2021年阪神JF 回顧。内と外で別のレースになっている。

走破時計1:33.8    前半800m46.4   上がり3F 34.8

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日に散水しなかったこともあり土曜日と変わらず、このレースもL2が10.9なので、軽い高速馬場だったはずです。ただ直線は内が良くなかったですね、パトロールビデオを見ても内から5頭目あたりで、芝の色が変わっているので、外の方が伸びる馬場でした。これは来週も変わらないと思うので、覚えておきましょう。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は今日の5R新馬戦のグラフです。

前半の800mはもちろん阪神JFの方が速いのですが、阪神JFはL3まで12秒台でした。これは逃げたダークペイジのラップで、外から上がってきたベルクレスタはL3から11秒台だったはずです。もちろんその後ろに居たサークルオブライフも、自身は3F戦だったはずです。逆に馬群の中から内に居た馬はL3まで待たされて、直線に入ってから一気に10秒台に入れなければいけませんでした。

このパターンは京都で行われたエリザベス女王杯でよく見られますね。内で待たされた馬を外からスムースだった馬が差し切るパターンですね。サークルオブライフは中山の未勝利戦でとんでもない持続力を見せていますし、このレースでL2の10秒台にも対応しているので、スムースならば今後も安定した成績を出しそうですね。

話は変わりますが、このレースラップを作ったのは横山和騎手、有馬記念で乗るタイトルホルダーが心配になりました。

逃げたのはダークペイジ、やや離れて2番手にトーホーアラビアン、更にやや離れて中段の前からウォーターナビレラ、中段のやや前からアネゴハダ、キミワクイーン、中段からラブリイユアアイズ、ステルナティーア、パーソナルハイ。中段のやや後ろからナムラリコリス、ヒノクニ、中段の後ろからナムラクレア、シークルーズ、サークルオブライフ。後方からナミュール、タナザウィング、スタティスティクス、ベルクレア、サクという並びを想定。

逃げたのはダークペイジ、スタートがあまり良くなかったのですが、外目の枠でリカバリーするコースがありました。更に何が何でも行く気を見せる馬が居らず、最初の1Fは12.2で遅かったですね。これでダークペイジが外から先頭に立ち、2F目は一気に10.4までペースアップ。掛かった感じはなかったのですが、豊騎手が引いたことで、ダークペイジが単騎先頭。3馬身程空けてトーホーアラビアン、更に2馬身程空けてメイン集団の前に居たのがウォーターナビレラでした。

スタートで大きく遅れてしまったのがナミュール、前走の赤松賞でもスタートイマイチでしたが、今回は決定的な遅れで外からのリカバリーは諦めましたね。内へ行ってコースロスを減らす作戦に切り替えましたが、直線は内が悪かったのでやることなすこと裏目に出てしまいました。ステルナティーアはスタート五分、3コーナーの手前当たりで6枠の2頭とのポジション争いで狭くなり、躓いてバランスを崩していました。

ナムラの2頭はスタートが良かったのですがチグハグなレース、先ずナムラリコリスですが前に行くかと思ったら下げて中段。ナムラクレアの方も下げて行って中段の後ろからでした。クレアの方は前走で差しに回った2着が良くなかったですね、これでは差しに回りたくなりますからね。

4コーナーです、このL4区間は12.6と結構な中緩みがありました。ただこの辺でも前の3頭の位置取りは大きく変わらず、これは豊騎手が前に居たために動けなかったのでしょう。アネゴハダ辺りがウォーターナビレラを突けば、この辺りでウォーターナビレラが先頭に並びかけてもいいのですが、豊騎手のペース認識は広く知れ渡っていますから、他の騎手は動けなかったのでしょう。ナミュールは内で待たされています、ラブリイユアアイズはウォーターナビレラの後ろでスムースでした。

外からベルクレスタが上がって行きました、動き出したのはスタートから39秒くらいで、これはL4のかなり手前でしたから、5F弱のロンスパになっています。しかも前に入れなかったので、外々を回す距離ロスが大きかった。ベルクレスタが上がって行きましたが、ここでステイを選択したのが1着サークルオブライフのミルコでした。ここで併せて上がらなかったことが勝因ですね。

直線L2標識付近です、ダークペイジが粘っていますが、馬場の中目からウォーターナビレラが伸びてきます、それにラブリイユアアイズが続き、外からベルクレスタがスムースに伸びてきます。その後ろからサークルオブライフで、こちらもスムースでしたね。直線入り口ではサークルオブライフのすぐ位置に居たステルナティーアですが、この辺りでサークルオブライフに離されています。

ナムラクレアは内から中目に出してスムース、大きく内へ進路変更したのがナミュールでしたね。内回りとの合流点に出来るスペースを狙ってきましたが、このスペースは荒れていましたからね、反応は良かったと思いますがここからの伸びがイマイチでした。

直線L1標識付近です、ダークペイジがL2の10秒台に対応できずに脱落、このL2区間では明確に伸びてきた馬は居ませんでした、サークルオブライフもハッキリ伸びた感じではなく、ジワっと詰めた感じだったので、自身のL2ラップは10.7くらいだと思います。ナミュールは最内で馬場の悪いところを走っています。

登りに入って伸びたのがラブリイユアアイズとサークルオブライフで、残り100mの地点でウォーターナビレラが苦しくなりましたね。ベルクレスタはL1標識を過ぎたあたりで失速、さすがにロンスパで外を回したので持続力が足りなくなりました。ナムラクレアがジワっと伸びて5着、持続力の高さを見せましたね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はサークルオブライフ、スタートはまずまずで中段の後ろからでした。中緩みで、メイン集団の馬群が縮まり直線入り口では前を射程圏に入れていました。自身は3F戦くらいでL2の10.9にはしっかり対応、トップスピードの質はやや高いくらいの評価で良いと思いますが、未勝利戦で見せた持続力はかなり高いですね。今回は展開も向いたし、外からスムースだったことも味方しました。オークス向きな感じがしました。

2着はラブリイユアアイズ、京王杯2歳Sが1400mでスローバランスだったので、レースレベルに疑問がありました。今回は中目で自身は2F戦ですから、持続力は問われていませんね。L2の10.9にも対応はしましたが、ここでは差を詰めていないので、パワーで押し切った感じの2着でした。

3着はウォーターナビレラ、中段の前からで自身は平均くらいのはず、これでL2の10.9は自身のもので、トップスピードの質はやや高いものを見せましたね。L1の残り100mで減速が大きくなったので、距離適性かもしれません。

4着はナミュール、出遅れが全てですね。内で距離ロスを避けて、直線も内に行って馬場の悪いところを通った割には良く伸びています。スタートだけですね。

5着はナムラクレア、差しに回るとこうなりますよね、ウォーターナビレラとのポジションと着差を考えると、差しに回ってはいけませんでした。次走以降前に行ければチャンスはあるでしょうね。

6着はベルクレスタ、3コーナーの手前から上がって行ったので、4F半のロンスパになり外々を回されてしまいましたね。さすがにこれでは持続力が持たなかったはずで、流れに乗れればもう少しやれたはず。枠も良くなかったし今回は仕方ないですね。

ステルナティーアは3コーナー入り口でバランスを崩しましたね、L1ではジリジリ伸びているので、距離はもう少しあった方が良さそう。スタティスティクスは後方からになってしまったので、届かなかったのですがこの馬も距離は伸びた方が良さそうです。

馬券の方はハズレ、ラブリイユアアイズは買えませんでした。

次回は朝日杯FSの予定です。