2019年京都牝馬S 回顧

開催最終週になり踏み固められた馬場は高速化していたが、結果はスローペースにり大波乱を演出した。


走破時計1:21.0 前半800m46.3 上り3F34.7

L7(12.2) L6(11.2) L5(11.3) L4(11.6) L3(11.8) L2(11.0) L1(11.9)

まず馬場状態ですが、予想の段階では先週に引き続き良馬場でも重い馬場と予想しました。しか~し、ふたを開けてみればかなり高速化していましたね。9Rのつばき賞が1:47.3でしたから、先週の東京よりは遅いが標準やや高速馬場であったと思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。

展開はオールポッシブルが逃げ体勢外からアマルフィコート内にレーヌミノル、その後ろにライトフェアリー、外にミスパンテールでこの後ろに出遅れたエイシンティンクルが折り合ってしまい、内にキョウワゼノビア。中段からデアレガーロ、外にカイザーバル、アル―シャが居てこの後ろからハーレムラインとリバティハイツ。後方勢はリナーテ、カラクレナイ、ベルーガ、クリーンファンキー、ワントゥワンという並びでした。

まずエイシンティンクルが出遅れてしまいました、元々スタートは速い方ではなく2,3番手からでも競馬をするタイプですが、問題はペースですね。明確に遅い、前後半のバランスは34.7で全くの平均なのですが、馬場を考慮すると前半が遅過ぎましたね。後半型ではないエイシンティンクルが前半緩めてしまうと大敗しますよね。

ここでもうちょっと馬場について、直線はかなり荒れていて上り3Fのタイムはあまり速くないのですが、4コーナーまでは荒れも少なく踏み固められた高速馬場になってるんですよね。9Rのつばき賞でも前半58.6ですから、牝馬限定戦とはいえ重賞で800m46.3は遅すぎますね。騎手もこの馬場の変化には気づいていなかったようで、ルメール騎手ですらポジションがいつもより後ろになっていました。これはレース展開を考えて前が速くなると予想していたのではないでしょうか。

リバティハイツとハーレムラインも後ろからになったのは予想外でしたね、ミスパンテールが外から5番手に居ましたから、内の先行馬の多くが前に行けなかったんですね。ワントゥワンはスタートでブレーキしたように見えましたが、ここで大きく離されてしまい最後まで勝負に参加できませんでした。32㎏増のデアレガーロは昨年2着時が476㎏でしたから、数字ほどの体重増ではなかったんですね、ただ休み明けは良くない馬だったのでここで1着に来るとは想定できませんでした。

4コーナーはこんな感じでアマルフィコーストが早目に抜け出し、そこにコースが空いたデアレガーロが伸びてきて差し切り、外から伸びたのがリナーテでした。デアレガーロはL1でバテ差し気味になっていますが、L2のコース取りが良かったですね。前半が遅くなったのもこの馬には良かったのでペースが全てでした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はデアレガーロ、前半が遅く馬群の中で足を溜められたのは良かったですね、4コーナーから直線にかけてのコース取りもまぁまぁで、L2で11.0のギヤチェンジにも良く反応しています。L1でアマルフィコーストが一杯になったところをバテ差し、外からリナーテの強襲を受けますがなんとかしのぎ切りました。前半のスローペースで心肺機能に余裕があっての好走なので、ヴィクトリアMでは重馬場にでもならないと苦しいと思いますが、このクラスでも十分やれるだけの力はありますね。

2着はリナーテ、いつも通り後方からになりましたが4コーナーから外を回して良く伸びました。L2では10.8位は出ているはずで瞬発力とトップスピードの質、そのトップスピードの持続力を見せてきましたね。豊騎手のコース取りも申し分なく、前を捉えきれなかったのは前半が遅かったからですね。この馬で捲りに行くわけにもいかず今回は仕方ないですね。賞金も加算できたのでヴィクトリアMが楽しみになりました。

3着はアマルフィコースト、2年前のファンタジーSで3着があるのですが、この時が明確にスローバランスで後半追い込んできましたが、上がり3F34.3で3着、この時の1着がベルーガであがり33.9で差されています。前半がスローになれば速い上がりは使えなくとも、ジリジリと粘ってしまうタイプですね。直線もスピードが出ない荒れ馬場だったことが味方しました。もう一つ―8㎏で馬体が絞れたのも好走要因かもしれませんね。

4着はアル―シャ、休み明けだったことも若干影響したかな~っという直線の伸びでしたね。道中はもう少し前で競馬するタイプなので、今回はルメール騎手の読みが外れてしまったという感じ、1400なので読みが外れると作戦変更できる時間がありませんからしょうがないですね。次走休み明け2走目ならもっと走ると思います、ただ馬体が小さいので伸びしろには注意ですね。

5着にミスパンテール、前半がスローになってしまうとこうなりますよね、横山典騎手も馬場が悪く重いという先入観からでしょう、前半前を急かすようなしぐさが無かったですね。特に悪いところのない5着で馬場と展開に負けた感じですね。ヴィクトリアMでは高いトップスピードを求められるので、苦しいと思いますが重馬場になれば印を打つと思います。

6着にワントゥワン、調教もイマイチだったようでスタートでミルコが抑えたら、思いのほか減速して集団から置かれてしまいましたね。この馬場でも上がりは33.8が出ているので体調が悪いというよりは、展開と馬場が合わなかった感じですね。この馬の場合牝馬限定戦よりも厳しい流れになる牡馬混合戦の方が展開は合うんですよね。ヴィクトリアMもL3我慢のL2最速戦になりやすいので、取りこぼしやすい展開です、重い印は打ちにくいかな~。

馬券の方は外れ、こういう3連単を1度は取ってみたいですね~。
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