2019年CBC賞 回顧。不良馬場の平均バランスで地力の差が出た。

走破時計 1:09.8  前半600m 34.9  上り3F 34.9

馬場状態は不良まで悪化してしまいましたね、この馬場悪化で騎手は完全にビビりモードに入って、重賞の1200mでは驚きの平均バランスでした。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。L1で落としてはいるんですが前半が遅過ぎます、消耗戦のラップではないですからね。L1の12.4はほぼセイウンコウセイのもので、勝ったレッドアンシェルは12.2くらいは出しているはずですし、L3が11.2、L2が11.3なので不良馬場の割に流れていますね。高松宮記念では良馬場でL2最速11.2なので、ハイペースバランスで心肺機能を、L1も11.5なので持続力を問われていました。

今回は4コーナーから直線半ばまでで11秒台前半を連発されたことで、力の劣る馬はここでふるいに掛けられてしまった感じ。平均バランスのレースなのに、不良馬場で11秒台前半を2F問われたことで、足が上がってしまったんでしょうね。この2Fで無酸素運動領域に入り乳酸が爆発的に発生した、耐乳酸性の低い馬と高い馬の差が一気に出てしまったんでしょう。なので休み明けではトップスピードに入れにくいセイウンコウセイや、アレスバローズが耐乳酸性の高さを生かして好走した感じですね。

逃げたのはセイウンコウセイでした、プレッシャーを掛けられることもなくすんなりだったので平均バランスで淡々と、2番手に外からラインスピリット、ビップライブリー、内からグランドボヌール、ショウナンアンセム。外からスタートが遅かったメイショウケイメイが中段まで上がってきます、その内に勝ったレッドアンシェル、コパノディール、最内からアレスバローズ。中段の後ろからキョウワゼノビア、ラベンダーヴァレイ、タマモブリリアン、最後方からアイルアウェイという並びでした。

アイルアウェイはゲート自体は出ていましたが、二の脚が全く付かずに最後方になってしまいました、これは馬場の影響なのかそれとも休み明け4走目の疲労なのか、フィリーズレビューの時は稍重馬場で逃げ争い気味に先行しているので、稍重と不良馬場の違いはありますが、血統的にも道悪がダメな血統ではないので、疲労の方を取りたいですね。同じくスタートイマイチたのがメイショウケイメイで、こちらはリカバリーして中段の前まで上がりました。ただ上がって行ったタイミングが最悪でL5で上がって行きましたね、この地点のラップは11.0なので、メイショウケイメイは10.7くらいは出しているはずです、さすがにこの馬場では消耗してしまいますね。

もう1頭気になったのはラインスピリットで、スタートも良く楽に逃げられるはずが2番手で折り合って平均バランスを容認、いつも通り凡走してしまいました。何度も同じことを繰り返してしまいますね~。アレスバローズはいつも通りで無理なく中段の最内、ショウナンアンセムはスタート良かったにもかかわらず1列下げてしまったのは、前走差す競馬で良さが出たからでしょうね。レッドアンシェルは枠が良かったので、出たなりで良い位置を取れましたね。

4コーナーから直線入り口です、レッドアンシェルはスムースでしたね。ここでは11秒台前半を連発している地点なので、アレスバローズも詰まってはいません。メイショウケイメイはこの辺りで一杯に、アイルアウェイは馬群に突っ込む選択でした、コース取としては良くない選択ですね。キョウワゼノビアはレッドアンシェルを目標に出来る位置だったことが、持続力を生かせた要因かもしれませんね。

直線L1標識付近です、ここでアレスバローズが最内を突いてきます、狭いところでしたが上手く誘導してきた川田騎手はさすがですね。レッドアンシェルはこの辺りで先頭列に並びかけますが、一気に抜け出すのではなくじりじりと、L2標識でまだ追い出していなかったのでトップスピードに乗せきれなかった感じはありました。セイウンコウセイが粘れたのもトップスピードの質が問われなかったからだと思います。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はレッドアンシェル、1200で良さが出てきましたね、予想や全頭評価で書いた通り高い強度で運動できる時間が短いんだと思います。外目の枠から終始馬群の外を走れたのも、揉まれ弱いマンハッタンカフェ産駒には良かったし、平均バランスで心肺機能が問われなかったのも良かったですね。今後はスプリンターズSを目指すと思うので、心肺機能がどの程度かを見極めたいですね。

2着はアレスバローズ、休み明けはピリッとしないはずなんですが、不良馬場で誤魔化せてしまいましたね。川田君のコース取りも上手かったし、拾えなかったこちらの負けですね。

3着はセイウンコウセイ、この馬も休み明けは良くないはずが速いラップを問われない流れで、どさくさに紛れて好走した感じ。58㎏の経験もあったので苦にしませんでしたね。

4着はキョウワゼノビア、結局この馬が4着に来ているレースってことなんですよね。ハーツクライの産駒でパワーと持続力タイプ、トップスピードの質を問われなかったことでバテ差して来ましたね。負け惜しみ的になりますが、嵌ったね。

5着はビップライブリー、調教がイマイチだったので評価を下げましたが、+10㎏で最後まで持たなかった感じでしたね。重馬場はスワンSで0.3差4着と好走しているので、原因は馬場ではなく体調でしょう。

ショウナンアンセムは体調なのか…。美浦が改修の影響で最終追い切りがポリトラックになった影響かもしれませんね、3着のセイウンコウセイは最終追い切りが坂路でした、高松宮記念の時はウッドコースで追い切っていたので、ウッドから坂路は問題ないのかも。改修に時間がかかるようなので今後は最終追い切りには注意したいですね。

馬券の方は切った2頭が2,3着で完敗です。