2022年阪急杯 回顧。適性の幅が広いダイアトニック。

走破時計1:19.9    前半600m34.0   上がり3F 34.5

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日に散水をしているので、4コーナーは朝の段階で含水率が上がっていました。レースの時間にはもっと乾いていたはずなので、上位に来た馬の通ったコースを見ても内・前優位で、タイムからもやや高速馬場で良いと思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年阪急杯、緑は2021年水無月Sのグラフです。

前後半の比較では34.0-34.5で平均ややハイペースでした、1着のダイアトニックに関しては、ややハイペースバランスの1200m函館SSでも圧勝しているよに、展開の幅が広い馬ですね。2年前の阪急杯でもややハイペースバランスで1着に入線しているので、スローでもハイペースでも対応できる馬ですね。もちろん内・前優位の馬場を岩田騎手が上手く捌いたことが大きかったですね。

3着にサンライズオネストが来ました、この馬はトップスピードの質が高くないので、オーロCではややハイペースバランスでしたが切れ負けでしたね。今回は水無月Sを勝った時と同じようなラップで、L2でも10秒台に入らなかったことが大きかったですね。L1で前の2頭に見劣ったので、このクラスでは展開が合わないと勝ち切るイメージが湧かないですね。

逃げたのはモントライゼ、中段の前からダイアトニック、ヴィジュネル、中段のやや前からサンライズオネスト、リンゴアメ。中段からグルーヴィット、リレーションシップ、ミッキーブリランテ、クリノガウディ―、中段のやや後ろからザイツィンガー、中段の後ろからトゥラヴェスーラ、グレイイングリーン、タイセイビジョン、後方からエイティーンガールという並びでした。

スタートは全馬五分に出ていました、二の足が速かったのがダイアトニックで、そのまま逃げるかと思いましたが、2F目でモントライゼがハナを叩いて逃げ態勢でした。藤岡佑騎手のペース認識の悪さが出ましたね、この2F目のラップは10.6です、モントライゼはスタート五分に出ましたが、二の足が遅く200m通過地点では前から4馬身程後ろ、これを促して先頭に立ったので、モントライゼ自身の2F目は10秒台の前半だったはず。それも10.2とかそれくらいですから、かなり前半の内に脚を使いましたね。ダイアトニックは手綱を引いて内に入れているので、ここで無理をしなかったことが大きかったですね。

サンライズオネストがスタート五分から、促して中段のやや前、スタートが良かったクリノガウディ―は中段に下げましたね。トゥラヴェスーラは中段の後ろで最内、グレイイングリーン、タイセイビジョン、エイティーンガールが後ろからでした。リレーションシップは中段で、この馬のトップスピードの質を考えるともう少し前に行きたかったですね。

ミッキーブリランテは懸念した中途半端なポジションでした、今日の馬場状態では後ろからでは届かなかったと思いますが、前に居ればチャンスはあったでしょうね。これが騎手の能力差で、逃げても良いと考えた岩田康騎手と、逃げを嫌った感じで中途半端なポジションを取った和田騎手の差ですね。

4コーナーです、モントライゼが先頭で、その後ろの最内からダイアトニック、ヴィジュネルが2番手でその外にサンライズオネストがスムースでした。2着のトゥラヴェスーラが最内で中段の後ろ、3コーナーからジリジリ上がったタイセイビジョンが外でしたね。このレースは中緩みがないので、3コーナーから上がって行くのは悪手でした、幸騎手もペース認識が悪いので仕方ないですね。クリノガウディ―は福永騎手の右手が動いていましたね、これは右手前で走る時に外へ行こうとするのを矯正していたのではないかと。

直線L1標識付近です、モントライゼが先頭で直線に入ってきて、内をわずかに空けました。これを見逃さなかったのが直後に居た岩田康騎手ですね、岩田康騎手は反応が速いのでこれにダイアトニックも良く応えました。最内をスルスル抜けて、後ろから迫ったトゥラヴェスーラを抑えて押し切りました。トゥラヴェスーラは内に詰まっているので、スムースだったら突き抜けていたでしょうね。サンライズオネストが内から3頭目でスムースでしたが、残り100mで見劣りましたね。これがクラスの壁でしょうか。

リレーションシップ、グレイイングリーン、ミッキーブリランテ、グルーヴィットは並んでゴール、この4頭は前に行けなかったのでその弊害が出ましたね。グレイイングリーンは外から良く伸びてきましたが、この馬自身トップスピードの質が高い訳ではないし、今の馬場では初手で中段の後ろでは勝負になりませんね。タイセイビジョンは3コーナーで無駄に動いたことで、末脚が溜まらず。エイティーンガールは直線入り口ですぐ前に居たグレイイングリーンに、L1で引き離されてしまったので、距離適性は1200mまででしょうね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はダイアトニック、逃げても良いという感じでスタートから前に行き、モントライゼが主張すれば引いて中段の前と、岩田康騎手の良さが出ましたね。元々適性の幅が広い馬なので、私が想定した平均からややスローではなく、平均ややハイでも内からしっかり伸びて押し切りでした。7歳でもまだまだやれますね。

2着はトゥラヴェスーラ、前半は足を溜めて後半勝負が嵌りましたね、高松宮記念と京王杯SCでも、後方から高いトップスピードの質を見せているので、この展開が良いのでしょう。もちろん外へ行かなかったことが大きく、Ⅼ1でダイアトニックに詰まってしまいましたが、このコース取りで良いと思います。前半溜めれば末脚はしっかりしているし、道悪適性もあるので休み明け2走目の高松宮記念は楽しみですね。

3着はサンライズオネスト、スタート五分から前に行ったことが全てですね。L1で見劣ったのは内から3頭目を走らされたことと、クラスの壁でしょうね。馬場状態を読み切って前に行った豊騎手の好騎乗ですね。

4着はリレーションシップ、この馬が4着に好走したことが展開と馬場状態を表していますね。直線入り口まで内から2頭目の内目をスムースに回り、直線でもスムースでトップスピードの質が問われませんでした。この馬向きの展開でしたが、もう少し前に居ればと思うと残念ですね。

5着がグレイイングリーン、初手の位置取りが後ろになりましたね。これは前走の新春Sで中段から差し切ったことで、岩田望騎手の継続騎乗だったことから同じように乗ってきました。この馬のトップスピードの質と今の馬場状態では届きませんね。

馬券の方は馬連だけ的中、3連複抑えましたがサンライズオネストと言うか、豊騎手にしてやられました。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    こんばんは。まずは馬連おめでとうございます!私は複フォメでサンライズオネスト入れましたが①が抜けて負けました
    とはいえ先述の通りリレーションシップを重視したわけでして…4着と見立てなりには好走したとは思うのですが、まさに道中なぜ位置があんなに下がったのかというのが不思議なところです。
    ここでみやや様にお伺いしたいのですが、スタートダッシュついたのでキタコレと思ったらかなり後方に引いてしまった要因は厩舎指示なのでしょうか?屋根はいいと思うので不可解なのですが、馬の意気地なさとかもあるんでしょうか?(´・ω・`)

    • みやや より:

      ソダシさん、こんばんは。
      リレーションシップ4着なので惜しかったですね。展開的に流れたので、仰る通りもう少し前で直線に入れればね~。
      3コーナーの入り口でリンゴアメに切れ込まれて下げてしまったように見えました。
      派手に手綱は引いていませんでしたが、松田騎手が腰を引いて減速していました。
      意外なのは松田騎手の騎乗技術ですね、手綱を動かして馬を加減速する騎手が多い中、
      重心移動で加減速させるのは豊騎手以外には初めて見ました。プライベートで不祥事があった騎手なので、
      乗鞍に恵まれませんが腕は確かですね。