2019年函館記念 全頭評価。その1。

<アーバンキッド>・心肺機能は低く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2016年アーリントンC”ではハイペースバランスを中段やや前から、直線はスムースに加速してL2で一旦先頭に立つも、L1で後続に一気に来られれて僅差の5着。”2016年毎日杯”ではスローバランスを中段最内から、直線は内からスムースに伸びて2着、外から差し切ったスマートオーディンにはトップスピードの質で見劣り。”2016年NHKマイルC”ではハイペースバランスを3,4番手先行、直線はスムースだったがL1で一杯になり凡走、心肺機能の低さを見せた。”2016年ラジオNIKKEI賞”ではほぼ平均バランスを中段の後ろから、L3過ぎから外を回して進出して直線スムースだったが3着まで、直線入り口で同じ位置に居たゼービントに瞬発力で見劣った。”2017年稲村ケ崎特別”ではスローバランスを2番手から、直線中目からスムースだったが3着、トップスピードの質が低い。”2017年八ヶ岳特別”ではスローバランスを3,4番手先行、直線L2で一旦先頭に立つもL1で差され3着、リカビトスにトップスピードの質と持続力で明確に見劣る。”2017年東京1000万条件”ではスローバランスを2番手先行、直線入り口で早々に先頭に立ち押し切り、重馬場でスローバランスだがトップスピードの質を問われなかった。”2017年ノベンバーS”ではスローバランスを3,4番手先行、直線はスムースだがトップスピードの質と持続力で見劣り凡走。”2017年ウェルカムS”ではスローバランスを2番手先行、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。”2019年初富士S”ではスローバランスを3番手先行、L2で先頭に立つもトップスピードの質と持続力で見劣り5着、この時が1年振りのレース。”2019年スピカS”ではスローバランスを3番手の最内先行、直線内から伸びて1着、重馬場のスローバランスで心肺機能とトップスピードの質を問われなかった。”2019年福島民報杯”ではハイペースバランスを中段の前から、L2で一杯になり凡走、心肺機能の低さを見せた。”2019年巴賞”ではハイペースバランスを中段の前から、直線入り口で先頭に立つもL1で失速して6着、心肺機能の低さを見せた。

「函館記念へ向けて」現状では特に好材料も悪材料もないが、重馬場になれば好材料にはなりますね。

いろんな能力が低くてなかなか好走できない馬なんだけど、ハッキリしているのは心肺機能の中でもAT値(無酸素運動領域)が低いということ、馬場に関係なくハイペースバランスでは凡走していて、3歳時のラジオNIKKEI賞では平均バランスで3着に来ているが、後方からになったことで自身はスローバランスだった。NHKマイルCではハイペースバランスを先行して凡走しているし、逆に毎日杯ではスローバランスを先行して2着に好走している。この時は上り33.0でL2のラップが10.6とトップスピードの質も見せたが、古馬になってトップスピードの質ははっきりと落ちている。

今年のスピカSと2017年東京1000万条件で1着があるがいずれも重馬場、スローバランスで心肺機能を問われず、直線でもトップスピードの質を問われない展開で嵌った感じ。持続力は限定的に高い、その条件がトップスピードの質を問われない時で、馬場にもよるが11秒台前半に入らなければ持続力を発揮できる、この辺りがAT値の低さを表していますね。パワーがある馬なので重馬場は全く苦にしないしんだけど、心肺機能に難があるため道悪でもハイペースバランスになると凡走する、これを見せたのが前走の巴賞でした。AT値とトップスピードの質が低く重馬場でやたら好走する馬って居ますよね、そうです、クリンチャー、そっくりでしょ。

前走が2か月半の休み明けなので疲労の心配はないと思います、好走するとしたら重馬場でスローバランスを先行した時でしょうね。なので天気と展開待ちです、人気にはならないと思うので重馬場になって欲しいですね。

<アメリカズカップ>・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。

”2016年野路菊S”ではスローバランスを3,4番手先行、直線バテ差し1着、持続力は見せた。”きさらぎ賞”ではややスローバランスを3,4番手先行、直線はL2で抜け出し圧勝、重馬場で心肺機能とトップスピードの質を問われなかった。”皐月賞”ではほぼ平均バランスを中段やや後ろから、追走で一杯になり殿負け、心肺機能の低さを見せた。”ダービー”ではスローバランスを中段やや後ろ最内から、直線は不利もなかったが凡走、トップスピードの質が低い。”2017年カシオペアS”ではハイペースバランスを初手は先頭から800m辺りで2番手、直線外から伸びて圧勝、重馬場で心肺機能とトップスピードの質を問われなかった。”2017年マイルCS”ではほぼ平均バランスを中段やや前から、直線は伸びずに凡走、トップスピードの質が低い。”2018年洛陽S”ではハイペースバランスを2番手先行、直線外目に出して伸びたが4着まで、この時は58㎏でさすがに可愛そうな斤量。”2018年都大路S”ではハイペースバランスを後方から、4コーナー外を回して直線はバテ差し6着まで、ほぼ同じ位置から内を突いたサンマルティン1着にトップスピードの質で明確に見劣り。”2018年アンドロメダS”ではスローバランスを中段から、直線て差しで3着まで、良馬場だがかなり重い馬場でトップスピードの質を問われなかった。”2019年巴賞”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、向正面で2番手まで上がりL2で先頭に立つも直線垂れて7着、11秒台に入る地点で2番手に押し上げたために余力がなくなってしまった。

「函館記念へ向けて」好材料:洋芝でトップスピードの質は問われない。悪材料:良馬場で心肺機能やトップスピードの質が問われると苦しい。

心肺機能の内AT値が低いんだと思う、展開に関係なく11秒台のラップを続けてしまうと、後半苦しくなる、2017年2018年のカシオペアSが分かりやすくて、2017年は不良馬場で速いラップを踏まずに、直線もトップスピードの質を問われていないのに対して、2018年は前半から11秒台のラップを2度、中盤でも1度踏まされて凡走している。だからこそ重馬場での成績が異様に良くて稍重以上では2-0-0-2、着外の2回も洛陽Sでは稍重で58㎏を背負いながら0.1差の4着だし、前走の巴賞は稍重で向正面11秒台に入った所で押し上げてしまい自滅している。ペース判断が確かな騎手なら、道悪大歓迎な馬ですね。

トップスピードの質が低いのは良馬場で再三見せていて、ダービーでスローバランスの中、直線全く伸びなかった。小倉大賞典でも平均バランスとは言え、他が軒並み34秒台の中この馬は35.4と高速馬場は適性外ですね。アンドロメダSで良馬場の中3着があるが、この時期の京都は馬場がかなり重くスローバランスから、上がり34.3でも上がり3F順位3位と言う馬場だった。アーバンキッドとよく似たタイプなので、条件が合えば一緒に好走するし合わなければ一緒に凡走するでしょうね。

<エアスピネル>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはやや少ない、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力もまぁまぁ。

”2015年朝日FS”ではほぼ平均バランスを中段から、L2で先頭に立ったがリオンディーズのトップスピードの質と持続力に屈して2着、トップスピードの質でやや見劣った。”2017年京都金杯”ではハイペースバランスを掛かりながら中段やや前から、L2で先頭に立ち押し切り、2着ブラックスピネルにハナ差まで詰め寄られたので心肺機能、持続力はまぁまぁ。”2017年東京新聞杯2”ではスローバランスを中段から、直線は坂で加速できずに3着。”2017年マイラーズC”ではスローバランスを中段から、直線は外からスムースだったが、内から伸びたイスラボニータに持続力で見劣り2着。”2017年安田記念”ではややハイペースバランスを後方から、直線はL2の坂で加速できずⅬ1でバテ差す形で5着まで。”2017年札幌記念”ではスローバランスを中段やや前から、直線L1でバテてしまい5着、持続力で見劣った感じ。”2017年富士S”ではスローバランスを中段の前から、直線は馬場の良い外に出してL1バテ差しの形で1着、不良馬場だったので坂で10秒台のラップを問われなかった。”2017年マイルCS”ではややハイペースバランスを中段から、直線外からスムースだったがペルシアンナイトの持続力に屈して2着。”2018年マイラーズC”ではほぼ平均バランスを中段から、直線はスムースだったがサングレーザーのトップスピードと持続力に屈して3着。”2018年富士S”では平均バランスを中段やや前から、L2の坂で加速できずには伸びたが4着まで。”2018年マイルCSではスローバランスを中段から、直線はスムースに外を回したが馬場が悪く伸びずに凡走。

「函館記念へ向けて」好材料:休み明けでも走る、GⅢで相手弱化。悪材料:8カ月ぶり、2000m、ゴール前の坂。

まず今回は8カ月ぶりのレースになる、もちろん過去にこれ程長期の休みは経験がなく不安材料でもある。間隔を空けても走るのは弥生賞でマカヒキの3着とか、京都金杯の1着、2018年マイラーズCの3着がある、特にマイラーズCは1着がサングレーザーだし2着がモズアスコットなので、レベルが高いレースだった。この時がが5カ月ぶりのレースで馬体重もマイナス2㎏と仕上がっていたので、8カ月振りでもしっかり仕上げてくると思う。

今回はGⅢとはいえローカル重賞で、今まで走ってきた相手とは一枚落ちる、古馬の重賞勝ちがあるのはスズカデヴィアスとメートルダールで共にローカル重賞だからね~。実績的には最上位。

悪材料の方が多くて、まず2000mの距離は不安、古馬になってから2000m以上のレースを走るのはこれが2回目で、札幌記念はL1までは勝負になっていたが最後に垂れて5着だった、持続力がやや足りないのは再三見せているので、2000mがやや長い可能性はある。函館競馬場はゴール前が結構な上り坂で1Fで2m上がる、L3まで緩く下ってL2は緩いのぼり、そこからの急坂になるので持続力とパワーが問われるコース形態。このコース形態はエアスピネルが苦手なレイアウトで、中山の弥生賞、皐月賞でもL1の上り坂で苦しくなっている。

今回は悪材料の方が深刻な気がする。特に2000mの札幌記念でサクラアンプルールやナリタハリケーンにも負けてしまったのはいただけない。まぁ重馬場にでもなれば不良馬場の富士Sを勝ったみたいに、すいすい走ってしまうかもしれないが、こればかりはお天気頼みですからね。総合的に見て本命にはしにくいけど、相手関係を考えると消しにもできないですね。