2019年函館記念 全頭評価。その2。

<カルヴァリオ>・心肺機能はやや低く、パワー有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2016年奥尻特別”では平均バランスをやや離れた追走集団の中段から、L3で先団に取り付き直線外からバテ差しで1着、持続力を見せた。”2016年松前特別”では平均バランスを離れた追走集団の前から、L2で先頭に立ち2着のミッキーロケットを1馬身ちょい振り切って1着、持続力を見せた。”2016年レインボーSではハイペースバランスを離れた3番手から、直線入り口で先頭列に並ぶがL1でバテて凡走、使い詰めの疲労かも。”2017年札幌スポニチ賞”ではややハイペースバランスを中段から、直線中目からジリジリ伸びたが4着、トップスピードの質が足りない。”2017年12月中山1000万条件”ではスローバランスを中段の前から、L2で1着のドーヴァーに離されて3着、トップスピードの質と瞬発力の低さを見せた。”2018年3月中山1000万条件”では平均バランスを中段から、4コーナーで内目からスムースに中目に出して、直線バテ差しの形で1着、2着がショウナンアンセムで半馬身凌いだ持続力は評価。”2018年春興S”ではスローバランスを3番手先行、4コーナー外を回してL3で先頭列に並び直線外からスムースだったが4着、内からフィアーノロマーノに差されたのは仕方ないが、外からプロディガルサン57.5㎏に差されたのはトップスピードの差。”2018年朱雀S”ではスローバランスを下げて中段のやや後ろから、直線外目からスムースに加速して2着、上り33.2のトップスピードと持続力を見せた。”2018年みちのくS”ではハイペースバランスを後方から、4コーナー外から直線スムースに加速して1着、トップスピードの質と持続力を見せた。”2019年安土城S”ではややハイペースバランスを中段やや後ろから、直線外から伸びて5着、休み明けの影響かも。”2019年巴賞”ではハイペースバランスを中段最内から、4コーナーで前が下がってきて大きくブレーキして最後方に下がってしまいレースにならず凡走。

「函館記念へ向けて」好材料:前走は大きな不利で度外視、コース適正。悪材料:先行すると心肺機能が足りなくなる。時計の掛かる馬場への対応。

前走は4コーナーで前の馬が下がってきて行き場を失くして、直線入り口では最後方まで下がってしまいレースにならなかった、なのでこの結果は度外視ていいと思う。もちろんあんな位置に居れば相応のリスクはあるはずで、継続騎乗なので同じようなレースをするリスクはある。朱雀SやみちのくSでは外からスムースに加速して、トップスピードの質を見せているので、外目の枠に入れればプラス。

函館競馬場は3回走って前走を除く2レースで1着、いづれも条件戦だがコース適正は高いと思う。ゴール前の坂も中山で勝ち切っているので十分こなせるはず。

悪材料は心肺機能がやや低いことで、朱雀SやみちのくSでは後方から差す競馬で、新たな一面を見せてきた。ここまでトップスピードの質と持続力が高いとは思っていなかったのでかなり驚いた。これは前半無理をしなかったからこその末脚で、先行していた頃はトップスピードの質は高くはなかった。前走中段からになっていたので、継続騎乗でまたポジションを取りに行くと、後半苦しくなる可能性はある。

函館は洋芝で時計が掛かる馬場なのも不安材料、朱雀SやみちのくSは高速馬場でかなり軽かった、稍重以上に悪化すると成績が悪く、奥尻特別を勝ってはいるがこの時は開幕週で1:47.8とクラスを考えても好タイムだったので、稍重表記でもかなり軽かったはず。京阪杯や阪神Cで凡走している原因が、時計の掛かる馬場であるならば、開幕3週目の馬場状態は良く見極めておきたいところ。馬体重も休み明け以降プラス体重なので、これ以上増えない方がいいかも。

<ゴールドギア>・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く、持続力も高い。

”2018年ニュージーランドT”では平均バランスを後方から、4コーナーで1着のカツジの外を回して直線伸びてはきたが4着、上がり1番時計でトップスピードの質と持続力を見せた。”2018年八雲特別”ではスローバランスを後方から、L3で外から捲って圧勝、稍重と洋芝適正を見せた。”2018年HTB賞”ではスローバランスを後方から、L4から11秒台に入るロンスパで、2頭ほど前に居たレッドローゼスを捉えきれず2着、ロンスパだとトップスピードの質がやや落ちる。”2018年魚沼特別”ではスローバランスを後方から、L3の途中から追い出したが中段に居た1着のミスティックグロウを捉えきれず2着、スローバランスで後方からだと届かないことが多い。”2019年1月中山1000万条件”ではスローバランスを後方から、L3の手前から追い出し大外を回してL1バテ差し、坂上ゴールで持続力とパワーを見せた。”2019年サンシャインS”ではスローバランスを後方から、L3で中段の前まで上がって直線はいっぴあになり3着まで、ペースが上がったL3で外から上がって行き余力がなくなった。”2019年湾岸S”ではスローバランスを後方から、L3で捲りに行って直線一杯5着、L3で11.4に上がっている地点で外から捲る謎騎乗で前走と全く同じミスをしている。

「函館記念へ向けて」好材料:コース適正、乗り替わり、休み明け。悪材料:実績下位。

コース適正は500万条件だが八雲特別を圧勝しているし、函館と同じ坂上ゴールの中山でも好走している。スローバランスになってしまうと後方から届かないことも多いが、坂上ゴールで前に居る組がL1で垂れると届くんだよね、それが3走前の中山1000万条件で、この時はやや追い出しが速かったので、トップスピードの質が鈍ったが持続力とパワーで圧勝してきた。例えスローバランスになったとしても、このコースなら届く可能性はある。休み明けに関してはロードカナロアの産駒なので、フレッシュな方が走る傾向にある。アーモンドアイやサートゥルナーリア、ステルヴィオなんかも休み明けの方がパフォーマンスは良い、まぁあいつらはノーザンファーム生産馬なので外厩が充実しているものあるが、この馬も魚沼特別で2か月半の休み明けながら僅差2着だし、サンシャインSも2カ月の間隔を空けて、騎手に足を引っ張られながらも3着を確保している。ロードカナロア産駒らしい特性は見せているので、間隔を空けたここもマイナスに取る必要はないと思う。

乗り替りに関しても大いにプラスに取りたい、現状で誰が乗るのかは未定だが、近2走の三浦騎手の騎乗ははっきり言って酷い、L3でペースが上がったところを外から捲りに行くという最悪の騎乗で、この馬の一番いい部分であるトップスピードの質と持続力を削いでいる。3走前は勝ち切っているが、この時も仕掛けがやや速いと思う、相手が弱かったので勝ち切れたが、どうもペースが上がった時に仕掛けてしまう癖があるみたい。HTB賞でも4Fのロンスパになったことでトップスピードが甘くなったわけで、持続力は3Fがベストと考えた方が良いと思う。

悪材料としては1000万条件勝ちしかない点でしょうね、サンシャインSで3着があるし、3歳時にはニュージーランドTGⅡで差の無い4着がある、この時も勝ったカツジに対してさらに1頭分外を回していたので、力は示しているし、こういう締まったペースになった方が良いタイプは、クラスが上がった方が好結果を出すと思うので大きな不安ではないかな。

騎手が未定なので何とも言えない部分はあるが、トップスピードの質と持続力の高さは間違いない、それは上がり3F順位がほとんど3位以内という結果からもはっきりしている。なので後方から届くかどうか、そしてこの末脚を生かすために追い出しをギリギリまで待てる勇気と、ギリギリのタイミングを計れるペース判断、これに尽きる。ニュージーランドTの0.1差4着は本当に強い内容で、コース取がカツジと逆なら勝っていたのはこの馬だったはず、2着のケイアイノーテックは後のNHKマイルC勝ち馬だし、カツジもマイルCS4着の馬であることを考えれば、ここは格落ちの馬という評価は危険だと思う。発表された斤量も52㎏と恵まれたし、騎手次第では本命にしてもいいくらいの評価はできる。

<スズカデヴィアス>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はない。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力もある。・内枠が好走条件。

”2018年白富士S”ではスローバランスを中段の後ろから、直線持続力を発揮して2着。”2018年小倉大賞典”ではスローバランスを後方からL2最速戦を外から追い込んで3着、このとき1枠。”2018年新潟大賞典”ではドスローバランスを中段のやや後ろ、L3から10秒台に入る3F戦で1着、このとき1枠。”2018年函館記念”ではスローバランスを後方から、4コーナー回ってから追い出して届かず5着、瞬発力の低さを見せた。”2018年札幌記念”ではハイペースバランスを中段の後ろから、L3で外から上がるも直線入り口で力尽き凡走、心肺機能の低さを見せた。”2018年毎日王冠”ではスローバランスを後方から、直線は外からスムースだったが伸びずに凡走、すぐ前に居たステルヴィオにトップスピードの質と持続力で見劣り。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを中段の後ろから、直線は伸びずに凡走、すぐ前に居たエアウィンザーの瞬発力にも付いて行けず。”2019年新潟大賞典”ではスローバランスを中段から、直線前が壁になり再加速に手間取り凡走。”2019年巴賞”ではハイペースバランスを後方から、稍重で消耗戦になり後方からバテ差し1着、2F目以外は11.9よりも遅いラップで心肺機能と、稍重馬場でトップスピードの質を問われなかった。

「函館記念へ向けて」好材料:好調期、昨年0.3差5着のコース適正、1.5㎏の斤量減。悪材料:8歳の高齢、仕上げに安定性がない。

この馬は掴みどころがない馬で前走も1着なんだけど13番人気、予想家泣かせの馬ですね。好調期と不調期がはっきりしている馬で、3歳時から未勝利戦、すみれSと好走、飛んで比叡S1着、ステイヤーズS4着、京都記念2着と好走、飛んで白富士S1着、金鯱賞3着と好走、飛んでオクトーバーS3着、福島記念2着と好走、飛んで白富士S2着、小倉大賞典3着、新潟大賞典1着と好走。ステイヤーズSは初の重賞挑戦で4着なら好走と言っていいと思う。そして前走巴賞1着と好調期に入ったのなら無視できない。

昨年は3番人気で0.3差5着だった、4コーナーを回ってから追い出したので間に合うはずもなく、上がりは2番時計なのでコース適正は問題ない、前走同じコースで勝っているので問題ないのは当然ですが。その前走が59㎏を背負わされての好走で、今回は1.5㎏減の57.5㎏と軽くはないが前走よりは楽に感じるはず。

悪材料と言うか不安材料は高齢馬であること、キンカメ産駒の割に高齢まで良く走っているが、結局ローカル重賞がやっとで他はOPまでと言う馬、今回もローカル重賞なのでチャンスはあると思うが、相手が予想外に強かったりするとコロッと負けてしまうんだよね。2年前に福島記念でウィンブライトに対して2㎏背負っていながら、タイム差なしの2着なんてのもあるから侮れないが、あの時はウィンブライトが覚醒前だったからね~。2017年の中日新聞杯なんかも直線ミッキーロケットの後ろからで、トップスピードの質で見劣りして凡走している。仕上げに関しても雑と言うか二桁の体重変動が多い。前走もマイナス10㎏だったし金鯱賞もプラス14㎏と安定しない、3歳や4歳になったばかりの時期なら分かるが、成長期もとっくに過ぎた高齢馬の馬体重が安定しないのは、調教師の手腕を疑わざるおえない。今回も大きく変動する可能性もあるので、当日パドックで見るまで安心して買えないんだよね~。

脚質的にもトップスピードの質や瞬発力が高い訳ではないので、どうしても展開待ちになってしまう、前走のように稍重でハイペースバランスになって消耗戦ならチャンスはあると思うが、スローバランスになた時に、勝浦騎手の継続騎乗で展開を打開できるかと言われると、恐らく無理だろう。好調期に入ると何もかも上手く行く時もあるので、なかなか難しい選択を迫られる1頭になるかな。