2023年ヴィクトリアM 回顧。勝つべくして勝ったソングライン。

走破時計1:32.2    前半800m 46.2  上がり3F 33.7

まずは馬場状態ですが良馬場でした、レースの30分程前に雨が降り始めましたが、馬場状態には大きな影響は無かったですね。走破時計1分32秒台で中緩みが大きかったので、時計自体は出ていませんね。それでもソングラインの上り3F33.2ですから、雨の影響はなくやや高速馬場という感じだと思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年安田記念、緑は2022年ヴィクトリアMのグラフです。

パッと見てソングラインが勝った理由が分かりますね、昨年の安田記念とほぼ同じラップ推移でした。走破時計も0.1差だし、自身の上り3Fも今回が33.2、安田記念が32.9ですから、中緩みから速い上がりを使ってくるということですね。戸崎騎手と手が合わないかと思いましたが、私の見立て違いでした。ソングラインは瞬発力を持ていますね、L2で一気に差を詰めてきますから、トップスピードの質、瞬発力、そして3Fの持続力で勝負するタイプなんですね。

ソダシを見てみましょう、勝った昨年のヴィクトリアMとの比較では、中緩みがあるかないかですね。前に居たわけでロータスランドの中緩みに付き合ったことは不味かった、これがテン乗りの弊害ですね。昨年はL1が11.8、今年は11.4ですからもう少し長く足を使って、後ろにも足を使わせないと苦しくなってしまうんですよね。それでも2着は立派で、これはマイルCS3着と似た展開でした。

まずはスタート後300m付近でアクシデントがありましたね、複合的な動きで大きく割を食ったのがナミュールでした。ソダシが外からジワっと内に入ってきます、ただルージュスティリアとはそれ程接近しているようには見えず、ルージュスティリアが驚いた感じで内へ寄れました。これで各馬の間隔が狭まり、クリノプレミアムが驚いたように外へ寄れました。ナムラクレアとの間に居たナミュールが挟まれてしまい、ポジションを下げてこれでリズムを崩した感じでした。

逃げたのはロータスランド、前半の3Fが34.2なので流れてはいますね。もっとペースを落とすかと思いましたが。ソダシとサウンドビバーチェが先行、スタートが良かったルージュスティリアが中段の前、同じくスタートが良かったスターズオンアース、ララクリスティーヌ、ナムラクレアが中段のやや前。中段にこちらもスタートが良かったクリノプレミアム、スタート五分だったソングライン、イズジョーノキセキはスタート遅れましたが、なぜか内が空いていてリカバリーしてこの位置。

挟まれて下がってしまったナミュールが中段のやや後ろで、スタートがやや遅かったアンドヴァラナウト、ステラリア、ディヴィ―ナが中段の後ろ。スタートが遅かったスタニングローズ、サブライムアンセムが後方からになりました。

4コーナーです、中緩みが大きかったことと、サウンドビバーチェが首を上げて嫌がるがる仕草があり、内が空いたためにスターズオンアースが最内の前から2列目に上がります。これにソングラインが続いていました。注目はディヴィ―ナ、中緩みで中段の後ろから中段のやや後ろにポジションを上げてきました。ここから直線へスムースに入っていきます。

直線L2標識付近です、ナミュールは完全に戦意喪失。ロータスランドは一足使ってきましたね、このL2標識までにソダシを突き放してリードを奪いました。この馬はコレが出来るのですが、使える脚が短いためにここから苦しくなるんですよね。昨日のゾンニッヒそっくりですね。ソダシ、スターズオンアース、ソングラインがスムース。ディヴィ―ナもスムースに加速してきました。

直線L1標識付近です、ロータスランドはここまで、1400mならこれで勝っていたかもしれませんね。今回はL1が11.4なのでこの馬には苦しいラップでした。スターズオンアースはL2区間でソダシに若干引き離されました、トップスピードに乗るのに時間が掛かった感じで、外に寄れてロスがありました。ソダシが抜け出しスターズオンアースが何とか追走しているところを、内からトップスピードの質を維持して突っ込んできたのがソングライン。

ディヴィ―ナは惜しい4着、L4の後半で前に居たナミュールに並んでいるので、動き出しがL4標識からで、L3標識でナミュールの前に居れば3着はあったかもしれませんね。並の騎手なら動くことはなかったはずで、ミルコの勝負勘の良さは健在ですね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はソングライン、昨年の安田記念とほぼ同じラップで快勝でしたね。昨年のヴィクトリアMは不利もありましたが、4F戦でピリッとしませんでした。セントウルS、阪神Cと凡走した時は中緩みのない消耗戦なんですよね、キズナの産駒で持続力に不安があるというのは不思議な感じですが、勝った富士Sも実質的には3F戦なので、いい脚を使えるのは3Fだけと見た方が良さそうですね。この辺り血統に引っ張られた評価をしていまして、大いに反省しています。

2着はソダシ、吉田隼騎手ならどうでしたかね~。スローからの3F戦では切れ負けする、それでも2着ですから力は示しましたね。

3着はスターズオンアース、ルメール騎手の言う通りマイラーではないですね。もっと距離があった方が良いし、3F戦というのも合いませんでした。L2でソダシに後れを取るくらいですから、L4から流れてトップスピードの質を持続する展開が理想でしょうね。

4着がディヴィ―ナ、中緩みでポジションを押し上げて直線勝負、ミルコの最高の騎乗だたっと思います。もう少し速く押し上げていればという感じもなくはないのですが、それだと実質的には4F戦以上の脚を求められるわけで、L1で失速していた可能性もありますから、何とも言えませんね。今まで重賞はおろかOPでも3着以内がない馬を4着に持ってくるのですから、ミルコはまだ錆びついていませんね。

5着はサウンドビバーチェ、L5でペースが落ちたところで嫌がるようなしぐさがあり、内をサウンズオブアースにあげてしまう結果に。それでも不利があったわけではないので、現状では力を出し切っての掲示板という感じですね。

気になったのはスタニングローズ、今までスタートは上手く決めていたので、今回はタイミングが合わなかったように遅れてしまいました。ちょっと今後が心配。

ここからは完全なみややの邪推です、予想の段階ではロータスランド横山典騎手が超スローに落とした逃げを予想したのですが、実際は前半3F34.2というまずまずのペースでした。そして中緩みを作っての3F戦に持ち込む、全く想定外のペースにしてきました。これナミュールの為のレースメイクをしてあげたのでは?

実際このペースでナミュールのすぐ後ろに居たディヴィ―ナが4着に激走しています。ナミュールの青写真は初手で中段に居て、お父さんが作ってくれた中緩みで前段に取り付き、直線でスピード勝負に持ち込む。結局初手のアクシデントで青写真通りには行きませんでしたが、代わりにディヴィ―ナがやってますからね~。

馬券の方はハズレ、ナミュールのアクシデントには参りました。次回はオークスの予定です。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    こんばんは。とても興味深く拝見・拝聴させていただきました。
    ラップとしては前半4-5Fでこんなにガッツリ垂れ込んでいたとは……
    私の邪推としては、ソダシの敗因は、女王ソダシ自身は鞍上が余計な気遣い(初手の斜行に引きずられロータスランドに付き合うペースダウン)をしたからだと思ってそうで、たぶん勝手に走らせてたら勝手にハナに立って勝手に勝ってたのではないかと思ったり。

    さあオークス、ゴールデンハインド!調教に刮目じゃあ!

  2. Harry より:

    > これナミュールの為のレースメイクをしてあげたのでは?
    あると思います。

    実は私の持っている勝手なイメージは
    ①横山父は同じレースに息子(達)がいればサポートを第一に考えて乗る。
    ②岩田父は同じレースに息子がいても自分が勝つことだけを考えて乗る。
    です。

    • みやや より:

      Harryさん、こんばんは。
      ②岩田父の評価面白いですね~(´∀`*)ウフフ
      息子もお父さんくらいKYな騎乗してれば、今頃GⅠ勝ってるかもしれませんね。