走破時計 2:00.5 前半1000m 61.4 上がり3F 35.5
まずは馬場状態ですが良馬場でした、金曜日の時点で含水率が上がりましたが、土曜日には有馬記念の日と同じような含水率に戻りました。クッション値は下がったままだし、12RのファイナルSが3勝クラスのマイル戦で1:34.3なので、標準的な良馬場でしたね。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤はアイビーSのグラフです。
このレースは向正面でファウストラーゼンが捲ったので、スローからの4F戦になっています。前半の1000mが61.4とかなり遅い割に、上がりが掛かっています。なので馬場が結構重かったんでしょうね。速い上がりを求められず、パワーと持続力が問われたレースだったと思います。
クロワデュノールはオーソドックスなレースをして、馬群の外目からスムースに差し切りました。この馬自身はスローからの4F戦で、今回に関してはトップスピードの質は問われませんでしたね。東スポ杯では速い上がりを見せていますから、バランスの取れた能力を見せましたね。
驚きなのがファウストラ―ゼン、捲り一発で局面を変えて粘り込んでしまいました。この馬自身は前半スローで、後半5F戦をやっていますね。強烈な持続力を見せていますが、今回は後半1度も11秒台の前半に入っていません。なので馬場状態からも速いラップを問われない時に、パワーと持続力を生かして粘り込むタイプなんだと思います。ずばり重馬場待ちですね。
期待したピコチャンブラックは13着でした。赤のグラフはピコチャンブラックが2着、マスカレードボールが1着だったアイビーSのものです。距離とコースが違いますが、レースレベルはアイビーSの方が上でしょう。にもかかわらずピコチャンブラックは3コーナーに入ってすぐ手応えが悪くなりました。なので能力不足ではなく、体調面の問題の可能性が高いと思います。
逃げたのはジュンアサヒソラ、ジェットマグナム、ピコチャンブラック、ショウナンマクベスが先行。中段の前からマジックサンズ、クラウディアイ。中段のやや前からジュタ、ジョバンニ。中段からアスクシュタイン、クロワデュノール。中段のやや後ろからレーヴドロぺラ、ヤマニンブークリエ。中段の後ろからマスカレードボール、アマヒキ。後方からデルアヴァ―、リアライズオーラム、ファウストラ―ゼン、アリオーンスマイルという並びでした。
スタートが遅かったのはデルアヴァ―とレーヴドロぺラで、それ以外の馬は五分に出ましたね。ジュンアサヒソラが押して押して逃げました、この動きから逃げる気満々だったんでしょうね。その割に前半は速くならずに、落ち着いたペースで隊列もすんなりと決まりました。
クロワデュノールは内へ入れずに、馬群の外へ持ち出しました。内に閉じ込められることを嫌ったんでしょうね。距離ロスを考えても、スムースなレースをすれば勝てる確信があったんでしょう。ピコチャンブラックはやや掛かっていましたね。
4コーナーです、向正面でファウストラ―ゼンが捲り、ジュンアサヒソラと並んで先頭に上がりました。この2頭から3馬身程離れてジェットマグナムとクロワデュノール。ピコチャンブラックが3コーナー入り口から苦しくなり、4コーナーではジリジリと下がっていきました。ジョバンニは最内でスムース。
直線L1標識付近です、ジュンアサヒソラが苦しくなりファウストラ―ゼンが先頭、クロワデュノールが先頭に並びかけました。ジョバンニは直線入り口で、ショウナンマクベスが外へ流れたスペースを使って上がって来ます。
ここからクロワデュノールが突き放して1着。ファウストラ―ゼンが粘りましたが、ジョバンニがジリジリ差を詰めて差し切り2着。ファウストラ―ゼンはよく粘って3着でした。4着のジュタも差を詰める出なく、差が開くでもなく流れ込むようにゴールしました。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はクロワデュノール、外連味のないレースをして、しっかり勝ち切った。そんな感じのレーで、凄く強いな問い感じはしませんでした。もちろんまだ底を見せていないだけだと思うので、この世代のクラシックに関しては中心になる存在ですね。東スポ杯でトップスピードの質、今回はパワーと持続力を見せたので、かなり完成度が高い感じですね。
2着はジョバンニ、レースが上手いですね。一番楽なレースをしたのがこの馬で、終始最内でロスなく乗れたし、直線入り口でスムースに抜け出せた。この操縦性の良さが最大の武器ですね。掛かることもなかったので気性の不安もないし、パワーと持続力も見せました。トップスピードの質が問われた時に脆さが出そうですね。
3着はファウストラ―ゼン、前半が遅かったので捲りが決まりましたね。ラップタイムが12.7まで落ちたタイミングを見逃さなかったのか?たまたまなのか分かりませんが、この馬自身は11秒台のラップを4F、L1は12秒台に入ったはずですが、それでも12秒台の前半だったはずで、高い持続力とパワーと見せました。今後も同じことができるかは未知数ですが、強烈な飛び道具を持っていることは確かですね。スタート五分に出ましたが、挟まれたことで下がってしまいました。ただ挟まれても気持ちが切れなかったので、メンタルの強さも持っていますね。
4着はジュタ、初手の段階ではクロワデュノールのすぐ前に居ました。3コーナー手前でクロワデュノールが上がった時は付いて行かず、3コーナーに入ってからジリジリ上がって行ったので、この馬自身は4Fくらいの持続力を見せました。ファウストラ―ゼンを差せなかったので、スピードがやや足りなかった感じですね。
5着はクラウディアイ、ジュタと同じような位置に居て、3コーナー手前でも同じように動かず。3コーナーに入ってからジュタを追いかけるように上がって行きましたが、結局流れ込むだけでした。パワーと持続力は持っていますが、スピードが足りない感じですね。
馬券の方はハズレ、ピコチャンブラックは体調面だと思いますが、2歳のこの時期では敗因はよく分かりませんね。このレースはレベルが高いのかどうかよく分からないので、この世代の勝負付けはまだまだこれからですね。次回は2025年AJCCの予定です。