2019年皐月賞 回顧。


走破時計1:58.1 前半1000m通過59.1 上り3F34.7

馬場状態はやや高速馬場まで回復していましたね、9Rの鹿野山特別で1:59.4、1000m通過60.5、上がり3F34.6。直後に行われた12R春興Sで1:33.7、上がり3F34.1なのでやや高速と見ていいと思います。中山は馬場改修後回復が速くなりましたね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今年、赤は一昨年アルアインが勝った年で走破時計1:57.8、1000m通過59.0、上がり3F34.5でした。2017年はL4から11秒台に入ったことでL1が落ちていますね。

今年は結構変則的なラップでゴールへ向けてラップが上がって行くラップ推移でした。恐らく直線部分はそれなりに力の要る馬場ではあったが、全体的には高速馬場で前半が遅かった可能性がありますね。バランスは平均バランスなのですけどね~、L2からのラップはヴェロックスとサートゥルナーリアのものなので外を回した分だけ、タイムが遅くなっているのかも。このラップから見えてくるのは3F戦になるとサートゥルナーリアも化け物レベルではなく、普通に強い馬ってことですね、もっとも休み明けですからダービーへ向けては上積みが期待できますが。2017年のラップみたいにL4から11秒台に入れる展開なら、勝っていたのはダノンキングリーだったでしょうね。

逃げたのはランスオブプラーナ、ダディーズマインドが控えて2番手から、クリノガウディ―が居て内からダノンキングリー、アドマイヤマーズ、ヴェロックスという先団。ファンタジスト、クラージュゲリエが居てサートゥルナーリアはヴェロックスを見る位置でした。シュヴァルツリーゼが内から、ラストドラフト、ニシノデイジー、ブレイキングドーン、サトノルークス。後方からタガノディアマンテ、アドマイヤジャスタ、ナイママ、メイショウテンゲンという並びでした。

アドマイヤマーズはスタートが良かったわりにミルコが意図的に控えましたね、これは距離不安を意識してのことでしょう。ミルコが控えたことで最高の位置を取ったのがダノンキングリー、スタートも良く先団を見る位置で折り合いもばっちりでした。ヴェロックスは外目からアドマイヤマーズをマークするいつでも動ける位置でした。ファンタジストもスタート良く中段の最内を取れましたし、クラージュゲリエも良い位置を確保。

意外だったのがアドマイヤジャスタで、スタートは悪くなかったにもかかわらず全く位置を取りに行きませんでした、予想の段階で岩田騎手とは手が合わないかもと書きましたが、ここまでとは思いませんでした。同じジャスタウェイ産駒のヴェロックスのようなレースをすべき馬を、最内に入れてしまうと凡走も当然ですね。もう一頭気になったのがニシノデイジー、スタート直後から掛かっているのに、なぜか外に出してしまうんですね、これでは折り合えるわけもなく4コーナーで早々に力尽きました。シュヴァルツリーゼもまっすぐ走らない馬を最内に入れた騎乗は褒められませんね。

ランスオブプラーナは一応がんばってはいますが、L4から手ごたえが怪しくなっていました、ランスが下がってきたことで待たされたのがダノンキングリーですね、この辺りは予想で書いた通りでした。ヴェロックスが外から早目に動きました、9Rで川田騎手が勝った時と同じ乗り方でしたね、9Rで勝ったダンサールはハーツクライ産駒でジャスタウェイのお父さんですね。そのヴェロックスに付いて行ったのがサートゥルナーリアでした、空気抵抗を考えると目標にされてしまったヴェロックスは可哀想でしたね、でも強さは見せたと思います。

サートゥルナーリアの斜行については大きく影響はなかったと思いますが、ヴェロックスにしてみれば迷惑ですよね~。ただあそこで一発もらったことで却って闘志に火がついて、ダノンキングリーを差し返したようにも見えました。アドマイヤマーズは特に不利もなくL1で離されてしまったので、やはり距離でしょうね。ファンタジストは直線入り口でやや外を向いていたので、右回りが良くないような気がします。

シュヴァルツリーゼは予想通りあっちへフラフラ、こっちへフラフラと走り難そうで、内に入れてしまった弊害がモロに出ましたね。このシュヴァルツリーゼのフラつきはアドマイヤジャスタにも影響を与えていましたが、元々あんな位置に居る岩田騎手が悪いのであって、想定内の出来事です。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はサートゥルナーリア、戦前に言われていたほど、また単勝1.7倍ほど強かったかと言われると、そうでもなかったですね。やはり休み明けで未経験の3F戦で底を見せた感じ。内のダノンキングリーがスムースに直線を迎えていれば2着だった可能性は高いでしょうね。強烈な瞬発力はこの世代随一のものですが、3Fの持続力が問われる展開では、普通に強い馬という評価で良さそうです。

2着はヴェロックス、正攻法の横綱競馬をして僅差の2着ですし、直線で寄られた分もあるので十分高評価ですね。強烈な瞬発力を武器にしているサートゥルナーリアに勝つための策を、川田君は練ってきましたね、良い騎乗だったと思います。アルアインに近い感じだと思います。

3着はダノンキングリー、直線入り口で待たされた分だけ届きませんでした。瞬発力は高くない馬なので、あの待たされた分はかなり足を引っ張たはずです、内枠から上手く経済コースを通れましたが、最後の最後にロスを貰った感じ。4コーナーでクリノガウディ―を張りながら上がれれば勝っていたのはこの馬でしょうね。

4着はアドマイヤマーズ、やはり距離でしょうね、ミルコも不安に思っていたからこそスタートで控えたはずです。次走はNHKマイルCなので距離不安は無くなりますね。

5着はクラージュゲリエ、道中のポジションが良かったですね、前4頭とは離されているのでダービーでどうこうということはないかな~。

ファンタジストは左回りで見直したいですね、アドマイヤジャスタも先行できればしぶといのでまだまだ見限れないと思います。

馬券の方はトリガミでした、上位人気がきっちり走ってしまいましたからね。でも締まった良いレースだったと思います。