2019年ターコイズS 全頭評価。その2。

<コントラチェック>・心肺機能は高くなくパワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力もまぁまぁ。

”サフラン賞”ではスローバランスを2番手から、上り33.8で届かず2着。”菜の花賞”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、1:33.8は超優秀。”フラワーC”ではスローバランスを3馬身程離して逃げ、L2の下りで出し抜いて圧勝、かなり楽をしたレースで好評価までは出来ない。”オークス”では平均バランスを2番手から、ジョディ―の無謀なペースを追いかけてしまい、直線は一杯になってしまった。”2019年秋華賞”では稍重でハイペースバランスを逃げ争い気味に先行、L2で一杯になり凡走、L2標識までは踏ん張っていたので距離の可能性が高い。

「ターコイズSへ向けて」好材料:マイルへの短縮、コース適正。悪材料:クラス負けの危険。

サフラン賞ではスローバランスを2番手から、L2最速戦に対応はしたがレッドアネモスを捉えきれずにトップスピードで見劣り、終始インコースで楽をしていた割にはL1での減速が大きかった。良かったのが菜の花賞で前後半1.6秒のハイペースバランスを逃げて圧勝している、相手が弱いので高評価は出来ないが、L2で出し抜き決定的な差をつけている。この感じからも現状では、トップスピードの質はまぁまぁ、持続力もまぁまぁという結構中途半端な感じ。瞬発力も中山の坂で加速しているため低いはずで、未勝利戦の札幌がL2で0.9加速しているが、前半が遅過ぎて瞬発力として評価するのは無理がある。

フラワーCもスローバランスからのL2最速戦で新しい面を見せたわけではない、翌日のスプリングSでも1:47.8が出ている馬場だし、2着のエールヴォアもオークスで11着だったのであまり評価はできないかな。秋華賞で距離適正を見せてしまった感じ、稍重でかなりのハイペースバランスを逃げ争い気味に先行して、L2標識で一杯になってしまった。2F長い感じの止まり方でマイルがベストで、高速馬場なら1800mでも勝負できると思う。

好材料はマイルへの短縮で、前走を見てもマイルがベストだと思う。コース適正は非常に良くフラワーC、今回と同じコースの菜の花賞でも勝っているだけでなくどちらも圧勝している。ルメール騎手の継続騎乗も心強い点。悪材料は初の古馬混合重賞でクラス負けの危険がある点、オークス、秋華賞は距離適正が合わなかったのでこのクラスで勝負できるかどうかはやってみないと分からない。フラワーCの翌日幕張Sで1:33.6が出ているのでかなり微妙なところ。

<シゲルピンクダイヤ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高いバテ差し型。

”未勝利戦”ではややスローバランスを中段から、直線は馬群に包まれるもバテ差しで1着。”チューリップ賞”ではスローバランスを後方から、直線では進路変更をしながらバテ差して2着。””桜花賞”ではスローバランスを後方から、直線は空いたインコースを上手く突いて2着、トップスピードの質は見せた。”オークス”では平均バランスを中段から、L3で一杯になり凡走、距離の問題。”ローズS”ではスローバランスを3,4番手先行、L1標識付近で先頭のビーチサンバに並びかけたが、そこから垂れて4着、1F長い。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを後方から、直線は外からスムースにバテ差して3着。

「ターコイズSへ向けて」好材料:マイルへの短縮。悪材料:初コース。

現状ではスローバランスからの追い込みを得意としていて、新馬戦でハイペースバランスを3着だったように、前半速くなると良くない。桜花賞でもスローバランスからロンスパになってのバテ差し、上り32.7とかなり鋭い差し足を使ってクロノジェネシスを撃破したが、直線のコース取りがドハマりした部分も考慮した方が良い。この馬はダイワメジャー産駒で距離は短い方が良いはず、特に牝馬は早熟傾向があって距離適正が早目に出る感じがしています。一夏越したローズSで先行したが距離が長かったこともあり4着まで、ただ先行してもスローバランスなら勝負できるところは見せたので、レースの幅は広がった感じ。

驚いたのが秋華賞で3着に入ったことで、2000mは長いと思ったが稍重でハイペースバランスを後方で溜めたために克服した感じ。この時は自身ややスローバランスになるくらいの位置で進めて、直線バテ差す格好だった。自身の上り3Fが35.6とかなり遅いが上がり最速、それくらい中段より前に居た組には苦しい消耗戦になっていたんだと思う。展開的にはドハマりと言って良いと思うので距離適正はマイルベストを変えないつもり。

好材料はマイルへの短縮でこの馬はダイワメジャー産駒なのでマイルベストで良いと思う。クラス負けの危険はないと思う、秋華賞で0.2差だったカレンブーケドールがジャパンCで好走しているので、この世代の上位は古馬戦でもやれるはず。悪材料は中山コースが初めてなことで、特に3,4コーナーが急なコースで後方からになると届かない可能性が出てくる。

<ダノングレース>・心肺機能は低く、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”アルテミスS”では平均バランスを中段から、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り凡走。”アネモネS”ではややスローバランスを中段の後ろから、全く勝負に行かない騎乗で凡走、この時が休み明け。”デイジー賞”ではスローバランスを最後方から、L3で外から押し上げてL1でバテ差し、少頭数でL1が12.2掛かる展開が良かった、持続力とパワーは見せた。”2018年西郷特別”ではほぼ平均バランスを中段やや後ろから、L3で外から押し上げてL2で先頭に立ち押し切り、L3で12.5だったので楽に捲れたのが大きい。”2018年ノエル賞”ではスローバランスを中段から、L3で外から捲りに行くも11.9のラップを踏まれて捲り切れずに4着まで、L2でもトップスピードの質で見劣っている。”2019年1月中山1000万条件”ではスローバランスを中段から、3,4コーナーは中目を回してコースロスを抑えて直線外からスムースに伸びて1着、L2最速11.0の流れで無理に動かなかったことでL1のバテ差しが決まった。”2019年初音S”ではスローバランスを中段から、直線馬群に包まれてL2で前が壁になったのを外に進路変更、L1で伸びてスムースだったフィニフティを差し切っている、L2は11.5でレースラップ通りだがL1では自身11.3位に加速しているのでまぁまぁの瞬発力を持っている。”2019年福島牝馬S”ではスローバランスを最後方から、L3で11.5を踏んでいる中外から上がって行き3着、道中すぐ前に居たデンコウアンジュは、L3で待って直線で差し切り。”2019年クイーンS”ではスローバランスを中段からやや掛かり気味、直線進路が狭くなり急ブレーキ、騎手が・・・。”2019年府中牝馬S”では稍重で平均バランスを中段やや後ろから、直線は挟まれてしまい伸びずに凡走。

「ターコイズSへ向けて」好材料:コース適正。悪材料:クラス負けの危険、継続騎乗。

アルテミスSを見ても平均バランスになると後半苦しくなるようで、心肺機能は低いと思う。西郷特別も平均バランスで勝ち切っているが、この時は前半が47.9とかなり遅かった、レースレベルで見ても相手も弱かったし、L3で12.5と言うラップを楽に捲れる展開だったから、決して心肺機能で勝ち切ったレースではないと思う。

トップスピードの質はやや低い、初音Sで意外とやれたが前半が48.1とかなりのスローだったし、2着のフィニフティは未だに3勝クラスで苦しんでいる馬なので、レースレベルとしてもそこまで評価はできない。ただL2で進路変更後に見せた再加速は意外に良かった。中山の1000万条件でもL3の12.0からL2で11.1に加速する流れをしっかり反応したので、瞬発力はまぁまぁのものを持っていると思う。持続力は同じ中山1000万条件でL1までしっかり伸びたし、初音Sでも恐らく自身のL1は11.3位は出ているはずなので高いと思う。

2019年クイーンSが酷い騎乗で、直線狭い最内に入って行って急ブレーキ、すぐ後ろに居たスカーレットカラーが2着なので騎手で負けたレース。2019年府中牝馬Sでも直線挟まれてというか、自分から狭いところに突っ込んでいって狭くなり凡走している。もちろん稍重で平均バランス、前半800m46.7だったので心肺機能も足りないことは前が空いてから全く伸びなかったことで証明してしまった。

好材料は中山コースとの相性で、1-1-0-2とまずまず、ただし1,2着時は1800mでどちらも1分49秒台とかなり遅いタイムだった。特に1000万条件を勝った時は当日の9Rで3歳牝馬限定500万条件の菜の花賞で1:33.8が出ているので、1:49.5は遅すぎる。悪材料はこのタイムの悪さで良馬場の重賞では期待できない、これがクラス負けの危険でもある。騎手は三浦騎手の継続騎乗、クイーンSの蛯名騎手も酷かったが前走府中牝馬Sの三浦騎手も酷かった、なので大きな不安材料になると思う。