2021年マイラーズC 回顧。スムースなレースをしたケイデンスコール。


走破時計1:31.4   800m通過44.5 ハイペースバランス
上り3F35.6

まずは馬場状態ですが良馬場、それもかなりの高速馬場でした。4R未勝利戦がマイルで1:33.4ですからクラスを考えてもかなり速い馬場、お天気も良く風もあったのでさらに乾いた感じで、レース時間には高速馬場になっていました。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。
グラフを見れば一目瞭然で消耗戦になりました、もちろんこれは逃げたベステンダンクのもので、実質的なメイン集団はボンセルヴィーソがコントロール、メイン集団の800m通過は目視手動計測ですが45.5くらいでした、ダイワキャグニーはメイン集団の前に居たので、自身は平均バランスでトップスピードの質が問われなかったことで、4着に好走できたんでしょうね。

ケイデンスコールはハイペースになると苦しむかと思いましたが、メイン集団の中段やや後ろで、自身の800m通過は46.5くらいでスローバランス、これで脚が溜まってバテ差しを決めることが出来ました。

逃げたのはベステンダンク、外からフォックスクリークが上がり、間隔を空けてメイン集団の前からボンセルヴィーソ、カイザーミノル。中段の前からダイワキャグニー、ザイツィンガー、中段やや前からギベオン、中段からエアスピネル、中段やや後ろからケイデンスコール、中段の後ろからアルジャンナ、エアロロノア、ワールドウインズ。後方からルフトシュトローム、ラセット、ブラックムーンという並びでした。

スタート良く飛び出したのはベステンダンクでしたが、外からフォックスクリークが競り掛けてきました。結局フォックスクリークは控えましたが、ベステンダンクの800m通過は44.5とハイペースになりました。結局この2頭は14,15着なのでペースは速過ぎましたね。

メイン集団をコントロールしたのはボンセルヴィーソで、800m通過は45.5くらいなので平均バランスですね。カイザーミノルがボンセルヴィーソのすぐ横、その後ろにダイワキャグニーでザイツィンガーがその内、この辺りまでが平均バランスに入っていたはずです。ギベオンが中段のやや前でエアスピネルがその後ろ、ペースが速かったのでこの辺りはバラけていました。

ケイデンスコールは中段やや後ろからで、これをマークする形でエアロロノア。アルジャンナはパドックから入れ込みが見られたので、折り合い重視で最内に入れた感じでした。ルフトシュトローム、ラセットは後方からでしたね。

4コーナーです、ベステンダンクが離して逃げて、フォックスクリークが4馬身程離れて2番手、そこから3馬身程離れてメイン集団が追走していました。3コーナーでボンセルヴィーソを前に出して、内外を入れ替えたカイザーミノルと、ダイワキャグニーがメイン集団の前、ザイツィンガーが続きギベオンもスムースでした。アルジャンナは内で待たされてしまいました。

直線L2標識付近です、ベステンダンクが3馬身程リードを取って直線に入り、2列目に内からフォックスクリーク、ザイツィンガー、ボンセルヴィーソ、カイザーミノル、ダイワキャグニーが並び、外からケイデンスコール、エアロロノアが伸び始めます。アルジャンナはここでも待たされてしまい、スムースなレースが出来ていません。ラセットは内へ行って伸びます。

直線L1標識付近です、ベステンダンクが苦しくなって、L2で一杯になったフォックスクリークが下がったスペースをギベオンが突いてきます。L1で一杯になってしまったのはザイツィンガーでこれは距離適性でしょうね。ギベオンもL1で減速率が大きくなりました、坂でしょうか。外からスムースだったのがケイデンスコールでスムースに抜け出し快勝、エアロロノアはL1でアルジャンナに見劣りました、そのアルジャンナが内のカイザーミノルをハナ差交わして2着でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はケイデンスコール、古川吉騎手へ乗り替わりましたが、メイン集団の中段やや後ろからになり自身はスローバランス、これで心肺機能が問われずスムースなレースが出来て快勝しました。前が潰れる展開で前半温存できたことが大きな勝因で、古川吉騎手の今までの成績を見ると、ペースを見て下げたとは思えないので、偶々ではないでしょうか。自身スローバランスからバテ差しが決まりました、ペースに合わせて自在にポジションを替えられるのは良いのですが、それを出来る騎手が乗らないとしっかり勝ち切ることはないと思います。

2着はアルジャンナ、中段の後ろで最内でした。パドックでやや煩いところを見せたので、福永騎手は折り合い重視で控えて最内を選択したのでしょう、3コーナー手前のポジションを見た時は、直線入り口が不安になりましたが案の定でした。直線入り口で前をケイデンスコールに塞がれ、外にエアロロノアが張り付いていました。直線に入っても前のケイデンスコールがフラフラしていたので、追い出しが遅くなってしまい、脚を余して負けた印象です。

3着はカイザーミノル、前に居る分だけチャンスはあると思いましたが、メイン集団の前で持続力を生かせました、トップスピードの質が問われなかったし、3コーナーでボンセルヴィーソを行かせて、内外を入れ替えたことも良かったですね。斑鳩Sで1400mらしい流れを勝ったことがここで生きましたね。高速馬場だったことも良かったはず。

4着はダイワキャグニー、キンカメ産駒で8歳なので蓄積疲労が心配でしたが、トップスピードの質を問われなかったことで好走した感じ。近2走は斤量も重かったので、トップスピードの質が問われなければこれくらいはやれるんですね。

5着はエアロロノア、アルジャンナと同じ位置に居て、直線入り口からはこちらの方がスムースでした。しかしL1ではハッキリとアルジャンナに見劣ったので、おそらく持続力の問題だと思います。もう少し前に居ないと良くないでしょうね。

6着はザイツィンガー、1F長と思いましたが高速馬場でなんとか誤魔化せた感じ、北村友騎手でポジションを取ってきたので、この馬に限らず北村友騎手に乗り替わる時は注意した方が良いですね。ラセットが11着、内から差を詰めてきましたがL1で伸びがイマイチになってしまいました、前走マイナス12㎏で好走したので反動でしょうか。

馬券の方は馬連だけ的中、直前にパンサラッサが跛行で出走取消になってしまい、馬券は諦めたのですが、なんとか馬連が引っかかってくれました。もちろんトリガミですが。来週は天皇賞(春)の予定です。