2023年天皇賞(秋) 回顧。藤岡佑騎手は斜め上を行く。

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走破時計 1:55.2    前半 57.7  上がり3F 34.7

まずは馬場状態ですが良馬場でした、スーパーレコードが出ているので超高速馬場ですね。金曜土曜と散水しているし、日曜日の朝方雨も降ったので含水率はやや上がりました。8Rの本栖湖特別が2勝クラスの2400mで2:22.8ですから、クラスを考えても相当速いタイムです。天覧競馬へ向けて超高速馬場に仕上げてきた感じですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年大阪杯、緑は2023年札幌記念、黒は2023年大阪杯、黄色は2022年金鯱賞のグラフです。

藤岡佑騎手は想像の斜め上に行きますね、驚きました。ノースブリッジが出して行かずに、ガイアフォースが控えてくれた段階で緩めるかと思いましたが、全く緩めることなく同じラップ推移で、一本調子のペースで逃げていきました。この馬は決して心肺機能が高い訳ではなく、前半はゆったり入りたいタイプですね。

2022年大阪杯は2F目で10.3という速いラップを踏んで自滅、2023年札幌記念も逃げ争いに巻き込まれて、洋芝で2F目10.9で苦しくなりました。2023年大阪杯の2F目は10.9ですが、高速馬場だったこともあり問題になりませんでしたね。それでもラスト1Fは12.5まで落ちていますから、苦しいことは苦しいんですよね。強かったのが2022年金鯱賞で、スローからのロンスパで圧勝しました。

今回は2F目に入った時点で先頭に立っていましたから、ペースを落とすことはできたはずですが・・・。昨年のこのレースで酷い騎乗をしてかなり叩かれたので、とにかく逃げればいいと考えたんでしょうね。それにしても単騎の逃げ体勢で、このパターンは考えられませんでした。

イクイノックスは中段の前、目視手動計測ですがイクイノックス自身も58秒台前半で1000mを通過したはず。そうするとイクイノックスは後半1000mを57秒台前半で纏めていると思います。元々持続力は高いものを見せていますが、今回は異次元の持続力を見せてきました。

逃げたのはジャックドールでスタートは五分くらい、やや促しながら内に切り込み、イクイノックスの鼻先をカットして先頭に立ちました。スタートやや早かったガイアフォースが2番手。スタート早かったイクイノックスが中段の前から。中段からスタート早かったノースブリッジとドウデュース、スタート五分のヒシイグアス。中段のやや後ろからスタート五分のエヒト、ダノンベルーガ、アドマイヤハダル。中段の後ろからスタートやや遅かったジャスティンパレス、後方からスタートやや遅かったプログノーシスという並びでした。

スタートは早かったノースブリッジは逃げず、ガイアフォースとジャックドールがやや促していたので、イクイノックスはやや間隔を空けていましたね。実質的にメイン集団をイクイノックスがコントロールする形で、この集団はややスローバランスくらいでした。イクイノックスが前に行きましたから、当然縦長になりませんね。ドウデュースもいつもよりも前で中段、その後ろからダノンベルーガでした。

4コーナーです、ジャックドールが緩めず先頭、ガイアフォースが続きました。イクイノックスが前の2頭を2馬身程の間隔で追走したので、他馬も下げられずメイン集団は一団でした。流れているので捲り上がる馬も居ませんでした。

直線L2標識付近です、ジャックドールが先頭で、ガイアフォースとイクイノックスが並びかけます。イクイノックスのL3は11.1ですね、このペースで前に居ましたから、持ったまま11.1は凄いのですが、10秒台に入らなかったのはやや不満。ドウデュースがイクイノックスを追走して、その後ろにダノンベルーガ。外にヒシイグアスが居てコースが空きませんでしたね。外から先に仕掛けたプログノーシスがスムース、その後ろからジャスティンパレスが、プログノーシスの外へ進路変更します。

直線L1標識付近です、イクイノックスが抜け出しガイアフォースが何とか追いすがります。L2区間で一気に加速したのがジャスティンパレスで、前に居たプログノーシスとダノンベルーガに並びかけます。やはりこの馬はフィエールマンですね。

ここからイクイノックスが押し切り、残り100mからは流していましたね。圧勝です。ダノンベルーガとプログノーシスが並んでゴールしますが、ジャスティンパレスがトップスピードを持続して2着確保でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はイクイノックス、スタート出たこともあると思いますが、中段の前からで実質メイン集団をコントロールしていました。ドバイで逃げているので逃げても問題ないのですが、ここで前に行くとは思いませんでした。宝塚記念の勝ち方に違和感があったので、もしかしたらルメール騎手も差しに回って、切れ味勝負は不安があったのかもしれませんね。この馬はこの持続力を持っているので、逃げ・先行でも問題ないんですよね。大一番でこれをやってくるルメール騎手は、先週に引き続き神騎乗ですね。ここで差しに回って届かず、ジャパンCか有馬記念で逃げ・先行をやってくると思いましたが・・・。

2着はジャスティンパレス、ディープ産駒らしいトップスピードの質と持続力、フィエールマンを彷彿とさせる瞬発力、これを持っているのでここでも好走すると思いましたが、思った以上に強い。相手が悪かったですね、フィエールマンも相手がアーモンドアイで、こんなところまでそっくりです。

3着はプログノーシス、ジャスティンパレスよりも先に仕掛けて、直線入り口では1馬身前に居ましたね。それがL2区間で並ばれているので、L3の加速で見劣りましたね。それでも3着を確保しているので持続力の高さを見せましたね。

4着はダノンベルーガ、昨年はイクイノックスと0.2秒差、今年は0.6秒差に開いてしまいました。直線入り口でドウデュースがモタモタしていたので、ここでスムースに加速できなかった分だけ遅れましたね。前にドウデュースが居れば信用して付いて行くと思うので、これは仕方ないと思います。上がり3Fはイクイノックスと0.1秒しか差がないので、能力が下がった感じではなく、展開が嵌らなかっただけだと思います。

5着はガイアフォース、このクラスになるとやや足りないんでよね。安田記念もやや足りない感じで、どうしてもGⅠでは苦しいですね。GⅡでも勝ち切れないので、なかなか展開が嵌らない感じですね。

ドウデュースは7着、直前に乗り替わっているしこれは度外視して良いと思います。ただ戸崎騎手は決してミスをしているわけではないので、100%に仕上がっていなかったのかも。

馬券の方はハズレ、本日も縦目でした。次回は1週お休みしてエリザベス女王杯の予定です。