2020年オールカマー 回顧。主役はミッキースワロー。


走破時計 2:15.5  前半1000m 64.3  上り3F 35.2

稍重  含水率 ゴール前 12.1%  4コーナー 13.4%

クッション値 9.7 標準

まずは馬場状態ですが稍重表記でした、走破時計から見ても稍重表記で納得できる馬場で、先週の良馬場表記はおかしかったですね。前半かなり遅かったためにL2まで11秒台でしたが、L1も12.2で収まっているのはゴール前の含水率に寄ることろでしょう。先週は4コーナーよりもゴール前の方が含水率が高く、今回はゴール前の方が含水率が低かったので、ちょっとした加減で含水率が大きく変化する感じですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は2020年セントライト記念のグラフです。

先週のセントライト記念の馬場はこちら。

走破時計 2:15.0  前半1000m 62.6  上り3F 37.0

良馬場  含水率 ゴール前 11.4%  4コーナー 10.8%

クッション値 9.7 標準

先週は良馬場で今週は稍重の発表です。もちろん3歳限定戦と古馬のGⅡですから違って当然ですが、そこを考慮しても先週の馬場表記はおかしかったですね。クッション値を公表することになって、馬場造園課の人も神経質になっているのではないでしょうか。今後も馬場表記はあまり信用せずに、タイムで判断した方が良いと思います。

まず逃げたジェネラーレウーノのペースですが、前半64.3と乗り替わった意味がないペースでした、稍重馬場を考慮しても後半58.7で走り切ってしまう馬場ですから、ペースは明らかに遅いですね。三浦騎手だけでなく2番手から進めたステイフーリッシュ田辺騎手もこのペースで動きませんでした。体内時計が不正確なんでしょうね。

このペースに危機感を抱いたのが横山典騎手でした、1000m過ぎからジワっと上がって行くと、カレンブーケドール津村騎手が反応して一気にペースが上がりました。それがL5手前付近ですね。ここから前は一気にペースアップを続けますが、スイッチを入れに行ったミッキースワロー横山典騎手は下がっていきます、まるで2017年宝塚記念のサトノクラウンを見ているようでした。宝塚記念の時はL6から11秒台に入っていますが、今回はL5からなのでその分前も粘ってしまいましたね。

逃げたのはジェネラーレウーノ、2番手にステイフーリッシュ、クレッシェンドラヴが中段の前からでカレンブーケドールがその外。中段からサンアップルトン、ミッキースワロー、中段の後ろからセンテリュオ、後方からになったのがオウケンム―ンとアウトライアーズという並びでした。

逃げたジェネラーレウーノの1000m通過は64.3と、「新馬戦か!」と言いたくなるほどのスローペースでした、後半の1000mを58.7で走り切れる馬場ですから、このペースはいくらなんでも遅過ぎましたね。乗り替わった三浦騎手がなぜこのペースにしてしまったのか、稍重表記にビビったのか、逃げれば何でもいいと考えていたのか。もう一つ考えられるのはジェネラーレウーノの特性を理解していない可能性ですね、逃げてスローに落として、他の馬が追い出したら一緒に追い出すという考えのような気がします。今年はトロワゼトワルで良いレースをしているように見えますが、ヴィクトリアMもあれで平均バランスなんですよね、続く中京記念ではハイペースバランスで凡走、これにビビったのか2着だった関屋記念でも平均バランスでした。関屋記念は2着なので平均でもいいのですが、ペース認識の悪さと同時に、馬の特性を事前に勉強していない可能性も大いにあると思います。同じことが2番手で折り合った田辺騎手にも言えますけど。

クレッシェンドラヴの内田騎手はミッキースワローよりも前を取りに行きました、スタート五分から押していましたから、ポジションを取る意識を見せましたね、事前にミッキースワローよりも後ろでは1着を取れないと考えていたのでしょう。

センテリュオの位置取りは前から8馬身位の位置、いつもの多頭数の時とは比べ物にならない位置取りでしたね。この位置取りで懸念された心肺機能は、三浦騎手が超スローに落としてくれたおかげで問題なくなりました。

3コーナー手前残り800m付近です、1100m付近でミッキースワロー横山典騎手がスイッチを入れに上がりました、これに反応したのがカレンブーケドルで一気に先頭に並ぶ勢い、これで前は一気にペースアップしてL5から11秒台に入ります。この11秒台のラップにはステイフーリッシュとクレッシェンドラヴも付いて行きました。スイッチを入れに行ったミッキースワローはこの動きを見て下がっていきます、なのでミッキースワローはこの辺りで12秒台のはずですね。

ミッキースワローの動きに対して反応せず足を溜めたのがセンテリュオ戸崎騎手です、ここで動いてしまったら1着はなかったでしょうね。同時にミッキースワローがスイッチを入れに行かなければ、センテリュオは勝てなかったと思います。ミッキースワローがスイッチを入れに行ってくれて、戸崎騎手は「しめしめ」と思ったでしょうね。

4コーナーL2標識付近です、ジェネラーレウーノにカレンブーケドールが並んで直線に入ってきます、ステイフーリッシュはカレンブーケドールのやや外でした。このコース取りは謎ですね、この地点でカレンブーケドールはスピードが落ちていませんから、ここで交わしに行く必要はない。むしろ道を作ってもらって空気抵抗を抑える場面です、この辺りも田辺騎手のレースセンスを疑う部分ですね。そもそも直線勝負でカレンブーケドールに勝てないことは京都記念ではっきりしているわけで、この動きを見せられると事前になにも勉強していないんだなと思ってしまいます。

ミッキースワローはいつもの反応ではなく、この地点でかなり苦しんでいました。向正面で動いたからとは思えないので、11秒台を外からと言うのはさすがにきつかったのかも。センテリュオはL3から追い出しに掛かって、前のミッキースワローを風除けに、L2から外にスムースに出しました。

直線L1標識付近です、カレンブーケドールが抜け出したところで、内からクレッシェンドラヴ、ステイフーリッシュが追いかけます。ミッキースワローの脚色が悪くなったところを、センテリュオがスムースに伸びて差し切りました。センテリュオのL2は11.2くらいのはずで、褒められたトップスピードの質ではありませんが、L3からL1まで11秒台のはずなので持続力の高さを見せましたね。

クレッシェンドラヴとステイフーリッシュは、向正面でペースが上がった時に付き合っているので、その分だけゴール前脚色が鈍った感じ。特にクレッシェンドラヴは普段前に行っていない馬ですから、あの動きには戸惑ったはずです。カレンブーケドルはさすがの持続力でしたね、休み明けでなかったら押し切っていたと思います。この辺りにカレンブーケドールの運の無さがありますね、ロンスパ戦自体はこの馬に合っているのですが、こういう時に限って休み明けで取りこぼしてしまう、叩いて絶好調になると騎手に足を引っ張られてしまうと・・・。

では1頭ずつ見て行きます。

1着はセンテリュオ、多頭数では届かない馬が、少頭数で前を射程圏に入れての快勝でした。ミッキースワローが動いた時にじっとしていたこと、ミッキースワローが動いてくれたことは幸運でした。大阪城Sでも稍重で上がり最速と道悪適性は見せていましたから、あとは届くかどうかだけなんですよね。前半が速くなってしまうと息切れしてしまうので、前半超スローに落としてくれた三浦騎手にも感謝ですね。エリザベス女王杯へ向かうのかな?例年エリザベス女王杯はスローからのL2最速戦になりますが、今年はクロコスミアが居ないので、どんな展開になるか未知数ですね。しかも今年は阪神なので余計に展開が合わない可能性も。

2着はカレンブーケドール、この馬自身がミッキースワローに追い出しを掛けられて、L5から11秒台のロンスパ戦になりました。L2最速戦よりは余程この馬向きなので、むしろこの展開はありがたかったはずです。横山騎手が来なければ津村騎手が自分から動く可能性は低いですからね。差されたのは休み明けの分でしょう、叩いて次が本番ですからね。本番で騎手に足を引っ張られないと良いのですが。

3着はステイフーリッシュ、休み明けの割に良く走ったと思います、この馬もトップスピードの質で勝負するタイプではないので、ロンスパ戦で3着は及第点でしょう、馬は。前半が遅過ぎたにもかかわらず、動かない田辺騎手には言葉がありませんが・・・。この馬を本命にしていた人からすれば、前半あのスローペースに付き合ってしまうというのは、はらわたが煮えくり返る思いだったでしょうね。

4着がクレッシェンドラヴ、前半ミッキースワローよりも前に行ったことは高評価ですね、この辺り好調な内田騎手のファインプレーだと思います。ただスイッチが入ってから前に付いて行ってしまったのは、普段先行していないこの馬の脆さが出たんだと思います。加えてスイッチを入れに来たのがミッキースワローですから、あそこで前に出られたら差し返せないと思ったはず、普段この馬で先行していない内田騎手の焦りも出たのだと思います。この辺りの動きを見ていると、内田騎手は相当ミッキースワローを意識して乗った感じですね、ミッキースワローを意識して乗ること自体は決して間違えてはいない、ただ今回はミッキースワローが本調子ではなかった、この辺りは運が無かったですね。

5着がミッキースワロー、自分でスイッチを入れに行ってL5から11秒台連発、これを外から捲りに行くのはしんどかったですね、ただ好調な時のミッキースワローなら捲り切れなくても、直線で差してくるはずなので、休み明けで体調イマイチだったかもしれませんね。どこを見据えているのか分かりませんが、GⅠへ向けて余裕残しだったのかもしれません。

6着以下はミッキースワローから3馬身以上離されています、病み上がりの馬達ですから仕方ないですね。ジェネラーレウーノはL1まで踏ん張っていて、次走に期待が持てそうに見えますが、前半があまりにも遅いので心肺機能が戻ったとは考えない方が良いかもしれません。穴で期待したアウトライアーズは、少頭数で超スローペースを最後方からという謎騎乗でした。

馬券の方は馬連、3連単ともに的中でした。久々の3連単で嬉しいです。次回はスプリンターズSの予定です。