2019年NHKマイルC 回顧。マイルならダイワメジャーてことですね。


走破時計1:32.4 前半800m通過45.8 上り3F34.6

まず馬場状態から、乾いちゃいましたね。内ではなく外が伸びる馬場になってしまって予想とは大きく違いました、完全な高速馬場まで回復していました。9Rの湘南Sで1:32.6、勝ち馬の上りが33.2でしたから軽い高速馬場ですよね~、良く乾いたものです。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今年、赤は2014年ミッキーアイルが逃げ切り勝ちの時のもので。どちらも浜中騎手が逃げているのですが、今年のペースがいかに無謀か分かりやすいラップですね。

今年は高速馬場とは言え前半800m45.8、後半が46.6なのでハイペースバランスでイベリスには苦しい展開です、2014年は46.6-46.6の平均バランスですから馬の特性を考えればいいペース。ではなぜ今年L2で10.4なんていう無謀なラップを踏んだのか、逃げることだけ考えていたからでしょうね。馬の特性を考えて勝たせるのではなく、とにかく逃げなら逃げしか考えないという狭さがこういうラップになるのでしょう。

展開予想をやっている身としてはペースは想定できませんね、騎手の頭の中までは予想できませんから、自滅するラップを踏むなんて考えもしませんでした。まぁこれが豊騎手は川田君、松山君ならこんなラップにはならないと思うので、逃げる騎手によって不確定要素の大小を調節する必要がありそうです。

逃げたのはイベリス、クリノガウディ―とプールヴィルが並びかけてきたので、L2で何が何でも先頭に立つラップを踏みましたね。クリノ、プールヴィルが控えて2,3番手。1,2馬身空けてグランアレグリア、その内にダノンチェイサー、外からワイドファラオがグランの外まで上がりすぐ後ろにトオヤリトセイト。グルーヴィット、ヴァルディゼール、アドマイヤマーズ、最内にマイネルフラップ。カテドラル、ファンタジストまでが中段。後方から最内に入ったヴィッテルスバッハ、ロードグラディオ、ケイデンスコールはファンタジストを見る位置、ハッピーアワー、ミッキーブラックという並びでした。

3コーナーで動きがありましたね、ダノンチェイサーがグランアレグリアと位置を入れ替えました、川田君は前に行っている馬を見て壁が出来る可能性を考えたのだと思います、実際前に行った馬は直線で壁になりましたからね。この辺りの判断は川田君の上手さですね。アドマイヤマーズはハイペースバランスで無謀なペースになったことで、スタートの悪さが逆に良い結果になりましたね、3,4コーナーで11.9、12.0と緩んだところで無理なく取り付けました。ミルコの不調も回復しそうな感じでしたね。

4コーナー出口です、3,4コーナーで11.9、12.0と緩んだことで馬群が凝縮しています、イベリスは速い上がりを使えない馬にも拘わらず、緩めてしまうところからも浜中騎手のペース判断の不味さを感じますね。直線入り口では前に行った組がずらっと並んで壁を作っています、グランアレグリアはワイドファラオの内へ行こうとしますが、ワイドファラオがフラフラしていてコースが無くなります。川田君はこれを予想して一旦下げるリスクを取ってグランの外へ誘導したんでしょうね、先行馬が信用できないことと馬場の良い外をスムースに走らせる思惑だと思います。

アドマイヤマーズは3,4コーナーでスムースに取り付きスムースに直線を迎えましたね。ケイデンスコールも前半のハイペースに巻き込まれずに後方から外に回します。ヴィッテルスバッハのコース取りは不可解でしたね、外伸びの馬場にもかかわらず道中もスッと最内に入れてしまう、直線もインコースを狙ってコースが無く凡走ですから、何をしたかったのでしょう。

直線の残り400m付近です、ここで一悶着ありましたね。ご覧の通りコースの無くなったグランアレグリアがダノンチェイサーにぶつけに行って進路確保を狙います、ダノンは外のアドマイヤマーズとの間に挟まれてバランスを崩していました。これでルメール騎手は5/26まで騎乗停止です。流石にこれはダメですね、皐月賞の時とはわけが違いますし危険度も格段に大きいので、しっかり反省して戻ってきて欲しいです。

プールヴィルとワイドファラオの間にコースを取ったのがカテドラルのアブドゥラ騎手、上手かったですね。コースが空くまで我慢しているので1着は苦しいタイミングでしたが、良く伸びたと思います。ケイデンスコールは外からスムースでした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はアドマイヤマーズ、勝つ時って全てが上手く行くんですよね、出遅れてしまったことさえ優位に働きましたからね。ハイペースに巻き込まれずに、3,4コーナーで緩んだところを馬なりで取り付いて直線スムース、ミルコの疫病神もようやくどこかへ行ったのでしょうか、そんな感じの1着でした。元々ハイペースバランスでもやれる馬で、皐月賞も平均バランスでかなり流れていた、これをL1までは踏ん張っていたので能力は見せていましたね。ミルコの不調とみややの馬場読みの間違いでXの印でしたが、普通に走ればこうなりますよね。前が緩めたL5,L4でも11.6くらいのラップを踏んでいるはずで、自身は淡々としたペースを刻むリズムの良い走りが出来ていました、L4から取り付く勢いでL3に入っているので瞬発力は問われていない、持続力だけを生かすレースに出来たことが大きかったですね。

2着はケイデンスコール、この馬も中段の後ろから前半のハイペースに付き合わなかった、その上で中緩みで楽に取り付いて直線スムース、グランとダノンがつぶし合っている隙にと言っては何だけど、良い伸びをしていました。新潟2歳Sや毎日杯でトップスピードの質と持続力は見せていたので、この結果はフロックではなく実力ですね。もちろん展開に左右される馬なので安定性はないと思いますが。

3着はカテドラル、この馬も中段の後ろから前半のハイペースに付き合わなかった、その上で中緩みで楽に取り付いて直線、進路が上手く空いたな~というのもあるが、L1で一気に来た持続力はハーツ産駒の特徴ですね。前走の感じからもマイルで良さを見せてきているので、距離が長くなると良くないかも。

4着(5着入線、繰り上げ)はダノンチェイサー、ほとんど書いてしまいましたが、スムースなら1,2着だったのではないでしょうか。掛かることもないし3コーナーでグランとポジションを入れ替えた操縦性の良さも今後の武器になりそう、2000mまでは持ちそうですね。

5着(4着入線、降着)はグランアレグリア、ルメール騎手らしからぬ騎乗でしたね、自ら前に壁を作ってしまう騎乗でダノンに体当たりまでしてしまうとは。この馬は伸び伸び走った方が良いのは桜花賞と朝日FSではっきりしているので、今日みたいに外から来られるのを嫌がりますね。

6着がヴァルディゼール、前走詰まって大敗したのが余程堪えたのか、誰かにきつく叱られたのか知りませんが柄にもなく外目を回して届かない。いつも通り内からレースをすればカテドラルの伸びを考えても3着はあったのではないでしょうか。慣れないことはしなさんなってことですね。

馬券の方は馬場の予測が正反対で話になりませんでした。