2023年宝塚記念 回顧。ルメール騎手の勝利。

走破時計2:11.2    前半1000m 58.9  上がり3F 35.5

まずは馬場状態ですが良馬場でしたが、土曜日に散水していてパンパンの高速馬場ではありませんでしたね。9Rの舞子特別が2勝クラスの1400mで1:21.0、クラスを考えてもかなり遅いなという感じです。この重目の良馬場で前半がかなり速かったので、前に行った馬は苦しくなりました。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年宝塚記念、緑は2023年大阪杯、黒は2022年マイルCSのグラフです。

まずイクイノックスですが、イクイノックスの強さというよりも、ルメール騎手の凄さですね。2F目で10.5というアホみたいなラップが出た時に、速いと感じて下げて行く。ここで無理をしなかったことが勝ち切った要因ですね。この2F目で下げなかった馬は全て凡走していますから、今日の馬場状態ではこのラップは致命的でした。

馬場状態が違うことは百も承知の上で昨年と比べると、タイトルホルダーの強さが際立ちますね。2F目で10.4を踏みながら前で押し切っているので、イクイノックスを負かす可能性が一番高いのは、タイトルホルダーじゃないでしょうか。

期待した我らがダノンザキッドですが13着でした、高速馬場の大阪杯(緑)では2F目10.9、ほぼ同じようなラップを踏んだはず。昨年のマイルCS(黒)では2F目11.2ですから、重めの馬場で2F目に10.5を踏んでしまったために、4コーナーで一杯になってしまった感じですね。

逃げたのはユニコーンライオンでしたがスタート五分、二の足が良くなく押して押して前に行きました。2F目に入ってもまだ促していたので、勢いがつき過ぎて速いラップを踏んでしまいました。2番手だったドゥラエレーデはスタート五分、促して行かなかったのですが、1F目の後半から前に上がって行き2F目でもユニコーンライオンとの差を詰めているので、ドゥラエレーデ自身の2F目は10秒台前半、恐らく10.2位は出ていると思います。ブレークアップが引かずにこの3頭が先行勢。

中段の前からカラテとアスクビクターモア、この2頭はスタート五分ですんなり前に行きました。中段のやや前のダノンザキッドもスタート五分でスムースに前に行きましたが、1コーナー手前で外からドゥラエレーデに絞られて首を上げていました、ここでリズムを崩したことも凡走の理由でしょうね。同じく中段のやや前に内からライラック、スタートは五分でいつも通りでしたが、いつもは後ろから行くのにこういう時に限って下げなかった。ディープボンドが中目で、その外にジオグリフ。

中段にスタート五分に出たボッケリーニが下げて、プラダリアは1コーナー入り口で下げていました。モズベッロはスタート遅くリカバリーして中段に上がりました、この馬もいつも通りなら後ろからなのですが・・・。ジャスティンパレスはゲート内で煩かったですね、スタートやや遅く中段のやや後ろからで、これは結果的に良い位置でしたね。

中段の後ろからヴェラアズール、スタート五分に出て下げて行ったことは松山騎手のペース認識の良さですね。後方からスタートが良くなかったジェラルディーナ、リカバリーしなかったことは豊騎手のペース認識の良さですね。スタート五分から下げたイクイノックス、スタート遅かったスルーセブンシーズが最後方でした。

結局後ろからになったイクイノックス、スルーセブンシーズ、ジャスティンパレスが1~3着、4着にも後ろからのジェラルディーナなので、前のペースが速過ぎたことは明白。坂井騎手と幸騎手にレースをぶっ壊されましたね。3コーナーの手前からジェラルディーナが先捲り、12秒台の半ばに緩んだところで動いたのはさすが豊騎手ですね。

4コーナーです、ユニコーンライオンが先頭で、ドゥラエレーデが並ぶように2番手、内から3頭目にブレークアップ、4頭目にアスクビクターモア、ジェラルディーナがその外に上がって来ます。イクイノックスはL4で11秒台に入ったところでジワっと上がり、L3の11.7で更に前との差を詰めていきます。しかも相当外を回していたので、距離ロスもあったはずですがスピードが違いました。スルーセブンシーズは内から4頭目あたりを回して、ジワジワと上がって来ます。

直線L1標識付近です、直線入り口でスルーセブンシーズのコースが無くなりました。ジオグリフの後ろから外へ行こうとしましたが、ジャスティンパレスのスピードが勝っていたので塞がれてしまいました。ここで進路変更して内へ行くのですが、瞬発力が高くないのかやや減速してしまいました。L1標識ではユニコーンライオンがドゥラエレーデに交わされて、外から先捲りのジェラルディーナが先頭に並びかけますが、さらに外からイクイノックスが交わして先頭。

L1標識からイクイノックスがジワジワと差を広げていきますが、コースを確保したスルーセブンシーズが上り坂で猛追、ゴールでは同タイムクビ差まで迫りました。スルーセブンシーズは直線入り口がスムースなら差し切っていたでしょうね。前に居たジェラルディーナをゴール板で差したのがジャスティンパレス、先に動いた分だけ終い苦しくなったジェラルディーナですが、この馬には馬場が軽すぎましたね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はイクイノックス、イクイノックスの強さを疑う必要はありませんが、それ以上にルメール騎手の好騎乗ですね。前半速いと見るやすかさず下げるペース認識の良さ、これにつきますね。3,4コーナーで大外を回したのはイクイノックスに対する自信と、馬群に突っ込んでアクシデントに合うことを避けたためでしょう。同タイムクビ差とは言えこれだけ外を回して勝ち切るんですから、強いんですが・・・。今日は本調子でなかった感じがしますね、有馬記念や天皇賞(秋)の時のような、素軽い感じのスピードが見られませんでした。この点が今後に向けてやや不安ですね。

2着はスルーセブンシーズ、スタートが遅かったことが最高の結果に結びつきましたね。この馬はいつもは中段辺りからレースをしていましたが、ここ一番で出遅れて展開が向くんですから、持ってますね。中山で好走しているのでコース適性は良いし、苦手な輸送がなかったこと、そして展開がドンピシャと全てが噛み合った感じ。初めての牡馬混合GⅠでしたが、これがステイゴールドの血ですね、格上相手に激走する血のなせる業でしょう。

3着はジャスティンパレス、この馬には合わない展開でしたが、長距離戦で鍛えられた持続力で3着をもぎ取りましたね。このレースは中緩みからの4F戦で、これを外目からの捲り追い込みでしたから、レースラップよりも速いラップを踏んで、11.7くらいを3連発した感じになりL2で勝負を決められなかった。これは前に居たわけではないので仕方ないですね。気になったのはゲートで煩かったこと、スタート五分くらいでいつもよりも遅い感じ。今回はこれが良い方に転びましたが、今後もスタートで前に行けなくなると不安が出てきますね。

4着はジェラルディーナ、スタートはいつも通り遅く後方から、リカバリーしなかったことも含めて前半は理想的でしたね。3コーナー手前で先に動いたことで、目標にされてしまったことと、この馬にとっては馬場が軽かったですから踏ん張り切れませんでした。

5着はディープボンド、中緩みに付き合った分だけ直線でスピード負けするんですよね。これは今年の阪神大賞典でも同じように負けています。中段よりも前に居て掲示板に乗ったのはこの馬だけですから、力はあるんですが得意パターンになりませんね。

馬券の方はハズレ、スルーセブンシーズの激走は予想できず、展開予想も大きく外れているので完敗でした。次回は2023年上半期決算報告です。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    お疲れ様です!
    イクイノックスのレースカメラでは、「反応ガ、遅かったから、お外に出した♡(´,,•ω•,,`)(原文ママ)」っていってましたね。やはりどうも本調子とまではいかなかったようですがルメ以外ならやらかしてたでしょうな、、
    スルーセブンシーズの猛追はバチコリでした(`・ω・´)道中一瞬詰まらなかったら勝ってたたでしょうね(´;ω;`)おC、いつの間にかワープしてきた感じもあるので気づかないレベル。関テレ実況では無視してましたねw

    • みやや より:

      そだしさん、こんばんは。
      スルーセブンシーズはお見事です、馬券も素晴らしいですね。
      直線入り口で詰まらなければ頭までありましたね、イクイノックスは本調子ではなったんでしょうけど、有馬記念が楽しみですね。