2023年エリザベス女王杯 回顧。松山騎手は勝つ気があるのか?

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走破時計 2:12.6    前半 61.1  上がり3F 35.1

まずは馬場状態ですが良馬場でした、お昼過ぎにパラっと降りましたが稍重に悪化することはなく、良馬場でレースを迎えられました。6Rの1勝クラス1800mが1:47.1、7Rの2勝クラス2200mが2:13.9なので、乾ききらずに標準的な良馬場という感じですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年エリザベス女王杯のグラフです。

今回のレースは青です、ガタガタのラップになっていて、1400m付近に向けてラップが落ちたのは、3コーナー手前の上り坂の部分ですね。本来ならここで意図的にペースを落とさないようにした方がいいのですが、坂井騎手なのでペースが落ちたのに気付かなかったのでしょう。アートハウスはこの区間でリードが小さくなってしまいました。今回は骨折明けでプラス20㎏なので、無理をさせなかった可能性もありますが、このラップ推移は理解できませんね。

ジェラルディーナは5着でした。昨年はL3から減速ラップに入ったことで届きました。最後方から進めるかと思いましたが、中段辺りから進めたことで掲示板を確保。馬場も速くならなかったのでトップスピードの質が問われませんでしたね。それでも消耗戦という程のラップ推移ではなく、L2ラップまでは加速ラップで差を詰められませんでした。

逃げたのはアートハウス、スタートやや早く特に促すことなく、押し出されるように先頭に立ちました。2番手ローゼライトはスタート五分から促して何とか2番手。ここから馬群が開いてメイン集団の前からスタート五分のハーパー、やや遅かったゴールドエクリプス。中段はバラけてやや前からスタートで内に寄れたブレイディヴェーグ、外からスタート五分にマリアエレーナ。

中段からスタート五分のルージュエヴァイユ、スタート遅れたジェラルディーナ。中段のやや後ろからスタート五分のシンリョクカ、やや遅かったククナ、五分のディヴィ―ナ。中段の後ろからスタート遅かったイズジョーノキセキ、五分に出たサリエラ、後方からスタート五分に出たビッグリボンという並びでした。

逃げるかと思ったディヴィ―ナはスタート五分から前に行きませんでした。行く気がなかったようなスタートで、距離を不安視して前半は足を使わない作戦だった感じですね。距離に不安を感じていた割に、馬群の外を回して距離ロスしているのでチグハグなレース。強気に乗れなかった時点で勝負に負けていますね。

もう1頭弱気な騎乗をしているのが松山騎手ですね、ルージュエヴァイユも初距離だったからか、スタートはブレイディヴェーグよりも良かったにもかかわらず、1コーナーの手前では中段まで下げてしまいました。大問題はトップスピードの質を持っているブレイディヴェーグの後ろになったことですね。この辺りに松山騎手の淡泊さ、「何が何でも勝つ」というハングリーさを感じられない部分ですね。

ローゼライトがスピード不足で、アートハウスにプレッシャーを掛けるほどではなかったので、ペースは遅く前半1000m61.1でした。これは昨年の重馬場よりも遅いタイムで、前半は各馬無理をしていませんね。

4コーナーです、アートハウスが先頭でローゼライトが続きますが、この辺りから手応えが怪しくなります。ハーパー以下は隊列に大きな変化なく続きます。3コーナー手前の上り坂で、前2頭のペースが緩んだことで、メイン集団は楽に前を射程圏に入れられました。上位3頭は最内を回していました、馬場の差というよりはスローからの4F戦ですから、単純に距離ロスの差が出た感じですね。

直線L2標識付近です、アートハウスがリードを保ったまま直線に入りますが、ここでローゼライトが付いて行けませんでした。距離で一杯になった感じではなく、11.6のラップに対応できなかった感じですね。ハーパーが中目、その内にブレイディヴェーグが2馬身程後ろ。最内にルージュエヴァイユが更に3馬身程後ろでした。ジェラルディーナは外から、その更に外からディヴィ―ナで、この2頭はかなりの距離ロスがありました。

直線L1標識付近です、まだアートハウスが先頭で3馬身程のリード、ローゼライトも踏ん張っているので、距離ではなく加速で見劣った感じですね。ハーパーが中目からスムース、ブレイディヴェーグが1馬身程に詰め寄り、ルージュエヴァイユも中目に出してグイグイ伸びてきます。外からジェラルディーナ、ディヴィ―ナがスムースで、その後ろからサリエラが伸びてきます。

ここからブレイディヴェーグがハーパーを捉えて押し切り、ルージュエヴァイユもハーパーを交わして伸びましたが、4分3馬身差届かず2着まででした。ブレイディヴェーグと初手の位置取りが逆なら勝っていたでしょうね。ハーパーが粘って3着確保、この馬はトップスピードの質で見劣りましたが、持続力は高いものを見せましたね。

中目からライラックが伸びてきて4着、実は上がり3F最速はこの馬とサリエラ。ライラックは前走の府中牝馬Sで上がり33.0を出していますが、L1で伸びているのでトップスピードの質は評価しない方がいいと思います。サリエラが最後に伸びてきて、ディヴィ―ナを交わして6着。初手の位置取りが後ろでしたから、この馬のトップスピードの質では届きませんでしたね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はブレイディヴェーグ、スタートでバランスを崩し内側に寄れました。幸い1番枠で他馬に迷惑を掛けず、すぐに立て直してリカバリーして中段のやや前を確保しました。この位置取りには松山騎手の消極的な騎乗も一役買っていますね。中段よりも前を取ったことで勝負あり、メンバー中随一の末脚を持っているわけですから、コースさえ空けば突き抜けるのは当然でした。改めてトップスピードの質と持続力の高さを見せましたね。

2着はルージュエヴァイユ、初手の位置取りだけですね。スタート五分に出ているので先行して欲しかったのですが、距離不安もあったのか中段に下げて届かず。前走の府中牝馬Sで上り32秒台を叩き出して2着まで持ってきたので、末脚勝負に期待したくなったんでしょうね。この辺りが重賞でパッとしな3流厩舎の能力不足なんでしょうね。

3着はハーパー、川田騎手のファインプレイですね。この馬はトップスピードの質が高くないことはハッキリしていますから、馬場を考えてメイン集団の前から進めたのはさすが。ただ最後方から進めるかと思ったブレイディヴェーグが、すぐ後ろに居たらどうにもなりませんね。持続力は見せているので、アートハウスとよく似た馬だなと思います。

4着はライラック、前走よりも後ろのポジションになったので届かず。前走の府中牝馬Sではルージュエヴァイユと0.1秒差、今回は0.2秒差。展開は違いましたが前走と同じポジションなら3着はあったのではないかと。今回は上がり3F34.2で最速タイ、ただこの馬が差を詰めてきたのはL1ですから、トップスピードの質ではなく、持続力を評価した方がいいですね。

5着はジェラルディーナ、パドックから煩くかなり入れ込んでいましたね。待避所ではゼッケンの下から大量の汗が出ていたし、本調子ではなかったのかもしれません。展開的にも消耗戦にならず、トップスピードの質で見劣りました。

サリエラは6着、この馬もトップスピードの質で見劣った口ですね。上がり3Fは最速タイですが、ライラックと同じでL1で伸びてきたので、11秒台の半ば位を連発する持続力で伸びてきました。血統的にも消耗戦で期待できるので、有馬記念では期待できそう。

シンリョクカは9着、スムースでしたが後ろからサリエラに交わされています。阪神JFで見せた末脚は見られませんでした。厩舎が1流ではないし、非ノーザンF生産馬ですから、上手く成長させられなかった感じで、GⅠだけでなくGⅡでも買い難くなりました。

馬券の方は的中、1頭軸で良かったじゃん。先々週の縦目に懲りて2頭軸にしましたが、ビビることなかったですね。次回はマイルCSの予定です。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    お疲れ様でございます。
    すみませんコメントミスです汗
    >ディヴィーナは頑張りましたね→ルージュエヴァイユは頑張りましたね、でした。もちろん馬が、です(´・ω・`)
    ディヴィーナも馬は頑張ったのに違いないですが…汗
    鞍上がルメールと入れ替わってたら着順が丸ごと入れ替わってそう。。

    • みやや より:

      そだしさん、こんばんは
      馬は頑張っているんですけどね~(´;ω;`)
      特にルージュはGⅠひとつ損しましたね。
      来週は我らがシュネルマイスターとダノンザキッドに頑張ってもらいましょう。