2020年朝日杯FS 回顧。フランケル産駒らしい持続力。


走破時計1:32.3レコード    前半800m45.2  45.2-47.1ハイペースバランス

良馬場  含水率 ゴール前 10.1%  4コーナー 9.3%(5:00)

クッション値 10.2 やや硬め(7:30)

まずは馬場状態ですが良馬場でした。9RサンタクロースHCが3勝クラスのマイル戦で1:32.6、前後半のバランスは45.3-47.3のハイペースバランスでした。上り3Fは勝ったトリプルエースが33.7,最速はナイトバナレットの33.3です。ペースを考えるとかなり速い上がりを使っていますね。この原因は直線の含水率が下がったからでしょう、この時期の阪神の傾向がはっきりしたというか、当日になってみないと分からないということがはっきりしましたね。風向きによってこうも変わってしまうと、前日に馬場状態を予想するのは難しい、恐らくスタンドの影響だと思うので、南風の時は含水率が上がり、北風の時は含水率が下がる、大雑把にこんな感じでしょうか。

全体としても高速馬場で、最内よりも内から2,3頭目あたりが荒れも少なく、走りやすかった感じですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は今年のマイルCS、緑は2020年阪神JFのラップです。

ルメール騎手が逃げて前半800m45.2、当然ハイペースバランスですがこれは馬場を考えてのものでしょうね、ルメール騎手はこの馬の特性をよく理解して乗っていますね、前走も平均バランスを先行して押し切りですから、トップスピードの質で勝負したくなかったんでしょう、直線入り口でリードを保っていれば逃げ切れるという考え、最後にL1で垂れてしまいましたが、負けたとはいえ文句を付ける隙もない騎乗でした。

逆に?マークがついたのがホウオウアマゾンの松山騎手ですね、持続力勝負の馬で差し損ねて凡走、松山騎手自体も差し・追い込みでは良くないので、人馬揃って苦手な展開になりました。スタートでバランスを崩してリカバリーできず、これを松山騎手のせいにするのは酷ですね~。もう一人、池添騎手にも驚かされました、スタート五分に出ていたのでてっきり先行するかと思いきや、よもやの最後方という横山典騎手と馬を取り換えたのかと思いました。挙句の果てに上がり最速を披露して、馬券を買ったファンの傷口に塩を塗り込むという暴挙。買った私が悪いのですが、昨年は買わずに馬券を破り捨てられ、今年は買ったのに馬券を破り捨てられた挙句に、捨て台詞まで吐かれた気分です。

勝ったグレナディアガーズはL2標識付近で4,5馬身の差があったはず、これをL2だけで詰めてきたので、自身のL2は11.0くらいでしょうかね。下り坂区間とは言え自身もハイペースバランスに入っていたはずで、これでL2を11.0くらいを叩き出して出し抜き、ここで勝負を決めてしまいました。メイン集団も中緩みは出来ていないはずで、これを先行して押し切りということは相当な心肺機能を見せたと思います。

逃げたのはモントライゼ、離れてブルースピリット、更にやや離れてメイン集団の前からショックアクション、グレナディアガーズ、バスラットレオン。中段やや前にホウオウアマゾン、レッドベルオーブ、ドゥラモンド。中段からステラヴェローチェ、ロードマックス、ビゾンテノブファロ、中段やや後ろからジュンスカイブルー、アスコルターレ、中段の後ろからスーパーホープ。後方からカイザーノヴァ、テーオーダヴィンチ、という並びでした。

逃げたのはモントライゼ、前半800m45.2でハイペースバランスにしてきました、高速馬場とモントライゼの能力を考えてのペースで、さすがはルメール騎手ですね。ブルースピリットはスタートを懸念しましたが、抜群のスタートを決めてモントライゼを行かせて2番手、単騎の2番手だったので良いポジションでした。ショックアクション、グレナディアガーズ、バスラットレオンは想定通りスタート五分から先行策。ホウオウアマゾンはスタートでバランスを崩し、リカバリーにも手間取り中段辺りまでで精一杯。

外から来られて中段になったのがレッドベルオーブ、スタート不安の有ったドゥラモンドはやや遅れましたが、リカバリーして中段辺りまで上がりましたね。そしてゲート入りでヒラヒラしていたステラヴェローチェは、ゲート内でも煩かったのですが、大きく遅れることなくスタートを切って中段を確保しました。全く出して行かずに後方になったのがカイザーノヴァ、スタートは五分に出ていますが池添騎手は全く促さずに控えてしまいました。

4コーナーです、ラップグラフを見てもらえば分かる通り、中緩みはありませんからメイン集団も縦長です。モントライゼは5馬身程のリード、ブルースピリットがメイン集団を率いる形で、勝ったグレナディアガーズはブルースピリットの外でした。詰まること考えて早目にコースを確保した川田騎手の好騎乗ですね。ホウオウアマゾンは松山騎手が促していますが、この地点は下り坂に入っていて前もスピードを上げていますから、ポジションを上げられませんでした。レッドベルオーブは中目をスムースに回し、ステラヴェローチェは最内で距離ロス0でした。

直線L2標識付近です、この地点でもモントライゼとグレナディアガーズは4,5馬身の差があったはずです。レッドベルオーブはホウオウアマゾンの外に出し、ステラヴェローチェはドゥラモンドの後ろに居ました。ここからステラヴェローチェは一気に内へ進路を取ります、内がポッカリ空いていたので、スペースはたっぷりありました。ショックアクションが下がって来ますが、上手く捌いて伸びてきます。勝ったグレナディアガーズはこの区間だけでモントライゼとの差を詰めます、自身は11.0くらいのラップでこれに対応できたのは、ステラヴェローチェだけでした。

直線L1標識付近です、ここでモントライゼがグレナディアガーズに交わされて一杯になります、丁度L1標識付近ですから距離適性が出たのでしょう。レッドベルオーブが外からジリジリ、ステラヴェローチェは内へ行った分のロスがありながら、レッドベルオーブよりもスピードがありました。バゴの産駒らしくというか、L1の坂部分でも減速率が低い感じで、パワーの高さを見せましたね。

他馬は流れ込むだけで目立った足色の馬は居ませんでした、ショックアクションは一杯になり凡走。ドゥラモンドとホウオウアマゾンも流れ込むだけ。ロードマックスもL2ではレッドベルオーブに食い下がりましたが、L1では見劣ったので距離適性の可能性がありますね。カイザーノヴァは後方から上がり最速、もちろん届くはずもなく勝負にはなりませんでしたが、ここで上がり最速を見せるなら先行して欲しかったですね。

では1頭ずつ見て行きます。

1着はグレナディアガーズ、自身もハイペースバランスを先行して、L2で瞬発力とトップスピードの質を見せて勝負を決めてしまいました。L2は下り坂ですから、平坦や上り坂でこれが出来るか、ここが課題ですね。中京の未勝利戦でL2の坂区間で一杯になりましたから、もしかしたらパワーが低いのかも。心肺機能は高いものを見せたし、今後も楽しみですね。

2着はステラヴェローチェ、直線では中目から最内へ進路変更してしっかり伸びました、首が高い走法からトップスピードの質を疑いましたが、ミッキースワローと同じで全く不安なし、むしろL1の登坂区間でもグイグイ上がってくるパワーと持続力を見せつけました。ゲート入りでヒラヒラしたり、ゲート内で煩かったのでスタートは不安定と考えておいた方が良いでしょうね。

3着はレッドベルオーブ、中段辺りから進めてスムースでしたが3着まで、直線ではすぐ後ろに居たステラヴェローチェが、進路変更するロスがありながら1馬身半離されているので、少し物足りない結果でしたね。特にL1部分でステラに離されているので、パワーの問題かな~。

4着はバスラットレオン、坂区間に入って明確に見劣ってしまったので、平坦コースで再度評価したいですね。まぁ京都がないので小倉、この馬が好走しているのは札幌なので、平坦コース待ちかな~。

5着はブルースピリット、距離不安があった割にハイペースバランスを5着に粘っているので、今日はかなり馬場が軽かったはず。特に直線部分は含水率が下がっていたので、5着に粘れた要因は馬場ですかね~。

ホウオウアマゾンは9着、トップスピードの質で完全に見劣りましたね。休み明け2走目でプラス体重でしたし、調教でもバランスイマイチ、加えてスタートでもバランスを崩すなど、今回は噛み合わない負け方でした。ショックアクションは13着、休み明けの分でしょうね。

馬券の方は馬連だけ、それでも5000円といい配当だったので、トリガミは回避できました。来週は今年の総決算です、皆さん頑張りましょう。