2021年東京新聞杯 回顧。想定外過ぎて驚くしかできなかった・・・。

走破時計1:32.4    前半800m46.6  46.6-45.8ややスローバランス

良馬場  含水率 ゴール前 14.1%  4コーナー 14.2%(5:00)

クッション値 9.2 標準(7:00)

まずは馬場状態ですが良馬場でした、走破時計からするとやや高速といった感じですね。レースの上り3Fは34.3なので2020年安田記念と一緒、安田記念の前半は45.7なので、この前半部分がレースレベルの差ですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は今年の若潮S、緑は2020年サンタクロースHのラップです。

まず今年のラップである青のラインですが、府中マイル戦らしいラップで大きな中緩みが出来ていません。終始11秒台の半ばくらいを連発していて、ややスローバランスですが心肺機能と持続力が問われています。勝ったカラテは前走の若潮S(赤のライン)で中緩みの無いレースを快勝、L2最速戦にはなっていますが中緩みは無いんですよね、心肺機能と持続力の高さを見せたレースで、走破時計も1分32秒台に入れてきたのでスピードも見せていました。この馬って総合力が高いタイプで、これといった武器があるわけではないのですが、総合力を問われる展開になって一気に台頭したのだと思います。今回の青のグラフをそのまんま上に平行移動すれば、ヴィクトリアMや安田記念になるので、ここを楽勝していれば安田記念が見えてきますが、アタマ差の辛勝なので、これ以上のクラスではちょっと苦しくなるかもしれませんね。

期待したトリプルエースですが、緑のラインを見てください、これは2020年サンタクロースHのグラフですが、上下に大きな幅があるグラフなんですよね、つまり中緩みがあるレースで好走しました。これは2勝クラスの中京1400mを勝った時も一緒なので、トリプルエースの場合は中緩みが出来ないと、息が持たないのでしょうね。

逃げたのはダイワキャグニー、2番手にトリプルエースとトライン、外からエメラルファイトが上がりここまでが先行勢。中段の前からカラテ、中段やや前からヴァンドギャルド、ショウナンライズ、中段からニシノデイジー、シャドウディーヴァ、サトノインプレッサ。中段やや後ろからカテドラル、エントシャイデン、中段の後ろからロードマイウェイ。後方からサトノアーサー、サトノウィザード、プロディガルサンという並びでした。

逃げる可能性があったショウナンライズはスタート出ましたが、全く行く気を見せずに中段やや前に控えてしまいました。逆にスタートで躓いてしまったエントシャイデンはこれで前に行けませんでした。ラップグラフを見るとエントシャイデンは先行していたらチャンスありましたね、前走の金杯でも中緩みの無いペースで逃げていましたから、この躓きは不運でした。前走ダートで位置を取ったエメラルファイトが、外から押して前に行きました。この姿勢は非常に良いと思います、後ろから行っても勝負にならないことは目に見えていますから、悪くないトライだったと思います。

トリプルエースは2番手先行、前走の京都金杯で中段やや後ろから行って凡走したので、前を意識したポジション取りでした。トラインも先行策に出ました、これも前走後方から届かなかったことを考慮してのことでしょうね。勝ったカラテは中段の前からで、道中は揉まれることもなくスムースでしたね。カテドラルとシャドウディーヴァが中段辺り、こちらも終始スムースなレースでした。

サトノウィザードはスタートでタイミングが合わずに後方から、このスタートの悪さは今後も不安になりますね。ロードマイウェイはスタート五分に出て中段の後ろから、揉まれることなくスムースでした。プロディガルサンは行き脚も付かずに後方から、大幅なプラス体重も影響したのかもしれませんね。

4コーナーです、ダイワキャグニーが中緩みを作らなかったために馬群は縦長、特にごちゃつくこともなくスムースに直線に入りましたね。カテドラルがインコースを使って中段に取り付き、直線入り口で外目に出せました。カラテはステイ、ここでは動きませんでした。シャドウディーヴァはカテドラルの外でスムース。4コーナーで中段の後ろに居たロードマイウェイ以降は、全く届きませんでしたね。

直線L2標識付近です、ダイワキャグニー、トリプルエース、エメラルファイトが先頭列で並び、トラインとカラテは前が壁になってしまいここで動けず、ヴァンドギャルドは前がクリアでしたが、反応がイマイチで進んで行きませんでしたね。カテドラルとシャドウディーヴァが外からスムース、ロードマイウェイはこの辺りで一杯になりレースになりませんでした。

直線L2標識付近です、ダイワキャグニーが下がったスペースにトラインが入りましたが、ここから伸びません。トリプルエースが抜け出したのですが、ここで一杯になり下がっていきます。エメラルファイトが内に寄れてくれたことで、カラテにスペースが出来ました。このスペースを上手く付いてL1で差し切り、L1のラップが11.5なので、この馬自身は11.3くらいのはず、持続力の高さを見せましたね。ヴァンドギャルドがエメラルファイトとビッシリ併せていれば、カラテはスペースがなかったと思うので、今回は運が向きましたね。

そのヴァンドギャルドは4着、トップスピードの質はあまり問われていませんが、それでもスピード負けした感じで高速馬場が合わなかった感じはあります。カテドラルはスムースに抜け出し一旦先頭に立ちましたが、ゴール前で差されてしまい2着、前半のポジションが影響した感じです。

トリプルエースやトラインが大きく負けていないし、前半46.6というややスローバランスなので、厳しいペースにはなっていないんですよね。軽い高速馬場で中緩みの無いペースだった為に、前が止まらず後ろからでは勝負になりませんでした。その中でもカテドラルとシャドウディーヴァは、中段から良く伸びてきましたね。ヴァンドギャルドとサトノインプレッサが4,6着だったことで、トップスピードの質があまり問われなかったレースと考えて良いと思います。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はカラテ、騎手と厩舎を考えると重賞では手が出ず、ラップデータからは買わないといけませんが難しかったですね。神奈川新聞杯でボロ負けしたので、コース適性が合わないかと思いましたが、持続力で他を圧倒してきましたね。L1でコースが空いたし今日はこの馬と、重賞初勝利の菅原騎手の日だったのでしょう。ここで圧勝したわけではないので、上のクラスで勝負できるかは不安ですね。秋の京成杯AH辺りが合いそうですが、5歳のキンカメ産駒なので今度は蓄積疲労の不安も出てきますね。

2着はカテドラル、1F長いかと思いましたが高速馬場でこなしてしまいましたね。ゴール前で交わされてしまったのが距離なのかな~。キャピタルSでは今回よりも前半800mが速く46.2でした、これを先行していたので心肺機能で一杯になったんでしょうね。今回は前半46.6で中段やや後ろからだったので、前半ゆったり入っての持続力勝負になりました、トップスピードの質も大して問われなかったので2着まで来ましたが、この馬も今後は上のクラスで苦戦しそうですね。

3着はシャドウディーヴァ、中段からカテドラルと一緒に伸びてきましたが、休み明けの影響か3着まででした。重馬場だった府中牝馬Sでも持続力を見せたし、昨年の東京新聞杯2着からもこの展開は合うんでしょうね。秋華賞がハイペースバランスの消耗戦で4着だったので、総合力で勝負した方が良いのかもしれませんね。

4着はヴァンドギャルド、休み明けの影響だと思いますが、L2標識付近での手応えが良くなかったですね。福永騎手も追い出していましたが、進んで行かない感じで、ここで抜け出せなかったことが4着の原因かな。社台F生産馬なので休み明け2走目の次走は期待できると思います。

5着はトライン、ここで先行してくるとは思いませんでした、この辺りが横山典騎手らしいところですね。10秒台のラップは踏んでいないので、持続力が持った感じなので、AT値があまり高くない感じですね。この馬もトリプルエースと同じで中緩みがあった方が良いのでしょう、そういう意味では阪神のマイル戦で見直したいです。

サトノウィザードは6着でした、中段からでしたがこの馬のトップスピードの質では届かず、スタートが改善したので無理にでも前に行って欲しいですね。ロードマイウェイは12着、調教で舌を出していたのでその影響でしょうか。キャピタルSでは2着でしたが、若干トップスピードの質が落ちてきた感じもします。

馬券の方は1,2着が無印で完敗でした。次回は京都記念の予定です。