、トウシンマカオ、シゲルピンクルビー。中段からビリーバー、マウンテンムスメ、ジュビリーヘッド、ロードマックス、中段のやや後ろからメイショウミモザ、中段の後ろからヴェントヴォ―チェ、後方からエイティーンガールという並びでした。

逃げたのはオパールシャルム、スタートは五分で促して先頭へ立ちドンドン減速して中緩みを作りました。江田騎手は距離を間違えているのかと思いました、それくらい遅いペースで、良馬場の1200m重賞とは思えないペースでした。江田騎手だけの責任ではなく、スタートが抜群に良かったレイハリアも、なぜかオパールシャルムを待ってしまい中段の前、オパールシャルムのペースを容認してしまいました。この影響でトウシンマカオはやや掛かり気味でしたし、最後方からになったエイティーンガールも掛かていました。

ヴェントヴォ―チェはスタートで狭くなりましたね、シゲルピンクルビーが外へ流れたことで、マウンテンムスメとジュビリーヘッドに挟まれ、初手の位置取りは後方2番手でした。ここから3コーナーにかけてリカバリーします、なぜか内がポッカリ空いていたこともあり、4コーナーでは先頭から3頭目の最内に居ました。ジュビリーヘッドはスタート五分から、2F目で3頭分ほど下げて行ったので、横山和騎手はこの馬の特徴をどのように理解しているのか疑問です。

4コーナーです、最内を回したヴァトレニが距離ロス0で先頭に立ちます。この地点でジェネラーレウーノが苦しくなり下がっていきます、これをルメール騎手が上手く捌いてスムースだったのがヴェントヴォ―チェ。オパールシャルムが外へ流れたことで、ウインマーベルの前はクリアでした。

この地点までのL4とL3は中緩みになっていて、一気に馬群が凝縮します。レイハリアがオパールシャルムの外に出したので、トウシンマカオ、ロードマックス、メイショウミモザはかなり外を回していました。エイティーンガールは距離ロスを嫌ったように、中目を回していました。

この中緩み区間でトウシンマカオは、先捲りに行っても良かったと思いました。恐らく先捲りに行くことも、川田騎手の頭にはあったと思いますが、1着を優先した結果動かなかったのではないかと。先捲りに行けば先頭には立てたと思いますが、目標にされて差される可能性が高いと思うので、勝ち切ることを優先したのではないかと。もし川田騎手がこういう判断をしていても責められません。

直線L1標識付近です、最内からヴァトレニが抜け出し、ウインマーベルが並び掛けてきます。この間からヴェントヴォ―チェが抜け出し差し切りました。ウインマーベルよりも2㎏重かったことを考えても、ヴェントヴォ―チェのトップスピードの質と、スピード持続力が光りました。トウシンマカオは4コーナーから直線入り口で大きく外を回して、直線入り口ではマイネルジェロディの後ろ、先頭から5,6馬身は離されていたと思います。ここから追い込んできましたが、元々トップスピードの質は高くないので、届かず4着まででした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はヴェントヴォ―チェ、この馬の勝ちパターンに勝手になってくれたので、ルメール騎手は笑いが止まらなかったでしょうね。スタートで狭くなった以外は、リカバリーする時に内がポッカリ空いているし、4コーナーでジェネラーレウーノが下がってきても、他馬が外へ行ったことでスペースが有り、直線も前がポッカリ空いていましたからスムースでした。グラフでも説明したように、消耗戦は良くないので生粋のスプリンターとは思えません。次走1200mで凡走して、人気を落としたマイル戦で狙いたい馬ですね。

2着はウインマーベル、休み明けを不安視しましたが、この展開で2着は高評価ですね。前走の葵Sではハイペースバランスを中段から差し切って圧勝していますから、この馬は展開の幅が広い馬ですね。この感じだと1200mでスムースなら、安定した成績を出しそうです。ヴェントヴォ―チェ程ではありませんが、上がり3Fはトウシンマカオと同じ34.5、トップスピードの質はまぁまぁの物を見せたので、今日くらいのポジションが取れれば今後も楽しみ。

3着はヴァトレニ、3,4コーナーで最内からロスなく進めたので、スムースに先頭に立ちましたがトップスピードの質では見劣りましたね。この馬は前走が初の1200mで34.0-34.6のややハイペースバランスで、ほとんど平均バランスくらいでした。今回も平均バランスなので、ハイペースバランスに対応できる心肺機能を持っているかどうかは未知数ですね。今後の1200m戦では、この心肺機能がポイントになりそうで、現状では判断が付きません。

4着がトウシンマカオ、過去のこのレースでは外枠が好成績でしたが、今日に限っては外枠が仇となりましたね。先捲りに行かなかったのは、川田騎手の考えが想像できるので責められませんし、この展開で4着はむしろ立派で、このクラスでも通用すると思うので、今後に期待ですね。

5着はオパールシャルム、前走も平均バランスで勝ち切ったので、まぁこれで良いのでしょうね。ただこれで5着では重賞では苦しい感じですね。

ジュビリーヘッドは7着、予想の段階で書きましたが、横山和騎手は近2走でも先行していませんから、予想通り引いてしまい届かないポジションでした。どこかでこれを改めないと、継続騎乗では買えませんね。エイティーンガールは6着、休み明けで伸びがイマイチでしたが展開も合いませんでしたね、一叩きされた次走は期待できると思います。ロードマックスは3,4コーナー大外を回していますし、直線入り口でエイティーンガールに前をカットされたので、この展開では苦しかったですね。

馬券の方はハズレ、無印のヴェントヴォ―チェに勝たれてしまい、流れが悪いです。次回はセントウルSの予定です。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    お疲れ様です。
    >ジュビリーヘッドの横山和騎手には怒りを覚えますね~。

    これホンマですよ!まずまずの切り出しからあえて不利な位置にからの馬群に揉まれる。。先生の全頭評価のままだったのが凄いですww

    >この馬はトップスピードの質で勝負するタイプではないが、横山和生騎手が中段やや前に控えてしまうので、展開次第では差しが届かない可能性もある。

    トウシンマカオはまだ保った感じでウインマーベルもよかった(´・ω・`)
    (今思ったがウインだから買ったのではない)

    次もまた、ジュビリーヘッドの取捨選択に迷うことになるのだろうか…(錯乱)