走破時計 1:57.5 前半1000m 58.6 上り3F 34.4
馬場状態は良馬場、10Rの弥彦特別2勝クラス1800mで1:47.5ですから、高速馬場ではないですね。このレースは前半1000mが61.7とかなりのスローペースでしたから、勝ち馬の上がり3F33.7は速くはないと思います。標準的な馬場だったと思います。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回のレースラップ、赤は2019年鳴尾記念のラップです。
ブラックスピネルが刻んだラップでしたが、今回はスタート後の2F目がかなり速いですね。この速過ぎるラップが後半の粘りに響いたのかもしれません。それでも4着なのでほぼ平均バランスを刻んだ今回ペースは、ブラックスピネルには悪くないペースだったと思います。今回のレースでは58.6-58.9というほぼ平均バランス、正確には0.3のハイペースバランスで心肺機能が問われています、レイエンダの失速はこれが原因でしょうね。
逃げたのはのブラックスピネル、2番手にクラウンディバイダ、クリンチャーがスタート良く3番手に、外からセンテリュオ、内からジナンボーと続きます。中段からサトノワルキューレ、レイエンダ、ダイワキャグニー、サトノキングダム、ケントオーとダッシングブレイズが外目、中段の後ろからフランツ、ユーキャンスマイル、カヴァル、ゴールドサーベラスがじわっと上がって行きました。後方からアクート、ショウナンバッハ、カデナは最後方まで下げたことで外に出せましたね。
ブラックスピネルのペースはちょっと意外で平均やや速いペースでした、松若騎手が分かってやったのかそれとも偶々馬に任せたらこのペースだったのか・・・。この辺りはよく分かりませんが逃げという戦法を嫌っていた音無調教師ですが、最近は戦法の幅を広げてきた感じですね。2F目で10秒台に入ってしまったのはやや速過ぎましたが、中盤で中緩みを作ったことも含めて上手く乗ったと思います。
ジナンボーはスタートが良かったのですんなり先行出来ましたね、今まで平均バランスやハイペースバランスの経験がなかったので、心肺機能は不安でしたがしっかり粘り込んだの、心肺機能は十分高いと思います。こういうレース条件が上がって良さが出るタイプはいますね、下級条件ではスローバランスで良さが出ないことがあります。
アクートは走る気が無かったような感じでスタートは良かったのに、下げてしまって後方からでしたね。同じくフランツとカヴァルもスタートは良かったが下げてしまいました、心肺機能が未知数な馬でしたから、ここまで流れてしまうと前に付けるのはためらってしまうでしょうね。
4コーナーから直線入り口です、ユーキャンスマイルがコーナーワークで前に取り付きました、フランツの後ろに居ましたがここで横迄並びかけてきます、このコース取は良かったですね。レイエンダはジナンボーとセンテリュオの挟まれてやや狭くなりました、この影響は大きくはなかったはずで前半のペースが速かったための失速だと思います。
直線に入ってブラックスピネル以下がジリジリと外に進路を取ります、ジナンボーミルコはクリンチャーを使う動きで空気抵抗を抑えていました。もう一人いい動きをしたのがカデナの武藤騎手で、4コーナーでは12秒台のラップを踏む中で、中段に取り付く動きをしてきました。ここで上手く外目に誘導できたことで直線の伸びに繋がりましたね、L4で11秒台に入れられていたら外を回した分一杯になって凡走していたかもしれません。
直線L2付近です、クラウンディバイダが最内を選択した以外は、すべての馬が大きく内を空けています、この辺りでクリンチャー、ダイワキャグニーが一杯になります。サトノキングダムがじわっと上がりましたがここからはトップスピードの質で見劣り伸びませんでした、動き自体は悪くなかったのでもう少し前のポジションから、早目に動く競馬の方が合っているのではないでしょうか。
直線L1標識付近です、ここでユーキャンスマイルがブラックスピネルを捕まえます、この辺りは心肺機能と持続力に加えてトップスピードの質もまぁまぁの物を持っているユーキャンスマイルらしい動きでした。ただこの辺りで手前を替えたのかフラフラし始めます、パトロールビデオを見て欲しいのですが、ブラックスピネルの前に出たあたりで大きくバランスを崩します、その後はジナンボーめがけてドンドン外に寄れて行きました、L1で12.0まで落ちるラップだったので勝ち切れましたが、L1まで11秒台を維持するような東京のG1ではやや不安が残りますね。
ジナンボーが心肺機能と持続力を生かして2着に、サトノキングダムはL1まで踏ん張っていましたが一気に失速、心肺機能の問題なのか1F長いのかどちらかでしょう。カデナが大外から伸びましたが、如何せん前半のポジションが悪過ぎましたね。トップスピードの質はまぁまぁの部類なので、ユーキャンスマイルに33.6の上りを使われただけでなく、ジナンボーも33.9ですから届きませんでした。枠が内目でしたから、早目に最後方まで下げて外に出す作戦は悪くなかったと思います、今回は枠順の運が無かったですね、持続力は見せているのでスムースに運べる展開なら軽視できません。
では1頭ずつ見て行きます。
1着はユーキャンスマイル、中段の後ろからでしたが4コーナーで最内を回して中段の前に取り付くコース取は良かったですね、ここから3Fで上がり1番時計ですから持続力の高さを見せました。ダイヤモンドSでもまぁまぁのトップスピードと持続力を見せていたので、この距離でしっかり追走して末脚もしっかり繰り出せたのは、今後に向けて大きな収穫になりましたね、心肺機能はつばき賞で見せていますから、レースレベルが上がっても十分対応できそうです。ジャパンCで狙ってみたいかな~。
2着がジナンボー、やっと良血馬らしい結果を出してきましたね、ここから飛躍して欲しいものです。今回はスタートが良かったのですんなり先行出来ました、ペースを考えれば心肺機能は評価していいと思いますし、トップスピードの質は高くはありませんが持続力は見せましたね。クラスが上がって心肺機能が問われる展開で良さを見せる辺り、力のある証拠なので今後も期待できそう。
3着がカデナ、枠がね~・・・、外目の枠に入ればあそこまで下げることはなかったはずで、もっと楽な競馬が出来たと思います。4コーナーで上がって行った判断はとても良かった、中緩みの12.0を踏んでいるラップですから、外から上がって行っても大きな影響はなかったですね。いつもこういうレースが出来れば武藤騎手は成績が上がると思いますが…。
4着がブラックスピネル、2F目の10.9が速過ぎましたね、あれが無ければ3着はあったかもしれませんが、平均バランスでの逃げに持ち込んだペースは良かったと思います。この馬は中段以降からでも差してこれるだけのトップスピードの質と持続力を持っている馬ですが、逃げてしまった方が成績が安定しますね。G3までなら勝負になると思いますが、トップクラスはこのペースからもう一足使ってきますからね~、G3で出し入れする馬かな~。
5着がフランツ、休み明けの影響もあったと思いますが、距離も1F長いのかな~。スタートで煽ってしまうこともなく上手く出て中段の後ろから、直線入り口ではユーキャンスマイルのすぐ横に居ましたから、この5着は印象悪いですね。但馬Sが2000mであまり良くなかったように距離もあるのかな~。小柄な馬で体重変動も良くなかったのかもしれませんね、プラス体重では2-0-0-0、マイナス体重では0-1-0-2ですからここは覚えておきたいですね。
馬券の方はレイエンダの覚醒に期待して惨敗でした。2,3番手に評価した馬がきっちり1,2着に来ているので、もう少し広い網で狙った方が良さそうです。