2019年マイラーズC 回顧。インディチャンプが息切れした理由。


走破時計1:32.6 前半800m通過48.5 上り3F32.2

馬場状態は超高速馬場でしたね、9Rの平山特別で2200の日本レコードが出ていますし、8Rでも1800で1:45.4とクラスを考えると異常な好時計です。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今年、赤はインディチャンプが勝った時の東京新聞杯のラップです。

まず今回は800m通過が48.5と馬場を考えても異常に遅く、後半の4Fを44.1で走り切るというトップスピードの質と持続力の両方を問われましたね、特に持続力においては高いレベルでの有酸素運動能力を試された感じで、インディチャンプには苦しい展開でしたね。東京新聞杯では前半の4F45.2とややハイペースバランスで、後半も10秒台には入っていないので踏ん張れたのでしょう。上位3頭に比べて無酸素性作業閾値がわずかに低いのではないでしょうか、前半から11秒台の前半を淡々と刻むような流れで良さが出ると思います。

逃げたのはグァンチャーレ、ダノンプレミアムが2番手から、3番手に内枠を主張してパクスアメリカーナ、インディチャンプはその外でやや掛かり気味。メイショウオワラが外から行ってモズアスコットは中段からでした。後方からスト―ミーシー、ケイアイノーテック、コウエイタケルとトーアライジンが最後方からという流れ。

グァンチャーレは逃げの手に出てドスローに落としましたね、結果的にこれで2着に粘っているので後半の持続力勝負に持ち込んだのは正解だったのでしょう、上がり32.5で纏めたあたりも意外にトップスピードの質を持っていたなという感じ。ダノンはスタートまでやや煩い仕草を見せていましたが、レースが始まったとたんに落ち着き払って折り合っていました、逆にインディチャンプは掛かっていましたね、マイルなのである程度掛かっても問題はないはずですが、ここまでスローになると折り合いに苦労しますね。

パクスアメリカーナは内枠を主張してダノンの後ろを取り切りました、インディチャンプを最内に入れなかったことが着差になって表れた感じですね。高速馬場でここまでスローになってしまうと後方からの組には勝負権が無くなりました、逃げ馬不在で少頭数ではこういう展開も仕方ないですね、日本もラビットを導入する必要があるかもしれませんね。

グァンチャーレに対してダノンはかなり遊んであげていましたね、L3で10.9と一見かなり速いラップを踏んでいるようで実は速くない、それほど今日の馬場は高速馬場でした。5Rの未勝利戦で1:46.7、L2で11.0というラップが出ているくらいなのでL3、L2の10秒台でも驚くほど速くはないんですね。ギリギリまでグァンチャーレを可愛がってあげたのは、ダノンの瞬発力に自信があるからでしょうし、この高速馬場で本気の加速をしてしまった時の反動を懸念してのことでしょう。

当然ダノンの仕掛けが遅くなたっことでパクスアメリカーナとインディチャンプの仕掛けも遅くなりました、結果2頭はグァンチャーレを捉えきれませんでしたね。インディチャンプは一旦は半馬身ほどパクスの前に出ていながら、L1で垂れて差し返されてしまいました。これがAT値(無酸素性作業閾値)の差かな~、前半掛かっていたことも影響したはずですが、それにしても踏ん張りがききませんでしたね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はダノンプレミアム、サウジアラビアRCのように平均バランスで分散した時に、末が甘くなる懸念があって今回どうかな~っと思いましたが、前半が超スローになったことで持続力と瞬発力で圧勝しましたね。前半が流れた時の不安は消えていないので、今後も展開次第ではあっさり負けても驚けません。特に安田記念はアエロリットが出てくれば前半から流れるはずで、案外人気で凡走もあるかもしれません。

2着はグァンチャーレ、逃げてスローに落としての粘り込み、持続力を生かした良いレースでしたね。池添騎手が考えてこれをやったとは思えない、カワキタエンカでスローバランスにする騎手ですから、偶々でしょうね。この馬最大の武器である持続力と高速馬場でも対応できるだけのスピードを見せてきたのは収穫ですね、もちろんダノンに可愛がってもらったのは間違いなく、前半から流れてもこの持続力を見せられるかどうかですね。

3着はパクスアメリカーナ、内枠で最内をすんなり回ったことがゴール前に生きましたね、トップスピードの質には不安の有った馬ですが、高速馬場であったことである程度補えた感じ。ダノンに対しては数段堕ちるので安田記念に出走するようなら、重馬場になって欲しいですね。

4着はインディチャンプ、東京新聞杯の後半4Fは46.2ですから、今回は展開が合いませんでしたね。アーリントンCの時が46.5-46.9で早目に先頭に立つもL1で明確に落として4着、持続力不安はこの時に見せていました、東京新聞杯でもL1が11.9でレッドオルガ、サトノアレスに迫られている。小豆島特別でもエイシンティンクルがやや離して逃げたにせよ、L3で10.9をエイシンが踏むラップで自身も10.7くらいのはず、これでL1が12.0のエイシンを捉えきれなかった。この感じだと内枠で中段のやや後ろからのバテ差しの方が良いかもしれませんね。

5着はスト―ミーシー、6着ケイアイノーテックは今日は出番なし。

7着モズアスコットは+15㎏と全く走れる状態ではなかったですね。

馬券の方はトリガミでした、紐荒れを期待しましたがここまでスローになってはね~。