2020年スプリンターズS 回顧。安田隆厩舎はロードカナロア産駒の解を見つけたか。

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走破時計 1:08.3  前半600m 32.8  上り3F 35.5

良馬場  含水率 ゴール前 11.9%  4コーナー 10.7%

クッション値 10.8 やや硬め

まずは馬場状態ですが良馬場で行われました、ちなみに昨日の馬場状態はこちら。

良馬場  含水率 ゴール前 11.6%  4コーナー 9.7%

クッション値 10.4 やや硬め

実は土曜日に散水をしていて含水率、クッション値共に悪化しています。これにより走破時計は想定を大きく下回りました。力の要る重い馬場だったと思います。昨日の勝浦特別1200mの走破時計が1:08.8ですし、秋風Sマイル戦が1:33.3ですから、同じ良馬場でも一晩でガラッと変わってしまいました。内よりも外の方が伸びていて、上位の馬は直線外に出していましたね。


上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は2019年スプリンターズSのグラフです。

このグラフを見ればいかに今回の馬場が重かったか分かりますね、昨年はL3からL2で0.1加速、まぁ誤差の範囲ですが落としていないので逃げたモズスーパーフレアに余力がありました。今回は絡まれていますが前半は同じペースですから、さすがに馬場を考えると暴走の誹りは免れないでしょう。これは松若騎手、藤岡佑騎手両方に言えますね、馬場読みとペース認識の悪さをモロに見せてしまいました。

で、馬場読みの正確さをいかんなく見せつけたのが、勝ったグランアレグリア騎乗のルメール騎手です。伏線はありましたね、9Rです。2歳限定のサフラン賞、少頭数で後方からでしたが、4コーナーから直線のコース取りは見事の一言に尽きます(VTR必見ですよ)。スプリンターズSでは道中は後ろ過ぎて届かないのかと思いましたが、馬場を読み切っていたのでしょう、あわてず騒がず後方2番手で脚を溜めて、4コーナーからスムースに伸びる外を走らせて圧勝。これを見せられたらルメール騎手に有力馬の騎乗依頼が殺到する理由が分かりますね。

今回もう一点気になったことがあります、ダノンスマッシュの好走です。今までの感じから前哨戦圧勝で反動が出る番と思いました、しかし予想に反して2着に好走してきました。ダノンスマッシュは今回中2週だったこともあり、調教を軽めにセーブしていたとのことです。今年の京成杯AHを勝ったトロワゼトワルも、前走関屋記念2着激走からの1着と、ロードカナロア産駒らしくない連続好走で驚いたのですが、この馬も安田隆行厩舎の馬。今回はダイアトニックも安田隆厩舎のロードカナロア産駒ですが、調教はいつも通りでしたから2頭を分けて試した感じ。どうも安田隆厩舎はロードカナロア産駒の方程式を解いた感じですね、今後は安田隆厩舎に限っては、ロードカナロア産駒の反動は気にしなくて良さそうです。

逃げたのはモズスーパーフレアとビアンフェでした、やや間隔を空けてラブカンプー、更に2馬身程空けてダノンスマッシュ、メイショウグロッケ、ライトオンキューが中段の前から。ミスターメロディ、ダイアトニックが中段のやや前、中段からダイメイプリンセス、キングハート。中段のやや後ろになったのがダイメイフジ、レッドアンシェル、中段の後ろからエイティーンガール、クリノガウディ―。後方からグランアレグリア、アウィルアウェイという並びでした。

まず逃げ争いがありました、馬場を理解していない2人の騎手がゴリゴリに競り合い、前半600m32.8と昨年と同タイム。さすがにこの馬場では共倒れになりましたね。ダノンスマッシュはスタートイマイチも、川田騎手のリカバリーで中段の前に付けました。この辺のリカバリーの上手さは、阪急杯のフィアーノロマーノでも見せていましたね、川田騎手のファインプレーだと思います。ライトオンキューはスタートが良過ぎたのか、いつもよりも前の位置取りでした。ダイアトニックは前半600m34.0で行っているので、本調子ではなかったようです。

ミスターメロディの福永騎手はビアンフェの動きをみて少し控えた感じで、この辺りは福永騎手も馬場が重い事を分かっていたのでしょうね。ダイメイフジはスタート五分でしたが、出して行く素振りも見せなかったので、菱田騎手は先行する気が無かった感じ、それ以上に2走続けてマイナス14㎏と走れる状態だったかどうかも怪しいですね。キングハートはポジションを取るという話でしたが、いつも後方からだったのでそう簡単に前に行けませんでしたね。意外だったのがダイメイプリンセスの位置取りで、前走北九州記念で中段から進めて凡走しています、またもや同じ位置取りをしてきたのは驚きでした、秋山騎手ですか~。

4コーナーです、ビアンフェとラブカンプーが減速し始めます、ラブカンプーを内からミスターメロディ、外からダノンスマッシュがスムースに交わして行きます。キングハートはここで一瞬詰まりました。ダイアトニックはここからレッドアンシェルに外から張り付かれてしまい、スムースに外に出せませんでした。

このL2標識付近で、グランアレグリアは集団に取り付き、アウィルアウェイも直線入り口では集団に追いつきました。2頭ともスムースに加速して直線に入ってきます。

直線L1標識付近です、モズスーパーフレアが頑張っていますが、この辺りで一杯になりました。ミスターメロディがコーナーワークを利用してスムースに抜け出してモズスーパーフレアに並びかけ、ダノンスマッシュが外からミスターメロディを追いかけます、このコース取りを見ると川田騎手は伸びるのが外と分かっていたようですね。ここでダイアトニックが狭くなり、横山典騎手が止めました。

グランアレグリアが外からスムースに追い込み1着、アウィルアウェイがグランアレグリアを目標に伸びてきて3着でした。この2頭は前の組とは全く違うレースをしていて、前半はスローバランスです。グランアレグリアの前半3Fは34.7ですから、足を溜めて後半の3Fで勝負するディープインパクト産駒らしいレース振りです。この感じはキーンランドCで3着に激走した、同じディープインパクト産駒ディメンシオンと同じようなレースでした。1200mではディープインパクト産駒が苦戦していますが、こういったレースをするとディープインパクト産駒でも好走できるんですよね。特にグランアレグリアはスムースなら、トップスピードの質と持続力は安田記念などで見せていますから、今後もスムースならば取りこぼす可能性は低いでしょうね。

では1頭ずつ見て行きます。

1着はグランアレグリア、前半の3Fは34.7と足を溜めて後半3Fが33.6、ですから自身はスローバランスです。ユッタリ入って後半3Fをトップスピードの質と持続力で勝負を決めるディープインパクト産駒の得意パターン、もちろんこのパターンに嵌め込んだこと、良馬場表記でも力の要る馬場状態で外が伸びるコースの見極め、さすがルメール騎手と言うレース振りでした。

2着はダノンスマッシュ、自身は前半3F33.6で後半35.0ですからハイペースバランスに入っています、改めて心肺機能と持続力の高さを見せました。が、1頭凄いのが居ました、勝ち運がないとしか言いようがない馬ですね。上記しましたが、安田隆厩舎のロードカナロア産駒は反動を気にしなくて良さそうですね、今回のダイアトニック、さらに言えば京成杯AHのトロワゼトワルも含めての実験は今後に繋がるはずです。今回も上り坂ではミスターメロディを交わせず、坂上でグ~ンと来ました、この辺りが坂を苦手にしている部分で、坂で早目にミスターメロディを交わせる加速をしていれば1着もあったかもしれませんね。今後は平坦コースで狙いたいですね。

3着はアウィルアウェイ、前半3F 35.0で最後方から、この馬もスローバランスで前が止まる展開が味方しました。今までは坂でイマイチでしたが、スムースな加速が出来たこともあり坂を苦にせず差し込んできたので、坂を不安材料にする必要はないでしょう。良馬場ですがかなり重い馬場で、逃げ争いもあり前が止まったことが好走要因ですね。

4着はミスターメロディ、福永騎手が上手かったですね。まず前半ビアンフェの動きを見て前に行き過ぎなかったこと、4コーナーで最内に入れて直線入り口でバランスを崩さなかったこと、この2点が大きかったですね。それでも直線で手前を替えてから一瞬スピードが鈍った感じなので、右回りの分だけ3着を確保できなかったですね。

5着がクリノガウディ―、まぁミスターメロディから1馬身離されていますから、勝負には絡めていません。この馬が5着にきていることを考えても、馬場は重かったですね。上り34.6でバテ差しですから、展開的には悪くなかったはずです。もう少し前に行ければ今後もチャンスはあると思いますが、今回もテン乗りですし使い方を改めることが先でしょう。

6着レッドアンシェルは坂で伸びず、13着のダイメイフジは2走続けてマイナス14㎏ですから、走れる状態ではなかった感じ、この辺り厩舎力がモロに出ましたね。

馬券の方は馬連だけでトリガミでした、次回は日曜の京都大賞典と毎日王冠の予定です。