2021年京都牝馬S 回顧。ついでにフェブラリーSも。


走破時計1:20.0    前半600m34.0  34.0-34.3平均バランス


まずは馬場状態ですが良馬場でした、9Rのつばき賞が3歳1勝クラス1800mで1:46.2とクラスを考えるとかなり速いタイムでした。上り3Fも1着ヴィゴーレが33.4ですから、高速馬場と言って良いと思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は2020年阪神Cのラップです。

今回はイベリスが逃げ切りましたが、同じコースで行われた昨年の阪神Cでは6着でした。この2レースの違いは4F目ですね、阪神Cは11.4でしたが、今回は11.7ですから中緩みが出来て押し切った。イベリスは中緩みが出来ると良くないと思いましたが、4F目で息を入れての3F戦に持ち込んで、前残りの馬場を生かしての押し切りでした。

期待したアイラブテーラーですが、スタートは五分に出て離されずに追走していました。問題は4F目の中緩みの地点で仕掛が遅れたこと、ギルデッドミラーとブランノワールがこの地点で押し上げていたので、直線入り口ではこの2頭に対して2,3馬身遅れていました。ゴールまでこの差を詰め切れずに4着と、前残りの馬場の影響を受けてしまいました。

逃げたのはイベリス、2番手にアマルフィコースト、中段の前からカリオストロ、メイショウショウブ。中段やや前からアンリミット、リバティハイツ、中段からヤマカツマーメイド、リリーバレロ。中段やや後ろからビッグクインバイオ、シャインガーネット、中段の後ろからメイショウケイメイ、ギルデッドミラー。後方からマリアズハート、アイラブテーラー、ブランノワール。ポツンとアフランシールという並びでした。

まずイベリスは押して押しての逃げ主張であっさり逃げ体勢を築きました、他に競りかけてくる馬も居なかったので、ここからマイペースで集団をコントロールできましたね。リリーバレロはスタート五分から下げてしまい中段でした、引退レースで無理を差せなかったということでしょうか?リバティハイツは外から上がってきました、この位置取りは良かったと思います。外を回されたし中緩みを容認したので、展開が合わなかったですね。

2着のギルデッドミラーはスタート五分から下げてというか、出して行かずに折り合い重視、馬具の変更とサラッと出したこと、前半34.0というペースが良かったようで折合いが付いていました。3着ブランノワールはスタート五分で下げて行きましたね、1400mのスピードが少し速かった感じで、馬群の後ろへ入れていました。アイラブテーラーはスタート五分に出て後方から、両隣の馬が大人しければゲートの不安はないですね。

4F目で11.7の中緩みが出来ています、ここで馬群が凝縮しました。外から押し上げたのがギルデッドミラーと、それに続いたブランノワール。この地点で待ってしまったのがアイラブテーラーでしたね、この影響で外にアフランシールに来られてしまい、直線入り口でも若干影響があった感じ。

4コーナーです、イベリスがペースを引き上げてL3が11.4、ここで引き上げられてしまうと、外を回す馬は苦しくなります。特に距離ロスの影響があったのはシャインガーネットですね、前半出して行かなかったのでこの位置取りになり、ロスが大きい競馬をしています。ギルデッドミラーとブランノワールも外を回していたので、距離ロスが大きかったと思います。

直線L1標識付近です、イベリスがL2で11.2を出して出し抜きました、この地点で3馬身程リードを築いていましたね。イベリス自身は瞬発力が高い馬ではないと思いますが、阪神内回りはL4から下り坂なので瞬発力を補えた感じです。加えて2列目で馬群を蓋していた馬、カリオストロ、アマルフィコースト、リバティハイツ、シャインガーネットが瞬発力とトップスピードの質が高いタイプではないので、この事もイベリスにとっては出し抜けた理由だと思います。

シャインガーネットは2着がありそうな感じでしたが、外から差されているのでトップスピードの質が低いことを見せてしまいました。ビッグクインバイオはL1でシャインガーネットにも引き離されたので、やはり坂上ゴールは良くないのだと思います。ギルデッドミラーは外からスムースでしたが、L1が11.5くらいで届かず2着まで、NHKマイルCを見てもキレッキレのトップスピードの質を持っているわけではないので、中緩みで取り付いたとはいえ前残りの高速馬場で、外を回しては届きませんでしたね。これはブランノワールも一緒。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はイベリス、すんなり逃げて中緩みを作り押し切り、前走阪神Cで牡馬の混合のGⅡからすると今回は相手は楽でしたし、阪神Cでは55㎏のところ今回は54㎏と全てが向いた感じですね。もちろん高速馬場で前残りというのも味方しましたし、今後を考えると好走条件が見えてきましたね。まず高速馬場で1400mなら中緩み、1200mなら一本調子な消耗戦、阪神コースは下り坂を利用できるので好相性、ということでしょうね。

2着はギルデッドミラー、馬具の工夫とスタートで出して行かなかったことで折り合いが付きましたね、今回は前半34.0と流れたことも良かったはずです。中緩みで押し上げた福永騎手の判断も良かったし、4コーナー外を回して距離ロスがあったのは枠を考えれば仕方のない事、納得の2着です。この位置取りだと届かないことも見せたので、折合いが付いて中段の前に付けられるようになると良いのですが。4走続けて外枠ですからそろそろ内枠が欲しいですね。

3着はブランノワール、1400mのスピードでは追走一杯でポジション云々ではなかった、しかし中緩みでギルデッドミラーに付いて行けたので、直線3着まで持ってきました。前にギルデッドミラーが居たので、良い目標になったし持続力の高さは再三見せていますから、スムースなレースで力を発揮できたと思います。中緩みがない消耗戦だったら2着はあったでしょうね、バテ差しの展開の方が良いと思いますが、今回の展開でも好走できたのは今後に向けて好材料だと思います。

4着はアイラブテーラー、4F目の中緩みでギルデッドミラーに付いて行かなかったことが、最後に届かなかった理由でしょうね。ブランノワールが3着にきているので、岩田騎手への評価は下げざるおえないですね。福永騎手が良い判断をしているので、余計に騎手の差が際立ってしまいました。問題だったスタートは両隣の馬が大人しかったので、すんなりとゲートを出たので、今後も両隣の馬については要注意ですね。

5着がシャインガーネット、終始外を回したロスと直線で見せたトップスピードの質の低さ、これを考えると中段からの差しよりも、中段の前から押し切るレースがベストでしょうね。もちろん道悪になってトップスピードの質が問われなければこなせると思います、それがファルコンSですからね。田辺騎手が出して行かなかったのは、今後に向けて不安になります。

6着はアマルフィコースト、2F目で10.8を自身も踏んでいるので粘り切れませんでしたね。リリーバレロは引退レースで回ってきただけだった感じ、こういう使い方はどうかと思いますね。もし勝負に来ていたとしたら、前残りの馬場で中段まで下げた松山騎手の馬場読みは非難されても仕方ないですね。マリアズハートは内へ行ってしまい万事休す、外枠を引くのを待ちましょう。

馬券の方は軸が外れてしまいどうにもなりませんでした、馬場状態をもっと重視すべきでした。

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フェブラリーS 簡単回顧。

馬場状態は良馬場、良馬場の割には速いですね。走破時計1:34.4は良馬場とは思えないタイムで、昨年は同じく良馬場で1:35.2でした。過去に良馬場で走破時計が1分34秒台になったのは2006年カネヒキリ1:34.9、2010年エスポワールシチー1:34.9だけなので、いかに今回のタイムが速かったか分かりますね。

2021年 走破時計 1:34.4  前半800m 46.5  46.5-47.9

2020年 走破時計 1:35.2  前半800m 46.4  46.4-48.8

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は2020年フェブラリーSのラップです。

9RにヒヤシンスSが行われましたが、今年は1:36.8、2020年は1:37.7なので今年は馬場が速かったし、前が止まらない流れだったということですね。なので今年のタイムだけでカフェファラオがダートでトップクラスに入ったと言えるか、今の時点では言い切れないと思います。

カフェファラオについてはラップ推移や、前後半のバランスではなく単純に連続好走しないのでは?

前半の位置取りから見ると上位3頭は最内をロスなく進んでいます、カフェファラオが中段の前、ワンダ―リーデルが中段、エアスピネルが中段やや後ろでした。3,4コーナーでコーナーワークを生かして、ワンダ―リーデルとエアスピネルは中段やや前まで上がり、直線もスムースでしたね。ワンダ―リーデルはエアスピネルよりも前で直線に入りました、ワンダ―リーデルは進路変更せずスムース、エアスピネルは前を交わして進路変更して伸びてきました。ワンダ―リーデルが刺された理由は距離適性の差だと思います、ワンダ―リーデルは1400mベストでマイルは1F長かったと思いますが、軽い高速馬場で誤魔化せた感じでした。

アルクトスは1400mベストだと思います、軽い高速馬場でも外を回してしまったために距離ロスもあったし、差しに回ってしまっては速い上がりがないので苦しくなりました。サンライズノヴァは展開合わずだけでなく、542㎏とプラス8㎏だったので調整失敗ですね

今回光った騎手が二人いました、一人は4着の川田騎手です、スタートは一番速く内を見ていました、内の馬が速いと見るやすぐさま中段やや後ろまで下げましたね。結果は届かず4着でしたが、川田騎手のペース認識の良さが裏目に出てしまった感じ。もう一人は横山典騎手ですね、普段中段よりも後ろから競馬をする馬を、中段やや前に出して行きました。これは馬場状態を読み切った好判断だと思います、この馬場状態ならこのペースでも勝負になると思ったのでしょう、横山典騎手の能力が高いことを見せたレースだたっと思います。

馬券の方はまたしても縦目、展開予想は前半が速くなると思ったのですが、馬場状態を読み切れずハズレでした。土曜の京都牝馬Sも中緩みを予想できましたが、前残りの馬場を読み切れず縦目、ちょっと流れが悪いですね。来週は阪急杯と中山記念で頑張ります。

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