2022年府中牝馬S 回顧。内優位の馬場に変化。

走破時計1:44.5    前半800m46.1   上がり3F 34.7

まずは馬場状態ですが良馬場でした、走破時計は1:44.5で毎日王冠と遜色ないので高速馬場でした。ただ上位3頭は全て最内を回した馬なので、開幕2週目でガラッと馬場バイアスが変わってきました。今年は開幕週が3日間開催で、昨年は2日間でした。昨年の府中牝馬Sは開幕3日目で今年は4日目なので、この1日が馬場を大きく変えたのかもしれませんね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年毎日王冠、緑は2021年府中牝馬Sのグラフです。

まず全体のラップ推移ですが、平均バランスのややハイという感じ。毎日王冠とそっくりのラップ推移でした。毎日王冠ではジャスティンカフェが外から伸びましたが、今回はシャドウディーヴァ、アカイイト、ラヴユーライヴの3頭が全く伸びませんでした。これは上位3頭が終始最内を回していたことで、馬場の影響が大きかったと思います。

ローザノワールは平均ややハイペースにしてしまい自滅、L2標識で一杯になりました。先行したライティは意外に粘って6着、0.3差なのでこのペースで苦しくなるかと思いましたが驚き。ハイペースでは苦しくなるはずなので、平均バランスまでならいい勝負が出来そうですね。

ソダシはやや抑えすぎたかなという感じ、ヴィクトリアMと同じような位置取りでしたが、Ⅼ1でもうひと踏ん張りできませんでした。勿論距離適性がマイルベストになっている感じもありますが、もう少し速く先頭に立ってリードを広げてL1に入りたかったですね。前哨戦で100%に仕上げていなかったはずだし、斤量もあるのでタイム差無しアタマ差なら高評価で良いと思います。

アンドヴァラナウトは0.2差、L2区間では一旦先頭に立っていますが、Ⅼ1で差し返されています。阪神牝馬Sを見ても1800mは1F長いかもしれませんね。

ちょっと面白いのは毎日王冠で牝馬最先着だったレイパパレが1:44.4、イズジョーノキセキとソダシが1:44.5ですから、ラップ推移から見ても牝馬の限界タイムで走っていた可能性もありますね。

逃げたのはローザノワール、2番手にライティア。やや離れた中段の前からアブレイズ、リアアメリ、中段のやや前からソダシ、クリノプレミアム、サトノセシル。中段からアンドヴァラナウト、ゴルトベルク、中段のやや後ろからイズジョーノキセキ、ラヴユーライヴ、クールキャット。中段の後ろからホウオウピースフル、後方からアカイイト、シャドウディーヴァという並びでした。

ローザノワールはスタートで躓き遅れました、そこから押して押して2F目でやっとこさ先頭に、これで2F目のラップは10.7とかなり速かったですね。ライティアはスタート早く先頭から引いて2番手へ、ローザノワールと逃げ争いをしなかったことは良かったですね。スタートやや早かったソダシですが、ゲートが開く前にやや伸び上がっていました。これは次走以降に大きな不安が残ります。

スタート五分からアブレイズが中段の前、大野騎手テン乗りでしたが良いポジションだったと思います。クリノプレミアムはスタートやや早く中段のやや前、リアアメリはスタートがやや遅くリカバリーして中段の前へ行きました。前走の関屋記念でもスタートがやや遅かったので、今後もスタート不安が付き纏いますね。シャドウディーヴァはスタート五分でしたが、外を回したくなかったのか下げて最後方、アンドヴァラナウトはスタートやや早く引いて中段でした。

4コーナーです、ローザノワール、ライティア、アブレイズが等間隔で1,2,3番手。その後ろの最内がソダシ、アンドヴァラナウト、イズジョーノキセキという縦の並びでした。結局この3頭が1,2,3着でした。サトノセシルはソダシの外で、リアアメリアを挟んで内から3頭目。アカイイト、シャドウディーヴァが内から4頭目あたりをジワっと上がる感じでした。

直線L2標識付近でした、ローザノワールがこの辺りで苦しくなり、ソダシがその内に入り抜け出しを図りますが、アンドヴァラナウトに抵抗されていました。ライティアはまだ粘っていて、アブレイズもスムース。サトノセシルは直線の入り口で、内の馬に遅れているので、コース取りで遅れた感じですね。イズジョーノキセキはアンドヴァラナウトに付いて行き、先頭から4馬身程の位置でした。

直線L1標識付近です、ソダシとアンドヴァラナウトが先頭に立ち、イズジョーノキセキはソダシの後ろ2馬身程の位置。ライティアとアブレイズが粘っていて、その外にサトノセシル。大外からラヴユーライヴ、アカイイト、シャドウディーヴァがスムースでしたが、馬場状態もあり伸びずに凡走。

L1標識からライティアが苦しくなり、イズジョーノキセキがソダシの外へ出して伸びてきます。ソダシとアンドヴァラナウトがL1で減速率が大きくなり、イズジョーノキセキが差し切り。ライティアとアブレイズが減速したところで、サトノセシルがバテ差す形で4着に上がりました。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はイズジョーノキセキ、前走は3勝クラスを勝ち上がったばかりでしたが、その垂水Sが1800m、距離適性と終始最内を回したコース取りが勝因ですね。正直ちょっと恵まれたなという感じで、これが次走以降の重賞に繋がるかと言われると疑問が出ます。難波Sでボロ負けした時は11秒台の前半を求められて凡走、今回は最速11.4なので、馬場を考えてもトップスピードの質を求められなかった感じで、持続力で差し切ったレースでした。

2着はソダシ、L1で甘くなったので距離適性が短くなってきた感じですね。勿論斤量もありますが、マイルがベストと考えて良いでしょうね。前哨戦だったし斤量もあるので上出来でしょう。

3着はアンドヴァラナウト、L2区間では一旦ソダシの前に出ていますが、Ⅼ1で差し返され0.2秒差を付けられました。この感じからもマイルがベストでしょうね。今回はプラス14㎏で、前走のヴィクトリアMで減らしていた馬体重を戻しているので、輸送を克服できたと見て良いと思います。

4着はサトノセシル、ラップ推移が中緩みのない平均バランスで、トップスピードの質が問われなかったことで好走しましたね。今後もトップスピードの質が問われない展開で狙いたいですね。

5着はアブレイズ、休み明けでプラス8㎏ですから好走条件から外れていますね、太目残しで前哨戦を叩いて本場へという目論見でしょう。今回は前に行けたことが大きいですね、大野騎手の判断なのか、池江調教師の指示なのか分かりませんが、メイSを勝った時も前に行っているので、先行した方が良いと思います。

期待したシャドウディーヴァは後方からで全く伸びず、馬場も合わずどうにもなりませんね。リアアメリは前半が速かった感じで、後半失速してしまいました。

馬券の方はハズレ、無印のイズジョーノキセキに勝たれてしまい完敗です。