2021年函館SS 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<イッツクール>・心肺機能はやや高く、パワーは有る、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。

レース名 着順 内容
朝日FS 9着 スローバランスを逃げて凡走。
マーガレットS 2着 平均バランスを少頭数の中段から、3,4コーナー内目を回して直線進路変更に手間取り2着まで。
ファルコンS 12着 ややハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。直線入り口ですぐ内に居たハッピーアワーにトップスピードの質で完敗。
2019年紅葉S 9着 ハイペースバランスを逃げ争いをして凡走。
2021年中京スポーツ杯 1着 不良馬場でハイペースバランスを逃げ切り。不良馬場で1F誤魔化せたこと、L3から12秒台に減速してL1が13秒台なのでレースレベルは低い。
2021年京王杯SC 14着 平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。前半引っ張って抑えてしまい、直線伸びなかった。
総評
ききょうSでは平均バランスを逃げて押し切り。トップスピードの質が低く、瞬発力はない。心肺機能とパワーの両立型で持続力も高い。すんなり逃げられれば。朝日杯FSではスローバランスを後半ロンスパに持ち込んだが9着、L1明確に落としているので距離。マーガレットSでは平均バランスを中段から、直線前が詰まって2着まで。ファルコンSでは中段の後ろからになり全く伸びずに凡走した、直線入り口ですぐ内に居たハッピーアワーにトップスピードの質で大きく見劣った。2019年紅葉Sでは逃げ争いになり前半4F44.7なので、速過ぎて話にならないレベル。2021年中京スポーツ杯では不良馬場で1400mをこなせた、超が付くほどのハイペースバランスに持ち込んで粘り込んだ、L3から12秒台に入りL1は13秒台にまで減速しているので、レースレベルは低い。2021年京王杯SCでは平均バランスだが中段で無理やり抑えてしまい、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣った。

「函館SSへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険、展開。

好材料は距離適性で1200mはダートだがブラッドストーンSで2着、芝ではマーガレットSで2着がある。直近で良かったのが中京スポーツ杯2着で、この時はダートで不良馬場だったが逃げ切り、1200m通過が1:10.0なので逃げてしまえばチャンスはありそう。悪材料はクラス負けの危険で、前走は酷い騎乗で凡走しているので度外視して良いが、芝の古馬重賞は前走以外走っていないので、どこまで通用するかは未知数。展開が一番大きな不安材料で、前走は何を思ったか中段で手綱を引っ張て抑えていた、中京スポーツ杯の勝ち方を見れば控えて良いタイプではないし、馬と喧嘩してまで抑える意図が分からなかった。

適:竹

<エーポス>・心肺機能は高い、パワーは高い、瞬発力は不明。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを2,3番手先行から、3,4コーナー最内を回して直線捌いて差し切り。”白梅賞”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”エルフィンS”ではややハイペースバランスを逃げ争いから2番手で進め、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが差されて4着。”フィリーズレビュー”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー最内を回して直線馬群を捌いてバテ差し1着。”桜花賞”では重馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが凡走。”2021年阪神牝馬S”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年京王杯SC”では平均バランスをやや離れた追走集団の中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。

「函館SSへ向けて」好材料:・・・。 悪材料:クラス負けの危険、初距離。

<心肺機能について>フィリーズレビューでハイペースバランスを中段から、自身でもハイペースバランスに入っていたはずで、これをバテ差しで圧勝したのは心肺機能に余裕があったためだと思う。桜花賞では中段やや後ろ辺りから、3,4コーナー外目から直線中目を通してジリジリ伸びる、L1で明確に減速してしまい凡走したので、距離が理由でL1手前までの伸びを考えると心肺機能は悪くない物を見せた。

<パワーについて>これもフィリーズレビューでL1の坂をものともせずバテ差している、この時は稍重だったこともありパワーは豊富なはず。桜花賞でL1手前まで悪くない伸びだったので、パワーも見せた。

<瞬発力について>新馬戦、白梅賞のL2で良い加速をしているが、この時は前半がかなり遅かった。流れた中での急加速に対応できるかどうかは未知数。

<トップスピードの質について>新馬戦、白梅賞でもスローバランス、それもかなり前半が遅かったが上り35秒台だったので、トップスピードの質は低いはず。2021年京王杯SCでは平均バランスをやや離れた追走集団の中段の前からだったが、自身ややスローバランスでトップスピードの質で見劣った。

<持続力について>フィリーズレビューでハイペースバランスをバテ差し、この時はL1で12.5迄落としているので、高いレベルで持続力を見せられるかは未知数だが、圧勝しているので持続力の高さは見せている。

<その他について>この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは不安がある、加えてジャスタウェイ産駒なので疲労にも弱い可能性があるので、休み明けと使い詰めで不安が増すはず。

新馬戦からかなり掛かっていて、これはフィリーズレビューでも見せていた。1400mで前半33.4なので自身も34秒台前半では入っている、これでも掛かっているようだと、むしろ前半33秒台を先行してしまった方が良いかもしれない。桜花賞ではL1手前まではジリジリ伸びていたが、L1ですぐ横に居たミヤマザクラに明確に見劣った、この感じからも1400mがベストだと思う。2021年阪神牝馬Sでは長期休養明けだったが、先行して5着に粘った。この時は調教で良い時計が出ていた。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、前走の京王杯SCでは0.5差7着、自身よりも前に居たラウダシオン、ビオグラフィーに見劣ってしまったので、中段の前で折り合ってしまうと危なくなる。1200mなのでハイペースバランスになれば、心肺機能と持続力を生かせると思う。1200mが初めてなので距離適性は不明。

適性:竹

<ギルデッドミラー>・心肺機能は高く、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや低く、持続力はやや高い。

”新馬戦”では稍重でスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”サフラン賞”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。”萩S”では稍重でスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが5着まで。”こぶし賞”では重馬場でスローバランスを中段から、3コーナー手前で2番手に上がり4コーナー中目を回して直線スムースだったがサトノインプレッサに差され2着。”阪神1勝クラス”では平均バランスを中段から、4コーナー中目を回して直線スムースに差し切って圧勝。”アーリントンC”では稍重でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”2020年NHKマイルC”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線内からスムースに差し込み3着。”2020年中京記念”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが6着まで。”2020年信越S”では平均バランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年リゲルS”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年京都牝馬S”では平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着まで。”2021年阪神牝馬S”ではスローバランスを中段の前からで掛かっていた、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「函館SSへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:特になし。

<心肺機能について>アーリントンCではハイペースバランスで、自身も中段からでハイペースバランスに入っている、これで3,4コーナー中目を回して直線バテ差し2着だった、この時の1着がタイセイビジョンでこの馬は朝日杯FSでハイペースバランスをサリオスの2着しているので、ギルテッドミラーも高評価でいいと思う。

<パワーについて>中山のサフラン賞で坂まではマルターズディオサと互角だった、坂上で離されているのでパワーは十分ある。

<瞬発力について>サフラン賞のL2が0.7の加速をしているので、まぁまぁの物を見せた。

<トップスピードの質の質について>萩Sでスローバランスを直線で見劣り5着、こぶし賞でも早目に動いているが、直線で外からサトノインプレッサに差されているので、トップスピードの質は高くはない。2021年京都牝馬Sでは中段の後ろから、ソロっと出して折り合っていた、中緩みで押し上げてスムースだったが届かずなので、トップスピードの質が足りなかった。

<持続力について>阪神3歳1勝クラス、アーリントンCでトップスピードの質を問われない展開で、持続力を発揮してきた。ただアーリントンCでタイセイビジョンに差されているし、サフラン賞で坂を上がってからマルターズディオサに差されているので、やや高いという評価で良いと思う。NHKマイルCで平均バランスを中段の前からで自身はややスローバランスだったはず、終始最内を回してロスがなかったので、かなり恵まれたが自身L1まで11秒台だったので、持続力の高さは見せた。

<その他について>NHKマイルCでで休み明け4走目を3着に好走したことで、疲労耐久性の高さを見せた。2020年中京記念では外枠で掛かり気味、前半800m45.8のハイペースバランスだったが、これでも行きたがっていたので、外枠だと折り合えない。2020年信越Sでは外枠で掛かり気味、直線全く伸びなかった。2020年リゲルSでも外枠で掛かってしまい凡走、折り合うには内枠が欲しい。1200mで先行した時は要注意。2021年阪神牝馬Sでは掛かって自滅、この時は前半600m35.1とかなり遅かった。

好材料は距離適性で、1200mは初めてだがマイルでは掛かっているので、1200mのハイペースバランスならば折り合えるはず。お兄ちゃんにミラアイトーンが居るので、血統的にも1200mは合うはず。悪材料は特になく、京都牝馬S2着だし、NHKマイルC3着なのでクラス負けの危険も少ないと思う。

適性:松

<カツジ>・心肺機能は低く、パワーは高い、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質はやや高く、持続力は高い。

”ニュージーランドT”では平均バランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースに差し切り。”NHKマイルC”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2018年毎日王冠”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2018年マイルCS”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて4着。”2019年京都金杯”では平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2019年洛陽S”ではややスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。”2020年新潟大賞典”ではややスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースだったが伸びずに凡走。”2020年米子S”では平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線狭くなったが伸びずに凡走。”2020年オパールS”では重馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年スワンS”ではスローバランスを逃げ切り。”2020年マイルCS(阪神)”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年阪急杯”では平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年高松宮記念”では重馬場でややハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「函館SSへ向けて」好材料:なし。 悪材料:展開。

<心肺機能について>ニュージーランドTでは平均バランスを後方から差し切り、この時の2着がケイアイノーテックだった、ここでは後方からで心肺機能が問われていない。NHKマイルCが問題でゲートで暴れてやや出負けした、内からリカバリーするスペースが有ったので中段のやや前まで上がっているので、自身はハイペースバランスになっているはずで、これで直線伸びなかったのは心肺機能が低いからだと思う。2020年スワンSでは逃げ切っているが、スローバランスなので心肺機能は評価できない。2021年阪急杯では中段やや後ろからだったが、1400mらしいペースで苦しくなっている。2021年高松宮記念では重馬場でややハイペースバランスを中段やや前から、前半が速過ぎて追走一杯になってしまった。

<パワーについて>ニュージーランドTでL1の坂を物ともせず差し切っている、この時の2着がケイアイノーテックなのでパワーは高い。

<瞬発力について>デイリー杯では2番手先行していたが、L2まで追い出しを待ってしまい、後ろからジャンダルムに差されているので、瞬発力はやや低いはず。

<トップスピードの質について>2018年マイルCSでまぁまぁのトップスピードの質を見せた、このレースでは3,4コーナー内目からスムースに伸びたが、全兄のミッキーグローリーが大外から伸びて上り3F同タイムでクビ差だった。2019年洛陽Sでもスムースだったが3着まで、全体ではスローからL2最速戦になっていて、これを外から勢いを付けて伸びるのが得意パターン。

<持続力について>2018年マイルCSはL1までしっかり伸びてクビ差の4着、このレースは4F戦になっていて持続力の高さを見せた。

<その他について>この馬は非ノーザンF生産馬で休み明けは良くない、きさらぎ賞、2018年毎日王冠、2019年京都金杯、2020年オパールSで凡走。2020年マイルCS(阪神)ではスローバランスを中段のやや前から、終始外を回してしまったし、休み明け3走目で前走激走の疲労もあった。休み明けが良くなく、好走後に反動も出る。更に疲れやすいようで、使い詰めもダメでそれが2020年米子S。ラップ推移的にはハイペースバランスの消耗戦でも結果が出ていないし、前半スローからダラダラ加速していくラップで押し切ることが好走条件、それが2020年スワンSだった。

好材料はなし、悪材料は展開で、1200mが悪い訳ではなく、この馬は前半が速くなってしまうと追走一杯になってしまう。昨年のスワンSがスローバランスを逃げ切ったように、特殊な展開にならないと難しいと思う。

適性:梅