2019年ヴィクトリアM 回顧。クロフネの血は凄い。


走破時計1:30.5R 前半800m通過44.8 上り3F34.4

馬場状態は昨日に引き続き超高速馬場、驚異的なレコードタイムが出てしまいました。従来のレコードが2012年、2018年の1:31.3ですから0.8秒も短縮。直線は内、中まではフラット、外目を回すと伸びなかったのは昨日と同じでしたね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今年、赤は2018年安田記念のものです、この時は前半の800mが45.5、上がり3F34.5でした。

2018年との大きな違いは前半ですね、今回はアエロリットのスタートがイマイチで、押して押してハナを叩きに行きました、これで800m通過が速くなってしまいました。2018年のL1はアエロリットのもので、L2は逃げたウィンガニオンの0.1秒程後ろだったので補正して、L2からL1で0.4秒落としています。今回はL1で並ばれているので補正して0.6落としているんですね、前半速かったわりにL1の落ち込みは似たようなものなので、体調は問題なかったようです。

逃げたのはアエロリットでした、スタートイマイチで押して押してハナを主張、2番手にアマルフィコースト、ミッキーチャームの内にクロコスミア、ラッキーライラック、外からソウルスターリングが上がってきました。レッドオルガ、ノームコア、カンタービレが中段から、メイショウオワラ、プリモシーン、フロンティアクイーンが中段の後ろ、後方からデンコウアンジュ、サウンドキアラ、ミエノサクシード、レッツゴードンキ、サトノワルキューレ、最後方にワントゥワンという並びでした。

クロコスミアは抜群のスタートを決めてアマルフィコーストの後ろを取り切りましたね、ハイペースになって最内を無理なく進めたのが好走要因ですね。スタートイマイチだったのがレッドオルガで前走も遅れていましたね、逆にスタートを決めたのがラッキーライラックでミッキーチャームを見る位置を確保できました。その後ろにノームコアが居るんですね、レーン騎手は有力馬をマークする騎乗が目立つので、目標さえ間違えなければ安定した成績を残しそうです。カンタービレ、フロンティアクイーンは終始外を回されて苦しくなりましたね。

直線入り口です、2列目がズラッと横に並んで中段勢は外を意識した感じですね、極端に外を回すと伸びませんから、レーン騎手も福永騎手もギリギリまで我慢していました。ここでもコース取の良さが目立ったのはクロコスミア戸崎騎手です、4コーナーで上手くソウルスターリングの外に誘導したことで、コースを確保できました。

直線L2標識付近です、レッドオルガが狭くなってコースが無くなりましたね、この辺りは予想の段階で懸念していた通りで、北村騎手もよく我慢しましたね。ノームコアはカンタービレが垂れたところをすかさず突いて進路確保、あとは届くかどうかだけでした。プリモシーンもフロンティアクイーンが垂れてからの追い出し、丁度L2標識付近でしたから福永騎手のスタート地点ですね。これでもやや遅いとは思いますが、良く伸びてきましたね。プリモシーンよりも外を回した組は全く伸びず、内を突いたミエノサクシードがバテ差して来ました。

ゴール前では先に抜け出したラッキーライラックをノームコアとプリモシーンが捉えて、内からクロコスミアがばてたラッキーを捉えました。トップスピードの質という意味では勝ったノームコア、2着のプリモシーンもバテ差しなので好評価はできませんが、持続力に関しては高い物を見せましたね。ノームコアはL2で前が空いてから伸びたように見えますが、L3まで流れていて決して瞬発力で加速したわけではないです、L3までのスピードを維持したまま最後の2Fをしのぎ切ったんですね。

驚いたのがクロコスミアで、戸崎騎手が完璧に乗りましたがそれでもこの結果にはビックリでした。消耗戦の持続力勝負で良さが出るタイプとは思っていませんでしたから、改めて戦績を見直してみました、注目すべきは2年前のオールスターJ第2戦、札幌2000mで前後半全く平均の60.5-60.5で逃げ切り圧勝しています。この時も戸崎騎手で、条件戦とはいえ平均バランスで圧勝した実績があったんですね。単なる瞬発力型ではなく高い心肺機能で持続力勝負にも対応してきたのは、今後幅が広がりますね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はノームコア、もちろんレーン騎手を褒めないといけないのですが、やはり血統ですよね~。クロフネにニジンスキーと好走する血統ですからね、今後も似たような条件では安定して走ってくるでしょうね。安田記念でも怖い存在になりそうです。

2着はプリモシーン、L2までフロンティアクイーンに蓋をされてしまったのがね~、外から伸びたのはこの馬だけなので、スムースなら今後も楽しみですね。

3着はクロコスミア、スタートといい4コーナーのコース取といい完璧な騎乗でしたし、持続力も兼ね備えている能力を見せたのは収穫でした。

4着にラッキーライラック、L2で一瞬良い反応はするんですが、持続力がやや足りませんでしたね。この感じは予想の段階から気になったので、東京コースはあまり相性が良くないかもしれません。

5着はアエロリット、スタートが全てでしたね、勢いを付けすぎてしまった感じで最後は一杯になってしまいました。それでも明確に落としているわけでもなくなかなかの粘りを見せているので、安田記念でもう一段階体調が上向けば期待できると思います。

8着がミッキーチャーム、このメンバーでこのタイムで0.7差なら輸送の影響はなかったはず、前半速過ぎましたから、ゆったり入れる展開での好走待ちですね。

9着がソウルスターリング、先行してくれましたが、最後は息が持たなかった感じですね。軽度とは言え骨折明けですし、前走から7カ月間隔を空けてしまったことも良くなかったかも。もう一回豊騎手で先行したレースを見たいですね。

馬券の方はアエロリット軸で外れでした、2日連続的中は難しいな~。