2021年朝日杯FS 回顧。豊騎手グランドスラムに王手!

走破時計1:33.5    前半800m46.2   上がり3F 35.2


まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日は稍重スタートから良馬場へ、日曜日は更に乾いて良馬場で高速馬場だったと思います。含水率は土曜日から1%ほど乾いき、クッション値も0.2上がりました。7Rの1勝クラス1800mで1:45.9なので、かなり速い馬場になっていると思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2020年朝日杯FSのグラフです。

ペースはハイペースバランスで、前後半は46.2-47.3でした。グラフを見れば分か通り中緩みがあります、これで馬群が凝縮しました。3F目までは馬群が伸びて縦長でしたが、直線入り口では馬群が凝縮、中段辺りに居た馬も前を射程に入れられました。

ハイペースバランスだが中緩みがあり、Ⅼ2で一気に11.2まで0.7の加速をするというのは、1400mで結果を出してきた組には最悪の展開でした。レースのL2が11.2なのであまりトップスピードの質が問われていませんね。先週の阪神JFも同じような展開でしたが、L3から外を上がってきた馬がスムースに加速して伸び、内で待たされてしまった馬は伸びを欠きましたね。昨年は短距離戦のようなラップでしたが、今年は1800m以上のレースのような展開だったと思います。

含水率を比較すると、昨年は10.1と9.3%なので、今年と大きくは違いませんん。なので中緩みの分だけタイムが遅くなった感じですね。これでレースの上り3Fが同じくらいなので、恐らく直線は芝の状態が昨年よりは悪いのでしょう。この辺りもスピード勝負ではなく、パワーと持続力が問われたレースで、中距離色の強いレースになった感じです。

逃げたのはカジュフェイス、やや離れた2番手にトゥードジボン、中段の前からプルパレイ、トウシンマカオ。中段のやや前からセッカチケーン、セリフォス、オタルエバー、やや離れて中段からダノンスコーピオン、ドウデュース。中段のやや後ろからヴィアドロローサ、スプリットザシー、中段の後ろからアルナシーム、ドーブネ。後方からジオグリフ、シンミリテスという並びでした。

逃げたのはカジュフェイス、スタートが非常に速く他に行く馬が居なかったのでそのまま逃げ体勢、セリフォスもスタートが良く、やや掛かり気味でしたが引いて中段やや前。プルパレイとトーシンマカオが中段の前に居るところ、外からトゥードジボンが上がって単独の2番手でした。隊列が決まって3コーナーに入るところで、カジュフェイスはペースを落として中緩みを作ります。

中段はダノンスコーピオンとドウデュース、ダノンスコーピオンはスタートが速く、一時2番手に居ましたが引いて中段、ペース認識の良い松山騎手なので、速いと判断したんでしょうね。ここで引いて行ったことで2F目の10秒台に付き合わずに済んでいるので、これは好判断だったと思います。ドウデュースは出たなりでこの位置ですから、最高のスタートと言って良いと思います。

逃げるかと思ったドーブネはスタートやや遅れ、そこから全く出して行かなかったですね、差しに回る予定だったのでしょう。ジオグリフもドーブネと同じようなスタートで、リカバリーして行く感じもなかったので、前走と同じような競馬を想定していた感じですね。アルナシームがスタート一番遅れましたが、大きな出遅れではなかったです。馬群の後ろに入れて折り合い重視でしたね。

4コーナーです、カジュフェイスが先頭で隊列に大きな変化はなかったですね。再三書いているように中緩みがあり、馬群が凝縮しています。ここでジオグリフが動かなかったのは意外、この地点の差がそのままゴール前の差になっていますね。これは先週のベルクレスタの影響でしょうね。この辺からドウデュースがジワっと上がって行きます、セリフォスはここからトウシンマカオの外へ進路を取りました。ダノンスコーピオンはセリフォスに付いて行かずに、その内から加速体勢に入りました。

直線L2標識付近です、カジュフェイス、プルパレイ、トゥードジボンが先頭列で、やや後ろにトウシンマカオ、その外にセリフォス。内は大きく空いていてアルジャンナ伸びてきました。ドウデュースは外からでオタルエバーが寄れましたが、大きな不利はなかったですね。ジオグリフは外からで、ドーブネと接触していましたが、こちらも大きな不利は無かったと思います。

直線L1標識付近です、L2の11.2の区間でセリフォスが先頭に立ちます。ドウデュースも並びかけているので、この2頭のL2はギリギリ10秒台に入るかどうかという感じ。なのでキレッキレのトップスピードの質を持っているわけではないですね。ダノンスコーピオンはL2区間で外へ行き、セリフォスの後ろから伸びてきます。内から4着まで来たのがアルナシームで、馬場の悪いところを通った割には伸びが良かったですね。前半上手く折り合えたことが、後半の伸びにつながった感じです。ジオグリフはスムースでしたが届かず5着でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はドウデュース、1800mしか走っていませんでしたし、タイムも平凡だったので高く評価できませんでした。1800mしか走っていないことが、今回の展開にはドンピシャに嵌った感じがあります。ハーツクライ産駒らしい持続力の高さを見せたし、折り合いが付くのでペースに自在に対応できることも長所ですね。この馬自身は前半全く無理をしないまま、平均バランスくらいで走っているので、心肺機能はあまり問われていませんでした。中緩みで取り付けたことが最大の勝因ですね。豊騎手のGⅠ完全制覇へ王手ですね。

2着はセリフォス、前半やや掛かっていました、ダイワメジャーの産駒なのでこのペースでもやや遅かったんでしょうね。何とか折り合いを付けて中段のやや前から、上手く外に出して伸びました。この半馬身差はやや掛かった分でしょうね。ドウデュースよりも短い距離で良さが出そうなので、NHKマイルCで高い評価をしたいと思います。

3着はダノンスコーピオン、この馬も前走1800mでした。中距離寄りの展開にも助けられたし、スタートが良かったのが好結果につながっと思います。2F目の10秒台を下げて行ったので、自身は11秒台だったはずで、前半ゆったり入った時の後半勝負があっていますね。

4着はアルナシーム、前走掛かってしまい押さえが効かずに、捲り上がって自滅したので、スタート遅かったことでリカバリーしなかったですね。馬群の後ろで折り合い重視、なので外に出すスペースがなく、荒れているうちを走る羽目になりました。これでも4着まで来ているので、折り合い付けて溜めれば凄い脚を使うことが証明されました。次走以降も折り合い次第だと思うので、外枠は嫌ですね。

5着はジオグリフ、後方からだったので届きませんでしたね。予想の段階でも書いた通り、先週のベルクレスタが外から上がってL1失速したためでしょうね。スタートが良くならないと今後も難しいレースを強いられそうです。

馬券の方はハズレ、大穴で期待したトゥードジボンは前に行ってしまったし、ドウデュースを評価できなかったので完敗です。来週は阪神Cと有馬記念の予定です。